福利厚生とは?具体例と共に簡単に分かりやすくご紹介!福利厚生で社員が快適に働ける職場環境づくりを

福利厚生の種類は把握している?社員が快適に働ける職場環境づくりを目指す

年々多様化していくライフスタイルや価値観に合わせて、企業もそのあり方を変え、働き方改革を推進する動きが強まっています。その具体的な施策の一つが、福利厚生の充実です。人材確保に貢献したり、従業員のモチベーションを向上させたり、企業が経営を行う上で欠かせない福利厚生について、導入のメリットや種類、具体的な事例などを紹介していきます。

福利厚生とは具体的に何か?

福利厚生とは、企業が従業員に提供する「給料以外の報酬・サービス」の総称です。福利厚生を導入・整備することの目的は、従業員やその家族が健康で経済的に安定した生活ができるようサポートすること、そして、従業員の労働環境を整備することで職務上で一人ひとりに能力を発揮してもらうことです。

注目されている背景と導入目的

では、なぜ福利厚生に注目が集まるようになったのでしょうか?

第一に、現代の流れとして今まで主流であった終身雇用制度が無くなりつつあることが挙げられます。そのため、転職がより気軽に行われるようになり、企業から人材が流出しやすい世の中に変化しました。加えて、少子高齢化によって労働人口も著しく減少しています。このことから、優秀な人材を獲得し、定着させていくことが企業にとって非常に重要な要素になってきているのです。

福利厚生制度が整備されていると、企業ブランディングの強化や社会的信用度も向上し、自社にとって必要かつ優秀な人材の確保にもつながるため、近年、採用戦略の一環として福利厚生制度を充実させる会社が増えています。

第二に、働き方改革が推進されたことを皮切りに、人々がワークライフバランスや働く環境に対して強い関心を持つようになったことが挙げられます。さらに、2023年度からは上場企業に対して人的資本の開示が義務化されました。従来のように人を単なる労働力として捉えるのではなく、企業にイノベーションを起こす資本の一つとして捉え、従業員に投資していこうという考え方が高まっているのです。これらのことから、人を大切にする環境を構築することが企業に求められています。

この環境を構築するためには、福利厚生を充実させることが最も有効であるため、多くの企業が多種多様な福利厚生を提供することに力を注いでいるのです。また、人的資本の流れからも、人材を中長期的に育成するため、研修や資格取得のサポートなど教育面での福利厚生も取り入れられるようになっています。

福利厚生の対象はすべての従業員

福利厚生の対象は、正規雇用者(無期雇用フルタイム労働者)だけでなく、パートタイム労働者や有期雇用労働者(契約社員)も含む全ての従業員に及びます。

2020年4月1日には「パートタイム・有期雇用労働法」が施行され*、雇用形態の違いによる不合理な待遇差を解消し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるようになりました。これにより現在では、基本給や賞与をはじめ、各種手当、福利厚生などに至るまであらゆる待遇について、パートタイム、有期雇用労働者にも不合理な待遇差が生まれないよう配慮されています。

*中小企業は2021年4月1日から施行

会社の福利厚生を充実させるメリット

福利厚生を充実させることは従業員側だけでなく、企業側にもたくさんのメリットがあります。ここでは、福利厚生を充実させることで生まれる企業側のメリットについて紹介していきます。

優秀な人材の確保

待遇や手当の有無などに注目して会社を選ぶ求職者も多く、福利厚生の充実度は採用力の向上にも影響します。

認知度がない企業の場合でも、働きやすい環境がととのっていることで優秀な人材を確保できるので、人材が集まらないことで悩んでいる中小企業ほど、福利厚生に真剣に取り組んでいくことのメリットが大きいと言えるでしょう。

社員のモチベーション向上

福利厚生によって、各種手当や補償がしっかりしていることは、従業員にとって働く上での安心材料になります。自分の頑張りが還元されていることの実感は、モチベーションを向上させ、よりよいパフォーマンスをするきっかけにつながります。さらに、従業員が企業へ定着する効果も狙えます。

