社員のケア・エンゲージメント向上から、人的資本経営の実現を目指す製造業の組織改革:日本プラスト株式会社のラフールサーベイ活用事例

活用事例
活用法
  • サーベイを使い分け、組織全体の状態把握と個人ケアを実施
  • スコアが20ポイント以上下がった社員への人事面談実施と、継続的なフォロー
  • グループ毎にサーベイ結果を共有し、成功事例の展開に活用
効果・対策
  • メンタル不調者の減少と面談実施者の約7割でスコア改善
  • 「褒める文化」の定着により、購買部門で5点以上のスコア向上
  • 工場での回答率が45%改善し、現場の声を反映

日本プラスト株式会社さまは、自動車の内外装部品および安全部品を手がける自動車部品メーカーです。特に内外装と安全部品の両方を手がける企業は世界でも数社しかおらず、2024年現在、静岡県に本社を構え、国内外に複数の生産拠点を持ち、グローバルに事業を展開する上場企業です。

同社では2018年から「働き方改善委員会」を立ち上げ、さまざまな施策に取り組んでいます。その中で、施策の成果や実態が見えづらいという課題があり、組織全体の状態やエンゲージメントを可視化、改善するために、2023年に「ラフールサーベイ」を導入しました。

人事戦略室 室長 兼 総務部長 時田さま、人事戦略室 人財開発課 課長 村松さま、人事戦略室 労務管理課 課長 加藤さまに、導入の背景、活用方法・成果についてお話を伺いました。

個々人のケアができ、良い点もしっかりと伸ばせるバランスの良さが決め手に

「ラフールサーベイ」導入の背景について教えてください

時田さま:
2018年から「働き方改善委員会」を立ち上げ、フレックスタイム制度やテレワーク、育児休暇制度など、さまざまな制度改革を進めてきました。

しかし、制度を整備するだけでは社員のエンゲージメント向上や組織の活性化につながっているのか、実態が見えづらいという課題がありました。

また、それまでほとんど見られなかったメンタル不調による休職者が増加傾向にあり、中高年層を中心に体調を崩される方も出はじめていました。

こうした状況を受け、組織全体の状態を可視化しつつ、社員のケアをはじめ、エンゲージメントを高めることを目的に、サーベイツールの導入を検討しました。

では、 「ラフールサーベイ」を選ばれた理由を教えてください

時田さま:
エンゲージメントサーベイを中心に3〜4社のサービスを比較検討しました。

あるサービスにおいては、組織の良い部分にフォーカスしたアプローチが多く、「既にエンゲージメントが高い部署・社員に働きかけて、相乗効果で他の部署も良くしていく」という印象を抱きました。

一方、「ラフールサーベイ」は、エンゲージメントをはじめ、メンタルやフィジカル面、職場環境、さらに社員個々人にスポットを当てて、ケアをしながら組織のエンゲージメントを高めていくアプローチが特徴的だと感じました。

メンタル不調による休職者が増加傾向にあった当社の課題に照らし合わせると、一人一人に寄り添う形でケアし、土台を形成した上でエンゲージメントを高めていくほうが良いと考え、当社が実現したい組織改善のイメージに合っていた「ラフールサーベイ」の採用を決めました。

このようなバランスの良さが大きな決め手でしたね。

また、ラフール社の営業の方が、当社が抱える課題にしっかりと耳を傾けてくれ、社内の雰囲気や我々がもつ悩みを理解した上で、解決に向けた提案をしてくれたことも決め手の一つです。

サーベイ運用は時間をかけて行う認識をもっていたので、長くお付き合いできる「安心感」も大事なポイントでしたね。

人事戦略室 室長 兼 総務部長 時田さま

丁寧なサーベイ運用と分析・改善により、約7割の社員でスコアが改善

ディープサーベイ・ショートサーベイの具体的な活用方法を教えてください

時田さま:
半年に1回のディープサーベイと月1回のショートサーベイを実施しています。

ディープサーベイは、組織全体の状態の可視化、改善のために活用し、結果に基づいて改善プランを作成し、各部署で実行していくアプローチを取っています。

ショートサーベイは、個人のケアに重点を置いています。メンタル、フィジカル、エンゲージメントの項目から前回と比べて20ポイント以上スコアが下がった社員には人事から声がけをし、面談を実施します。

面談にあたっては、まずはスコアが高い点に着目し、ライトに会話をはじめ、徐々に変化の激しい項目について触れていくようにしています。印象として、面談を実施すると、止めどもなく話してくれることが多いです。「些細なことでも聞いてほしかったんだな」という気持ちを強く感じますね。

そして、本人の同意を得た上で上司にも共有し、必要に応じて部署全体での改善につなげています。

面談で得られた情報は継続的に観察し、スコアが改善しない場合は再度面談を行うなど、きめ細かいフォローを心がけています。

この取り組みを通して、メンタル不調による休職者数は導入前と比較して減少傾向にあり、面談実施後は約7割の社員でスコアの改善が見られています。

また、サーベイ結果はグループ毎に社内の定例ミーティングで共有され、各部署での取り組みの進捗確認や成功事例の共有にも活用されています。特に回答率の高い部署の取り組みを他部署に展開するなど、全社的な改善活動にも役立てています。

全体把握もしつつ、些細な変化の機微でもスピード感をもって対応でき、バランスよく運用ができていると思いますね。

「褒める文化」の醸成により、スコアが5点以上改善

導入・運用後、社内での変化、活用を通して得られた成果はありますか?

