建設業界の働き方改革を加速させる戦略的なサーベイ活用:株式会社平山組の「ラフールサーベイ」活用事例
- 活用法
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- 心身の健康ケア、エンゲージメント向上に役立てている
- 回答ルールを設け、100%に近い回答率を維持している
- 採用活動のアピール材料として活用している"
- 効果・対策
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- 健康経営優良法人の認定取得に役立っている
- 社員の健康意識が高まった
- ハラスメントリスクを未然に防げた
株式会社平山組さまは、創業95年目、長崎県に本社を構え、総合建設業を営む企業です。土木、建築、舗装を中心に公共工事から民間の小規模工事、大規模施設まで幅広く手がけています。
積極的に健康経営、働き方改革に取り組まれており、さらなる推進を目的に組織改善ツール「ラフールサーベイ」を導入しました。導入の背景、活用方法・成果について、常務取締役 中村友久さまにお話を伺いました。
網羅的に組織状態を把握でき、分析、対策立案がしやすい
「ラフールサーベイ」導入の背景について教えてください
中村さま:
当社は2019年から健康経営優良法人の認定を申請していました。当初は主にフィジカル面の体調管理から始めましたが、過去に精神的な理由で休職や退職をした社員もいたので、そういった事態を未然に防ぐためにも、フィジカルケアをはじめ、メンタルヘルスケアの重要性を感じていました。
しかし、メンタルヘルスチェックのための質の高いツールは有償のものが多く、予算の問題から導入を見送っていました。
まずは無料でできることから始め、1〜2年運用を進める中で、従業員の健康意識が高まり、エンゲージメントも向上してきた手応えを感じました。
そこで、これらの効果を可視化し、心身の健康となる土台を築き、よりエンゲージメントを高めていきたいと感じ、2023年より「ラフールサーベイ」の導入を決めました。
では、 「ラフールサーベイ」を選ばれた理由を教えてください
中村さま:
いくつかのサーベイツールを検討しましたが、「ラフールサーベイ」を選んだ理由は主に3つあります。
1つ目は、設問の網羅性の高さです。
ベースとしてケアしたい、フィジカル・メンタル面をカバーできることはもちろん、エンゲージメントや従業員満足度、ハラスメントや離職リスクを把握できる点に魅力を感じました。
2つ目は、使いやすさです。
結果の良し悪しが明確に可視化され、毎月のフォローアップが遅延なくできる点が魅力的でした。タイムラグがあるとフォローのタイミングを逃してしまうので、即時性は重要だと考えました。また、管理者をはじめ、サーベイを受ける従業員に負担をかけさせたくなかったので、ツール選定において使いやすさは重要なポイントでしたね。
3つ目は、ラフール社の営業担当者の対応が良かったことです。
我々の課題をよく理解し、提案をしてくれたことで、サーベイを使用して実現したいことのイメージが非常に沸きました。
導入後の運用、活用促進のために工夫したことがあれば教えてください
中村さま:
サーベイの運用を定着させることが重要だと考え、いくつかの工夫をしています。
まず、毎月の実施日と締め切り日を固定しました。休日や祝日があっても、毎月1日に開始し、10日に締め切るというルールを設けました。
次に、全社員向けにこまめにリマインドをしています。1日にサーベイ開始のお知らせを送り、締め切り直前にもアナウンスします。その際、未回答者数が誰なのかも具体的に記載し、「回答していないのは自分だけかも…」という意識を持ってもらうようにしています。
最終日になっても未回答の社員には個別にフォローし、1日だけ回答期間を延長するなどの対応をしています。これらの取り組みにより、毎月ほぼ100%に近い回答率を維持できています。
エンゲージメント低下やハラスメントリスクを早期にケアできる
「ディープサーベイ」を3か月に一度、「ショートサーベイ」を月に一度実施される中で、それぞれの具体的な利用方法を教えてください
中村さま:
まず「ディープサーベイ」の実施タイミングは、会社の繁忙期を考慮して決めています。例えば、ゆっくり回答できる時期、繁忙期にさしかかる前、繁忙期、繁忙期を超えたあと、といった具合です。
3か月に一度の頻度で実施していますが、それぞれの時期で社員の心の余裕や達成感が異なるので、その変化を捉えるのに適していると考えています。当社にとっては理想的な実施頻度ですね。
忙しい時期は全体的にスコアが下がる傾向にありますが、その時期を乗り越えたあとに得られる達成感であったり、会社の対応に満足している場合はスコアが上がる傾向があります。このような変化を見ることで、会社の取り組みの効果を確認できます。