また、定期的な人間ドックや健康診断、社員食堂でバランスのとれた食事を提供することは、従業員の健康管理にもつながり、結果的に仕事の効率化を図ることができます。業務効率を最大化するためにも、従業員の健康状態を良好にすることは必要なことです。

組織全体の生産性向上

福利厚生を充実させることにより、組織全体の生産性向上が見込まれます。特に、教育面の福利厚生を充実させれば、個人の能力が高まるだけではなく、従業員が相互に意識を高め合い組織全体の能力が向上すると考えられるのです。

また、ワークライフバランスの取れた環境を提供することで、業務時間における従業員の集中力も向上すると考えられます。そして、従業員は限られた時間の中で業務を終わらせられるよう、より効率化を意識した働き方をすることが予想されます。

社会的な信用の獲得

経済産業省が健康経営に積極的に取り組む企業を「健康経営銘柄」として選定するなど、福利厚生が充実している会社に信用が集まる傾向にあります。福利厚生が充実していると「従業員を大事にしている会社」「福利厚生に十分なリソースをかけるだけの余裕がある会社」として認識されるため、企業イメージが良くなり、社会的な信用度が高まります。

会計上の節税効果

福利厚生を支給することにより、節税できることもあります。税務会計上の福利厚生費は、「役員・従業員の福利厚生を目的として、給料・交際費以外の間接的給付を行うための費用科目」と定義されています。一定の基準を満たして福利厚生費と認められれば、経費として扱うことが可能です。経費として扱えれば、法人税の算出根拠となる利益額を抑えられるため、会計上の節税効果もあります。

会社の福利厚生を充実させた場合のデメリット

これまで、福利厚生のメリットについてご紹介しましたが、福利厚生を充実させる際には同様にデメリットやリスクも発生します。考えられるデメリットについては、以下の通りです。

多額のコスト

福利厚生を導入するには、多額のコストがかかります。これは、最も大きなデメリットと言えるでしょう。

2020年11月に発表された一般社団法人 日本経済団体連合会による「2019年度福利厚生費調査結果の概要」では、企業が負担した福利厚生費は、従業員1人当たりの1ヶ月平均が108,517円(法定福利費:84,392円、法定外福利費:24,125円)であったことが明らかになっています。

このことからも、福利厚生の導入には、非常に多くのコストがかかることが伺えます。上記のメリットとして会計上の節税効果を挙げましたが、これと比較しながらも、自社の予算内でどの程度福利厚生を充実させるのかを適切に判断することが重要であると考えられます。

導入に伴う負担

次に、制度の整備や管理に人手が必要となり企業に負担がかかることが挙げられます。制度を導入するまでには、どのような福利厚生が従業員から求められているのかを調査し、その福利厚生にかけられる予算なども考える必要があります。また、制度の整備後は、活用を推進し、継続的にその制度が適切に利用されているかを調査・改善するなど、長期的に管理を行うことも求められます。そのため、福利厚生を導入し、運営していくためには、金銭的なコストだけではなく、多くの時間や人手もかかるのです。

格差発生のリスク

最後に、福利厚生を利用できる人と利用できない人の間に格差が生じ、不公平な状況に陥ってしまうリスクがあります。この状況に陥った場合、該当の福利厚生を利用できない従業員に不満が生まれてしまう可能性が高まります。

福利厚生の対象となる人物に制限がある場合は、対象外となる従業員に向けた新たな福利厚生を実施することで公平性を保つ、または、複数の福利厚生から自分の希望に沿って一定数選択することのできる「カフェテリアプラン」を導入するなど、格差発生のリスクを抑えると良いでしょう。

福利厚生の種類:法定福利厚生

福利厚生の種類は大きく分けて以下の2種類に分類できます。

  • 法定福利厚生:法律で義務付けられたもの
  • 法定外福利厚生:法律に関わらず企業独自に設けられるもの

まずは、法定福利厚生についてみていきましょう。

法律によって企業の負担が義務付けられた法定福利厚生は、社会保険と呼ばれる5種類の保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)と、子ども・子育て拠出金を指します。

