フジサンケイグループの総合制作会社が実践する、ストレスの”原因”可視化と全社スコア最大2.1点改善。不調の未然防止とエンゲージメント向上を両立する組織づくり:株式会社共同テレビジョンのラフールサーベイ活用事例
- 活用法
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- ショートサーベイを毎月実施し、メンタル・エンゲージメント双方のスコア変動から個人のケアに活用
- 臨床心理士との連携による早期面談体制の構築
- 組織改善施策と連動させ、従業員の意欲と健康意識を醸成
- 効果・対策
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- 総合ラフールネスの偏差値が向上、エンゲージメント含む全項目で前回比プラス
- 全社的に高ストレス者率が23.61%→20.26%と3.35ポイント改善
- 経営者の発言やスタンスの変化で、従業員の気持ちの変化・影響が定量的に数字で分かった
株式会社共同テレビジョンさまは、フジサンケイグループに属する総合制作会社です。創業から約67年の歴史を持ち、地上波ドラマやバラエティ、ドキュメンタリーから、Netflixなどの配信コンテンツ、スポーツ中継まで、映像制作に関わるあらゆる領域を網羅しています。制作部門に加え、カメラ・編集・中継車まで所持する技術部門を擁する、業界でも珍しい総合力が強みの制作会社です。
同社では2015年のストレスチェック義務化以降、検査を実施してきたものの、結果の分析・活用が十分にできず、メンタル不調者が増加傾向にありました。ストレスの「原因」まで特定し、不調の未然防止と従業員エンゲージメントの向上を両立できる仕組みを求めて、2024年7月に「ラフールサーベイ」を導入しました。
総務部 人事室 安達さまに、導入の背景、活用方法・成果についてお話を伺いました。
ストレスの「高い・低い」だけでなく、”なぜ”が見えるツールを求めて
「ラフールサーベイ」導入の背景について教えてください
安達さま:
2015年のストレスチェック義務化に伴い、当社でも実施していました。ご紹介で導入したツールを使い、毎年検査を行って結果を労基署に報告するという運用をずっと続けていたのですが、ストレスが高いか低いかの判定はできても、なぜその人のストレスが高いのかという具体的な原因を特定することができませんでした。
適切な対策が取れないままだったことで、残念ながらメンタル不調者が少し増えてしまった時期がありました。かつてはメンタル不調になると、診断書を持ってきて「お休みさせてください」というケースがあって、その時点ではもう手が打てないんです。そうした中で、従業員のストレスを未然に防ぐためのツールを探し始めました。

では、「ラフールサーベイ」を選ばれた理由を教えてください
安達さま:
時間をかけて何社か調べて、最終的に「ラフールサーベイ」ともう1社で迷いました。「ラフールサーベイ」を選んだ大きな決め手は3点です。
まず、システムが非常に見やすく、わかりやすかったことです。日々確認するものなので、パッと見てわかるというのは重要でした。また、分析できる範囲も幅広く、回答内訳も把握でき、要因を特定したいニーズに最も沿っていました。他社のツールは結果の読み解きが難しく、どこを見ればいいのかわかりづらかった印象がありましたね。
もう一つは、年に1回のストレスチェックだけで本当に未然に防げるのかという疑問がありました。当社はドラマやバラエティなどの制作部が4部門、制作技術部、スポーツ、さらに総務・経理・業務部などのバックオフィスと、全12部署があって繁忙期がバラバラです。従業員からも「1回やるだけでわかるんですか」と言われたこともありました。複数回調査を実施できるところを探していたのですが、他社さんは回数分だけ料金が倍になるという話で。
「ラフールサーベイ」は何回も実施できることと料金が固定というところが、弊社に合っているなと感じました。操作性・分析のしやすさ・繁忙期がバラバラな制作現場でも、毎月コンディションを追える柔軟性、この3つが大きな決め手でしたね。
毎月のショートサーベイと臨床心理士の連携で、不調の予兆もエンゲージメントの変化もキャッチ
ショートサーベイ・ディープサーベイの具体的な活用方法を教えてください
安達さま:
ショートサーベイは毎月上旬に10日間ほどの期間で実施しています。メンタル・フィジカル・エンゲージメントの各項目について、前月よりもスコアが大きく変動している方にはアラートが出るので、変化を拾いやすいんです。毎月その人に何が起きているのかを把握できるので、未然に防ぐという一番の目的にすごく活用できています。
また、当社では産業医のほかに臨床心理士の先生とも契約しているので、ショートサーベイに追加の設問で「臨床心理士との面談を希望しますか」という項目を設けています。希望された方には時間を取って面談を実施していますし、人事室からスコアが継続して低い方にお声がけすることもあります。月に1件以上は面談が入っていますね。
メンタル面のスコアが低い方には臨床心理士の面談をご案内し、エンゲージメントの低下や健康面で気になる点があれば、部署の上長に共有したり、人事室の担当が直接話を聞いたりと、状況に応じた対応をしています。メンタルの不調だけでなく、仕事への意欲が下がっているサインも拾えるのがいいですね。こういったツールがあるからこそ、一人一人の状態に合わせた声かけやケアができる。毎月実施して本当によかったなと感じます。