村松さま:
「ラフールサーベイ」の結果から見えてきた大きな課題の一つが、「成功体験の少なさ」でした。

製造業特有かもしれませんが、安全部品メーカーとして高い品質基準が求められる中で、「できて当たり前」「不良が出ないのは当たり前」という考え方が根付いており、良い成果を上げても褒められる機会が少ない状況でした。

この課題に対し、管理職層を中心に意識改革を進めました。

「部下のモチベーション、やる気を引き出すために上司はなにをすればよいか」「部下との人間関係の質の向上が組織のパフォーマンスを高める」といった問いかけやメッセージを継続的に発信しました。

次第に「こういう場面ではもっとメンバーを褒めよう」「他部署で良い成果がでたから、自部署でも試してみよう」といった視点を持つ管理職が増えてきました。

特に現場では、これまでの「ミスをすると評価が下がる」というマイナス評価から、「ミスを出さなかったら褒められる、評価される」というプラス評価へと転換。加えて、表彰制度を導入するなど、具体的な施策にも落とし込んでいます。

また、購買部門での成功事例として、若手社員を含めた部署全体でのブレインストーミングを実施しました。現場の社員が日頃感じていることや改善要望などを役職関係なく自由に意見として出し合える場を設けたことで、会議室のモニター設置をはじめ、生産性向上に繋がる具体的な職場改善につながりました。

この取り組みの結果、購買部門のラフールサーベイスコアは5点以上改善。特に「成功体験」に関する項目で大きな改善が見られ、その成功事例を他部署にも共有することで、全社的な改善成果のモデルケースとなっています。

人事戦略室 人財開発課 課長 村松さま

地道な改善と継続により回答率が45%改善

工場拠点のサーベイ実施において、工夫された点や改善がみられた例はありますか?

加藤さま:
当社は3つの工場拠点があり、九州工場ではサーベイ実施当初、回答率は35%でした。

外国籍社員が多く働いていること、工場勤務の社員は個々にPCを付与していないことなどをはじめ、こういった組織の取り組みは本社でやること、工場には関係ない。と思われてしまっていたことが要因だったと考えています。

そのため、改めて「現場で働く人の意見が大事だ」というメッセージを丁寧に伝えたり、外国籍社員へのケア、回答するための共通PCの配置をはじめ、地道に改善を続けました。

「ラフールサーベイ」は多言語対応しているため、外国籍社員が回答する分にはさほどハードルは高くなかったですが、回答する意義については通訳や翻訳を通して丁寧に伝えました。

結果、九州工場では80%を超える高い回答率に改善、伊勢崎工場でも70%以上に改善と、良い変化が見られています。

工場長との密なコミュニケーション、現場からの改善提案を積極的に取り入れるなど、改善施策を根気強く続けることがしっかり成果にも反映されるのだと思いました。

人事戦略室 労務管理課 課長 加藤さま

「ラフールサーベイ」によるエンゲージメントの可視化・改善は人的資本経営の重要な取り組み

中期経営計画における「ラフールサーベイ」の位置付けを教えてください

時田さま:
当社では中期経営計画の重要課題として、「ラフールサーベイでのエンゲージメント可視化・改善を重要な人的資本への取り組み」として位置づけています。

可視化、スコアの改善を目指すことは当然ながら、同時に単なる数値目標の達成ではなく、社内が活気に満ち、社員同士が良好な関係を築きながら働ける環境づくりを目指しています。それが結果として組織のパフォーマンス向上につながると考えています。

また、人材育成についても重要な柱の一つとして位置づけられています。現在、同社では年間25名前後の新卒採用を行っており、若手社員の育成も重要な経営課題の一つとなっています。

そのため、チャレンジ文化の醸成、若手人材の定着率改善を通じたエンゲージメントスコアの継続的向上を目指し、「ラフールサーベイ」のデータを活用しながら日々改善に向けて取り組んでいます。

今後の目標、展望についてお聞かせください

時田さま:
「ラフールサーベイ」導入から約2年が経過し、スコアの改善はもちろん、組織全体に大きな変化が表れてきました。特に「褒める文化」の醸成は、大きな成果の一つといえます。

しかし、まだ課題も残されています。若手社員の自発性をさらに引き出すこと、部署間の連携強化、グローバル展開に向けた人材育成など、取り組むべき項目は少なくありません。

個々の社員に寄り添いながら、組織全体の活性化を目指す日本プラストの取り組みは、まだ道半ばです。しかし、一人一人の社員を大切にする姿勢は、着実に成果として表れ始めているため、今後も長期的な視点で、組織改善に向けた取り組みを続けてまいります。

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