健康保険(企業が半額負担)

従業員とその家族がケガや病気、出産や死亡した場合に利用ができる保険制度です。保険料を納める代わりに、ケガや病気の医療費の一部や出産や死亡の場合の一時金を国や自治体が負担してくれます。保険料は、会社と従業員で折半です。

介護保険(企業が半額負担)

家族だけで担っていた介護を社会全体で支えていくため、2000年に創設された保険制度で、原因を問わず要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスの一部費用が支給されます。従業員が40歳になると強制加入となり、健康保険に上乗せされて給与から徴収され、保険料は会社と従業員で折半されます。

厚生年金保険(企業が半額負担)

正規雇用の従業員の老後や死亡に備えるための保険制度です。パート、アルバイト、契約社員の場合も、原則として労働時間および日数が正社員の4分の3以上である常時雇用であれば、強制加入です。年金受給時に国民年金に上乗せされて支給され、保険料は、会社と従業員で折半です。

雇用保険(会社が一部負担。6割程度)

従業員が失業した場合に備えるための保険制度です。正規雇用の従業員はすべて加入義務があります。パートやアルバイト、契約社員の場合には、週の所定労働時間が20時間以上で、かつ継続して31日以上雇用見込みのある者が加入対象です。失業した場合に必要な給付が行われ、失業者の生活の安定を図り、再就職の援助を行います。保険料は、会社が6割程度を負担します。

労災保険(会社が全額負担)

勤務中あるいは通勤中に従業員がケガをしたり、病気になったりする災害が起きた時、ざまざまな補償を受けられる保険制度です。正規雇用の従業員をはじめ、パート、アルバイト、契約社員を含むすべての従業員が強制加入の対象となり、補償内容は多岐にわたります。保険料は会社が全額負担します。

子ども・子育て拠出金(旧名:児童手当拠出金)(会社が全額負担)

子ども・子育て拠出金とは、児童手当や子育て支援事業、仕事と子育ての両立支援事業などに充てられている税金で、2015年に「児童手当拠出金」から「子ども・子育て拠出金」に名称変更となりました。納税対象者は、子どもの有無、既婚未婚は関係なく厚生年金に加入している全従業員です。これは従業員が納税するのではなく、従業員の報酬をもとに算出された金額を会社が全額負担します。

また、これら6種類の他に「障害者雇用納付金」や「労働基準法に基づく災害補償の費用」を企業が負担することも法定福利に含まれます。

福利厚生の種類:法定外福利厚生

次に、企業が独自で設けられる法定外福利厚生は、従業員の生活補助、健康維持、労働環境の向上など、さまざまな目的で設定されます。ここでは、代表的な法定外福利厚生を紹介します。

通勤・住宅関連

通勤・住宅関連の福利厚生としては、以下が一般的です。

  • 通勤手当(交通費、ガソリン代など)
  • 住宅手当(家賃やローンの補助)
  • 社員寮や借り上げ社宅
  • 地方勤務時の家賃手当
  • 転勤時の引っ越し手当

通勤手当は、限度額を設定した給付が一般的です。一定金額までは会社の福利厚生費と認定され、社員へ支給される際は非課税です。住宅手当は数万円程度の支給が一般的で、支給される手当は給与と見なされるため課税対象です。

健康医療関連

健康医療関連の福利厚生としては、以下が一般的です。

  • 食習慣の改善(朝食提供や社食での食事、管理栄養士の指導など)
  • 運動習慣の定着(ジムやスポーツクラブ補助、運動インセンティブの付与など)
  • 心身の健康管理(人間ドック、カウンセラーの設置など)
  • 傷病援助(傷病手当、傷病休暇、休業補償、復職支援など)