ディープサーベイの回答率85.3%を実現するために工夫されたことはありますか?
安達さま:
直近のディープサーベイは266名中227名が回答し、回答率85.3%でした。ただ、最初から順調だったわけではなく、1回目は90%を超えたものの、2回目は80%台に落ちたんです。
そこからは未回答者にはひとりひとりに個別でリマインドをする、それしかないと思いましたね。そのためメッセージとしても「ひとりひとり個人の健康管理のために受けましょう」ということを丁寧に繰り返しお伝えしました。健康診断もそうなんですが、100%に近づけるためには個別に声をかけるといった地道な対応が必要不可欠だと思っています。
任意とはいえ、ショートサーベイの回答率はまだ課題で、月によって30%台の時もありました。ただ直近では45.9%まで上がってきています。部長会で毎月「ショートサーベイを実施しています」と伝えたり、社内イントラネットに健康経営のページを新設したりと、少しずつアナウンスの工夫を重ねてきたことが効いてきているのかなと思います。
エンゲージメント含む全項目で前回比プラス、総合ラフールネスの偏差値も向上
導入後に見られた変化や改善について教えてください
安達さま:
直近のディープサーベイの結果では、エンゲージメント含む全項目で前回比プラス、総合ラフールネスの偏差値も向上しました。同業界(放送・新聞・出版)比較でも平均以上となっています。
高ストレス者率も3.35ポイント改善し、高離職リスク者も3.5%と低い水準に収まっています。メンタル、フィジカル、睡眠などのスコア改善がそのまま高ストレス者の減少につながっていると感じます。
特に印象的だったのは総務部の変化です。高ストレス者率が20%から6.67%に大幅改善し、総合ラフールネスも59.4点と、全社平均を上回る結果になりました。
コミュニケーション不足の改善に加え、6月に新しい社長が就任したことも、組織にとって大きな転機になったと感じています。前年の年初に業界内での問題があり、業界全体が大きな打撃を受けて「このままどうなるんだろう」という不安感がありました。そこに新しいリーダーが来て、従業員を大切にするというメッセージを発信されて、「変わっていくんじゃないか」という期待感が生まれたことが結果への表れだと推測しています。
経営者の発言やスタンスが変わると、従業員の気持ちにもこれだけ影響するというのが数字でわかるのは、サーベイを実施しているからこその気づきですね。

社内の意識変化やエンゲージメント面で感じていることはありますか?
安達さま:
社内全体の健康意識はかなり高まってきていると感じます。イントラネットに健康経営のページを新設しましたし、年末には「ハッピーヘルシークリスマス」というイベントを開催しました。ヘルシーお菓子の販売会や飲料メーカーさんを呼んでの適正飲酒セミナー、ボディチェックの体験も、お台場と築地の2拠点で実施したんです。
意外だったのは、社員が福利厚生サービスをとても活用してくれていることですね。福利厚生サービスの利用率も高くて、担当者の方にも驚かれるくらいでした。サーベイの価値観設問でも「自分の努力によって人生を豊かにする」が36%、「自分らしさを大事にする」が33%と、自律的にライフスタイルを充実させたいという意識が強いことがデータからも読み取れます。仕事に対しても「達成感」を最重視する従業員が45%と最も多く、こうした内発的な意欲をうまく活かしていくことが、エンゲージメント向上のカギだと感じています。
睡眠改善と適性検査連携で、「やりがい」と「コンディション」の好循環をつくる
今後の課題や展望についてお聞かせください
安達さま:
一番大きな課題は睡眠です。全社の「仕事の負担」スコアは45.6点と低い傾向にあり、特に制作部門では第1制作部が39.5点、第2制作部が42.9点、第3制作部が39.7点と顕著です。放送業界ですから締め切りがあってクオリティを上げなければならない中で、どうしても睡眠が犠牲になりがちです。実際、「寝ても疲れが取れない」と回答した従業員が約7割にのぼっています。
ただ、睡眠スコアは前回の50点以下から51点に改善が見られていますし、レポートの相関分析では睡眠と総合ラフールネスの相関が0.5と一定の関連性が確認されました。この流れを止めずに、来年度は睡眠をテーマにしたセミナーの実施を検討しています。健康経営優良法人の認定にも睡眠は重要な要素ですので、そこも見据えて取り組んでいきたいですね。
また、ラフール社の採用適性検査「テキカク」も導入しているので、ラフールサーベイとの連携にも期待しています。サーベイの結果と適性検査データを組み合わせることで、社内で活躍する人材のパターンが見えてきたり、中途採用の配属の参考にできたりと、人事施策の幅が広がるのではないかと考えています。
あとは、やはり分析結果をもっと各部門の管理職に活用してもらいたいですね。今は人事室が中心に見ていますが、部長や管理職の方々が自部署の結果を見て「こういう傾向があるから、こうしていこう」と自ら考えられるところまで持っていきたい。レポートでは「人間関係」「同僚との関係」「組織との関係」「制度・福利厚生」が総合ラフールネスとの相関0.9と最も高い項目として出ていますので、まさにそこが改善のレバーになります。
「ラフールサーベイ」のおかげで、従業員のコンディションやエンゲージメントの波がリアルに見えるようになったことは本当に大きいです。不調を防ぐだけでなく、一人ひとりがやりがいを持って働ける環境をつくっていくために、これからもしっかり活用していきたいと思います。
