理念経営の浸透や社員エンゲージメント向上へ、サーベイを軸とした地道な分析と人事戦略の実行:株式会社ワンスターの「ラフールサーベイ」活用事例
株式会社ワンスター
- 活用法
-
- スコアの変化を注視し、個人ケアに活用
- 理念浸透度合いの確認、研修内容の見直し
- 組織と社員の両観点からアプローチしている
- 効果・対策
-
- サーベイのスコアが全体平均で3〜4点上がった
- 社員の本音や潜在的な課題を拾えるようになった
- マネジメントの質の向上につながった
株式会社ワンスターさまは、サブスクリプション型ビジネスやD2C事業に特化したデジタル領域におけるダイレクトマーケティング企業です。
理念経営の浸透、社員エンゲージメント向上のための基盤づくりを目的に、組織改善ツール「ラフールサーベイ」を導入。同社 人事本部 組織推進局 局長 岡田直也さまに、導入の背景、活用方法・成果についてお話を伺いました。
本質的な組織改善につながる、分析のしやすさ・深さ
「ラフールサーベイ」導入の背景について教えてください
岡田さま:
「ラフールサーベイ」導入以前は約4年ほど別のサーベイツールを使っていましたが、結果の分析のしづらさに課題を感じていました。
組織の状態をしっかりと把握し最適な打ち手を検討するためにも、設問に対して誰がどれくらいの割合でどう回答しているか、前回と比較してスコアはどのように変化したのか、などのデータが必要でした。
人事としては、このようなデータがないと社員に対してしっかりとケアすることが難しいと感じ、他のツールに移すことを検討していたところ「ラフールサーベイ」に出会いました。
では、 「ラフールサーベイ」を選ばれた理由を教えてください
岡田さま:
「ラフールサーベイ」を選んだ最大の理由は、分析のしやすさ、深さです。サーベイを実施した後の改善策の実行が社内課題であったため、それが改善出来る可能性を感じられたところが大きかったです。
具体的には、2種類あるサーベイのうちの「ショートサーベイ」は、個人データの閲覧権限を選択できるので、状況に応じたきめ細かいフォローアップができると感じました。
そのほかにも、サーベイの質問設計・項目が工夫されているので、より社員の本音の回答が得やすい点も魅力でした。
加えて、システムのUIもわかりやすく、管理者・サーベイを受ける側の社員が負荷なく利用できる点も大きなポイントでしたね。
目的に応じた施策立案と、共通認識をもつことがサーベイ運用の肝
導入後の運用、活用促進のために工夫したことがあれば教えてください
岡田さま:
まず導入後ですが、「ラフールサーベイ」を実施する意義や目的を明確に伝達するようにしました。
運用をスタートするタイミングで、「ラフールサーベイ」は単なる形式的なものではなく、社員の声を聞き、より良い職場環境を作るための重要なツールであることを丁寧に説明しました。これにより、回答率や回答の質の向上につながりました。
次に活用促進については、調査結果の迅速な分析と共有、管理職向けのマニュアル作成、定期的な経営層とのコミュニケーションの実施などに取り組んでいます。
サーベイ実施後、翌週の月曜日には簡易的な全体分析を行い、管理職に共有しています。特に注意が必要なチーム(全体平均から5点以上乖離しているなど)については、必ず確認するよう依頼しています。
それに伴い、「ラフールサーベイ」の結果の見方や活用方法について、管理職向けのマニュアルを作成し、配布しています。これにより、各部署での自主的な分析と改善活動を促進しています。
日々の運用に加え、半年に1回、本部長クラスと面談を行い、各部署で起きている課題や人事に求める施策についてヒアリングを行うことで、現場のニーズに合った施策を展開できるようになりました。
これらの工夫により、「ラフールサーベイ」の実施が単なる数字の把握だけでなく、実際の組織改善につながる有効なツールとして機能するようになりました。
「ショートサーベイ」を月に1度、「ディープサーベイ」を3か月に一度実施される中で、それぞれの具体的な利用方法を教えてください
岡田さま:
まず「ショートサーベイ」については、主に個人のケアに活用しています。管理責任者である人事部門は個人の回答結果を閲覧できる権限設定をしているため、前月との比較や、1on1との内容を照らし合わせて、個人の状態の変化を把握できるようにしています。
例えば、先月に比べてエンゲージメントが下がっている場合、なにか気になることがあるのかなと注意を払います。 このように、個人のケアを丁寧に行うのがショートサーベイの主な活用方法です。
また、各事業本部ごとに、一定役割職者以上の社員に閲覧権限を与えています。個人の回答結果は見えないようにしていますが、部署ごとに、質問に対する回答内訳を見れるようにしているため、各部署毎での施策のPDCAが回しやすい状態になっています。
つぎに「ディープサーベイ」では、項目ごとにより深い内容を確認したり、特に理念浸透に関する項目を重視してみています。
例えば、理念に対する質問に対して反応が思わしくないと結果が出た場合、これまでの理念研修の内容・方法が今のフェーズや社員に最適化されているのか?と考え直すきっかけとなりました。
また、「ディープサーベイ」の結果を活用して、ストレスチェックの補助的なデータとしても利用しています。3ヶ月に1回のタイミングで、必要があれば産業医面談を勧めたり、人事との面談の場を用意したり、早期ケアできるよう活用しています。
社員の本音があってこそ、正しい人事施策の立案・実施ができる基盤に
サーベイの結果をもとに、施策の立案・実施などはされましたか?