健康を害してしまうことで、離職につながることもあるため、予防・早期発見・早期治療の観点が大切です。

体育・レクリエーション関連

体育・レクリエーション関連としては、以下が一般的です。

  • スポーツ部活動や文化サークル活動の補助金
  • ランチや飲み会の費用補助
  • 社内運動会
  • 保養所利用の割引・補助
  • 社員旅行

保養所への無料・格安宿泊は、一昔前から知られている定番の福利厚生です。近年では、社内運動会など、学生時代のような雰囲気で楽しむ社内交流イベントも、IT系企業やスタートアップ業界で多く見られるようになりました。

慶弔災害関連

慶弔・災害関連の福利厚生としては、以下が一般的です。

  • 結婚祝い金
  • 従業員や家族の死亡時弔慰金
  • 従業員もしくは配偶者の出産祝い金
  • 従業員の子供の入学祝い金
  • 災害見舞金
  • 遺族年金

会社によって種類は異なりますが、このような突発的なライフイベントに対する手当は他の制度に比べて、比較的整備されている企業が多いと言われます。

育児介護関連

育児介護関連の福利厚生は、以下が一般的です。

  • 法定以上の育児・介護休業、子の看護休暇
  • 短時間勤務制度
  • 男性従業員の育児休暇の充実
  • 託児・保育施設の設置
  • ベビーシッター費用の補助

オフィスと同じ建物内に託児施設が用意されていたり、ベビーシッターを雇う費用の一部(または全額)を負担する福利厚生が増えています。また法律の定める育児休暇に加えて、育児に関わる休業を推奨する企業もあり、中にはその期間の給与を全額支給する場合もあります。

財産形成関連

財産形成関連の福利厚生は、退職後の生活を安定させるための貯蓄を援助するためのものですが、その目的によって以下の3つに分かれます。

  • 財形年金貯蓄:金融機関などと契約を結んで5年以上の期間にわたって定期的に積み立てを行い、60歳以降にその貯蓄を年金として受け取れます。
  • 財形住宅貯蓄:マイホームの取得やリフォームなど、住まいの資金づくりを利用目的とした財形貯蓄です。
  • 一般財形貯蓄:貯蓄目的が限定されていない貯蓄です。車の購入費用や海外旅行費用、結婚資金や教育資金など、幅広い目的に使用できます。労働者と金融機関などが契約を結び、原則3年以上の期間にわたって定期的に積み立てを行います。

その他、会社の株を社員に持たせる持ち株制度などもあります。

職場環境関連

従業員が働きやすい環境を整え、離職率の低下のために以下のような福利厚生を整える企業も増えています。

  • 在宅勤務、テレワークの導入
  • スマートフォンや最新デバイスの支給
  • 食堂、カフェの設置
  • 集中できる個別スペースの設置
  • マッサージ利用制度
  • 従業員間での感謝・貢献ポイントのやり取り

特に、社員食堂やカフェなどの設置は増えており、アイスクリームや夜食の食べ放題、朝昼晩すべての食事が無料という、従業員を喜ばせるための福利厚生は、度々話題に上っています。また、在宅勤務の環境整備も重要視される傾向にあります。

業務関連

業務に必要な知識を得るための書籍購入費用の負担や、資格取得のための試験費用の負担など、従業員のキャリア構築をサポートする福利厚生もあります。

グローバル人材育成の一環として、英会話など語学レッスンの費用の一部負担や、会社に専門の講師を招いての講座やレッスンの開催なども見られるようになりました。従業員が無料で受けられるものもあります。

自己啓発関連

直接的に業務に関係がなくても、従業員のスキルが向上し、業務に対するモチベーションが向上すると判断されるものへの補助をしている企業もあります。例えば、自己啓発のための交流会や外部のトレーニング、講演・セミナーへの参加費用の一部負担がそれにあたります。

休暇関連

育児休暇や慶弔休暇とは別に休暇が与えられる福利厚生も存在します。本人や家族、恋人の誕生日、両親の命日、学校行事をはじめプライベートを充実させるための休暇です。中には失恋した場合の休暇や、推しアイドルが卒業した時の「ロス」休暇などユニークなものもあります。