「ショートサーベイ」で把握できる、メンタル・フィジカル・エンゲージメントの結果をもとに、気になる点数が出ている時、振れ幅が大きい時などに、社員に声をかけたり、面談を行うようにしています。
悪化する前に未然に対応できるようになったことは大きな利点です。
一方、「ショートサーベイ」については、想定外の利用ケースがありました。個別面談の際に、従業員から「最近の自分のサーベイスコアが低いんですよね」と切り出されたことがありました。
「現場でこういうことがあって、こういうのが嫌で、だから今やりづらくて、ここ2ヶ月くらいエンゲージメント下がっていると思うんですよね」といった具合に話をしてくれ、社員が自分の健康やエンゲージメントの状態を表現するツールとしてサーベイを活用してくれていることに気がつきました。
データをもとに共通認識をもてるようになったので、コミュニケーションが取りやすくなったと感じています。
社員が自分の状態を客観的に把握し、それを伝える手段として「ショートサーベイ」を活用してくれているのは想定外でしたが、非常に有効かつ嬉しかったですね。
サーベイを活用したお取り組みで印象に残っているエピソードがあれば教えてください
中村さま:
サーベイの結果を見て、ある社員のモチベーションが落ちているのに気づき、声をかけたことがあります。話を聞いてみると、ハラスメント的な問題で悩んでいることがわかりました。
当社ではそれまでハラスメントへの対策を明確に設けておらず、この件をきっかけに、社労士さんに相談しながら、当社の社員、パートナー企業をはじめとした約100名を対象にハラスメントの実態調査アンケートを実施しました。
アンケートでは、ハラスメントを見たことがあるか、自分がやったと思うことはないか、他人がやっているのを見たことはないか、などを3択で回答してもらいました。
回答結果で実態を把握できたため、今後は社員との個別面談を行い、さらに役職ごとのハラスメント防止研修を計画しています。
このエピソードは、「ラフールサーベイ」がきっかけとなって具体的な問題が明らかになり、それに対して会社が真摯に対応している姿を示すことができた良い例だと思います。
こういった積み重ねが、会社と従業員の関係性を良くし、会社全体を良くしていく原動力になると感じています。
サーベイをきっかけとした健康促進、業績や採用にも好影響
実際の活用効果、「ラフールサーベイ」を評価している部分について教えてください
中村さま:
まず、視覚的に分かりやすい形でサーベイの結果が表示されるので、とても使いやすいと感じています。
健康経営優良法人の認定取得にも役立っていますね。
従業員50人未満の企業ではメンタルヘルスチェックは義務ではありませんが、当社では「ラフールサーベイ」を導入することで、自主的にメンタルヘルスケアに取り組んでいることをアピールできています。
様々な施策や取り組みを通じて、健康に関する会話が増えたことも効果の一つです。例えば、「このままだと病気になるかもしれない」とか「お酒を止めようかな」といった会話が仕事終わりに聞こえてくるようになりました。
「ラフールサーベイ」をはじめとした、健康や働き方改革への取り組みをきっかけに健康に関する話題が出て、それが日常的な会話につながっています。間違いなく、全員の健康に対する意識が高まっていると感じます。
他にも、採用活動においてとても活用できており、学生向けの説明会などで、健康経営優良法人認定や、「ラフールサーベイ」をはじめ、各種健康管理アプリの導入などはアピール材料となっています。
今後「ラフールサーベイ」に期待すること、活用していきたいことなどがあれば教えてください
中村さま:
まず私は、建設業界特有の長時間労働の文化を変えるため、「ワーク・ライフ・バランス」の考えを重要視しています。健康管理を評価基準にも折り込み、社員には、過度な労働時間がフィジカルに影響し、結果メンタルヘルスにも悪影響を与えることを度々説明しています。
しかし、当社の事業的に、売上をたてるためには稼働時間=人を増やす必要があります。その時に、人を採用できる会社としての魅力や環境が整っているかが非常に大事だと思うんですよね。
社員のため、採用のため、引いては会社の業績を高めるために、健康経営をはじめ、働き方改革を実践しています。
現在はサーベイ機能を中心に活用していますが、今後はサーベイ結果をもとに、「こんな研修が必要だ」とか「この人にこういう情報を伝えなければ」といった具体的なアクションにつなげていきたいと考えています。
ラフールさんの周辺サービスには、健康に関する研修やマネジメント研修など、様々なソリューションがあると聞いています。
複数の会社のサービスを使うよりも、一つの会社を軸に広げていった方が連携が取りやすいと考えていますので、そういった意味で、ラフールさんを中心に、当社に合った施策を広げ、よりよい会社に成長させていきたいです。