岡田さま:
はい、実際にサーベイの結果をもとに、理念浸透のための研修内容を見直した例があります。
以前は、社員を5人1組にして、月1回1時間、チームを横断して理念についてディスカッションする機会を設けておりました。その際、一定役職者以上の社歴の長い社員がファシリテーターとなり、人事側が設定したテーマに沿って進めていました。
しかし、サーベイの結果から、理念の理解、浸透にまだ改善の余地があることがわかりました。そこで、一定役職者以上の社歴の長い社員だけではなく、社員全員がファシリテーターを担当する形式に変更しました。
この変更により、参加者全員が自分の言葉で理念を語る機会を得ることになりました。 結果として、理念に対する理解度が向上し、サーベイの数値も全体平均で3〜4点ほど底上げされるという効果が見られました。
サーベイを活用したお取り組みで印象に残っているエピソードがあれば教えてください
岡田さま:
「ラフールサーベイ」を通して社員の本音や潜在的な課題を拾い上げられるようになったと感じています。
例えば、サーベイの回答を見て気になる点があった場合に面談をすることがあります。その時に社員から「表面上はモヤモヤを出しているつもりはなかったんですが、悩んでいるのがわかりましたか?」というような反応があったことは印象的でしたね。
「飾らずに、素直に回答することで気にかけてもらえた」という体験が生まれ、人事や管理職としても、回答する社員側として良いきっかけになりました。
このような積み重ねにより、管理職がより客観的に自分のチームの状況を把握できるようになったり、日常的なコミュニケーションもより活発になり、社員が自分の意見や懸念を素直に表現できる雰囲気が醸成されてきていると感じます。
また、「なんとなく」ではなく、数値やコメントをもとに具体的な施策を考えるようになり、マネジメントの質の向上に繋がっています。
「ラフールサーベイ」の運用を通して、組織と社員の両観点からアプローチできており、理念経営の浸透や社員エンゲージメント向上を推進する基盤となっています。このようなサイクルが正確な組織状態の把握、改善につながっていますね。
今後「ラフールサーベイ」に期待すること、活用していきたいことなどがあれば教えてください
岡田さま:
現在の「ラフールサーベイ」の機能には非常に満足しています。 特に、分析のしやすさや質問設計は期待以上のものでした。
当面の活用としては、さらに詳細な分析や、長期的な傾向に注目する力を入れていきたいと考えています。より戦略的な人事の活用に活かしていきたいですね。
組織改善に特別な近道はないと思っていて、なにかひとつ解決したら次の課題が見えてきて、それを地道に解決していく、どれだけ泥臭くやれるかが大事だと考えています。
社員が素直に安心して回答してくれる関係性を築くことが重要で、しっかりと社員に向き合うことが人事施策を機能させるために必要なんだと日々感じています。
現在は主に人事部門と一部の管理職が中心となって活用していますが、今後はより多くの管理職や社員にサーベイの結果を共有し、組織改善に向けて全社的に取り組んでいきたいと考えています。