手厚い福利厚生がある企業の具体例

休暇関連の福利厚生のほかにも、企業が独自に行っている福利厚生制度の中には、その企業ならではの手厚い福利厚生が数多くあります。下記にその一例を紹介します。

Google

Google社では、従業員と家族が身体的、経済的、精神的に良好な状態を維持できるよう、世界水準の福利厚生サービスを実施しています。

たとえば、一流のシェフが作った栄養バランスのとれた食事がビュッフェスタイルで1日3食、無料で食べられます。さらに食堂とは別にセルフサービスのマイクロキッチンも用意しています。休憩したいときはいつでも、ドリンク(ジュースやコーヒーなど)や軽食(果物やスナックなど)を楽しめます。

そのほかにも、自宅から参加できるフィットネス教室や、メンタルヘルスに特化した支援プログラムなど、高いパフォーマンスが発揮できる環境が用意されています。

Facebook

Facebook社では、従業員の成長と家族の暮らしをあらゆる形でサポートしています。

具体的には福利厚生として、代理出産や卵子凍結といった不妊治療や出産費用の補助が受けられます。加えて、育児休暇は性別にかかわらず有給扱いで4か月も取得が可能です。男性の育児休暇の取得率が高いことからも、制度が同社に浸透していることがわかります。Facebook社では、とくに家族に関する項目が充実している印象です。

大和ハウス

大和ハウス工業株式会社では、ワークライフバランスを重視した福利厚生が整っています。

特徴的なものには、有給休暇を1時間単位で使用できる「時間単位有給休暇」や、1年間に5日を限度に子どもや配偶者・両親・祖父母の看護のために休暇を取得できる「家族の看護休暇」などがあげられます。仕事と家庭の両立をサポートする制度を充実させることで、女性従業員の勤続年数も伸びているそうです。

ChatWork

ビジネスチャットツールを運営するChatWork株式会社では、メンバーの声をもとにさまざまな福利厚生を導入しています。

在宅勤務に必要なPC周辺機器が一部補助される「一歩先の働き方支援制度」や、最新情報が学べる研修を企業が全額負担する「セミナー受講制度」など、多様な働き方をサポートする制度が特徴です。

また実家へ帰省する費用を1回につき14,000円支給する「ゴーホーム制度」や、海外旅行の費用を支援する「ゴーグローバル制度」など、スタッフのプライベートを充実させるための制度も用意されています。

バンダイ

おもちゃメーカー大手の株式会社バンダイでは、結婚や出産の際にお祝い金が支給されます。

なかでも特徴的なのは、1子・2子出産時には20万円、3子の出産時にはなんと200万円も支給される「出産子育て支援金制度」です。ほかの企業に比べ、子育てに関する支給額が手厚いのは、子ども向けのおもちゃを数多く手掛けるバンダイならではといえるでしょう。

メルカリ

株式会社メルカリでは、日本国内であれば住む・働く場所を従業員自らが選択できる「メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル “YOUR CHOICE”」を、2021年に新たに導入しました。

これにより、出社を前提としないフルリモートワークが可能に。この制度をきっかけに地元にUターンしたり、気に入った土地に移住したりと、従業員にとって非常に満足度の高い制度になっています。

GMO

GMOでは、従業員同士が気軽にコミュニケーションをとれる場所として「シナジーカフェ GMO Yours」を設置しています。海外とやりとりする従業員のために、365日24時間いつでも開かれており、食事や飲み物はすべて無料。ランチタイムにはビュッフェスタイル(コロナ禍の影響で現在はお弁当)、金曜日の夜にはBarスペースに変わり、お酒も飲み放題です。

このほかにも、調理室で調理したお昼ごはんが出る「社内託児所」や、業務の合間にマッサージが受けられる「マッサージスペース」など、働く従業員の能力を最大限発揮するための制度がそろっています。

CROOZ

ECサイトやスマートフォン向けゲームの開発を手掛けるクルーズ株式会社では、従業員が安心して長く勤められる職場環境を目指し、休暇制度が充実しています。

たとえば、勤続7年の従業員に5日間の休暇と15万円の旅行代金が支給される「ルーラ制度」。人気RPGゲーム・ドラゴンクエストに出てくる呪文(特定の場所に移動できる)から名付けられたユニークな制度です。同社が設立してから12年の時点で、すでに十数人が取得する人気の制度となっています。

「オモシロカッコイイ〇〇をツクル」をコンセプトに掲げる、同社の遊び心が光る制度といえるでしょう。

株式会社じげん(旧株式会社アイアンドシー・クルーズ)

住宅用太陽光発電システム比較などのメディアやサービス運営を手掛ける株式会社じげんでは、「発電手当」という独自の制度を導入しています。従業員が自身の持ち家に太陽光発電システムを設置する際に、購入補助が出る制度です。

従業員が自社のサービス・住宅用太陽光発電システム比較サイト「グリエネ」を実際に利用するよい機会にもなっています。

社員が求めている福利厚生とは?

企業イメージの醸成のために戦略的に設けられた福利厚生がある一方で、本当に従業員が求めている福利厚生とは、どのような内容なのでしょうか?マンパワーグループが2015年に行った調査*では、以下のような福利厚生が「あったら嬉しい」と人気を集めていました。

家賃補助・住宅手当

1位:「住宅手当・家賃補助」(48.3%)

2位:「食堂、昼食補助」(33.9%)

3位:「人間ドックなど法定外の健康診断」(33.0%)

金額の大きな住宅手当や家賃補助が切望されるのは、当然の結果かもしれません。また、2位の食堂や昼食補助も日々の出費が抑えられるため、求める声が非常に大きいようです。

また、「あってよかったと感じた福利厚生」の回答で得票数が多かったトップ3は、次の通りです。

1位:「食堂、昼食補助」(17.1%)

2位:「住宅手当・家賃補助」(16.7%)

3位:「余暇施設、宿泊施設・レジャー施設などの割引制度」(14.5%)

日々の食堂や昼食補助は、従業員からの要望も強く、満足度も高い不動の人気を誇る福利厚生です。会社としても高額な住宅手当などに比べ、取り組みやすい食事補助などを実施することで、求職者へのアピールや現従業員の労働環境の改善に、大きく貢献する福利厚生といえます。

(*マンパワーグループ調べ:2015年3月実施・有効回答数972

https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/150422_01.html)

しかし、これらはあくまで調査の一例であるため、従業員によって価値観・ニーズが異なることを念頭に置く必要があります。自社の従業員はどのような福利厚生を求めているのかについてきちんと調査し、人材の多様性に配慮しながら福利厚生の制度を実施する必要があるでしょう。

福利厚生を導入する際の注意点

従業員満足度の向上のために、福利厚生を導入することは大切なことですが、導入の際に注意すべき点を踏まえないと不平等なものになってしまったり、形式的で使えない制度になってしまったりすることで、従業員の不満を高めてしまう結果になりかねません。

ここでは、福利厚生を導入する際の注意点について解説します。

需要はあるか

福利厚生を導入しても実際に従業員が利用しないと意味がありません、一見良さそうな福利厚生だったとしても、従業員側から見るとあまり実用的ではなく、実際にはほとんど利用されない福利厚生になってしまうことがあります。事前に従業員にアンケートを取るなどして、本当に必要な制度かどうか判断するのも効果的です。

全員が均等に利用できるか

全従業員が利用できる制度かどうか確認することが大切です。正社員だけ、既婚者だけ、など利用条件に偏りがある場合は、他の従業員の不満がにつながることもあります。また、社風によっては、新卒など社歴の浅い従業員が制度を使いにくい雰囲気になっていることもあります。全従業員に行き渡るような制度設計と、利用の促進を心がけてください。

管理の手間や費用に見合うか

前述の通り、福利厚生の導入には費用がかかり、利用状況の管理にも手間や費用がかかります。そのコストに見合うだけ有益な制度なのかどうか、検討することも非常に重要なポイントです。

定期的な見直し

福利厚生に限らず全ての制度にも言えることですが、導入後も継続して制度の管理を行う必要があります。具体的には、対象となる福利厚生の利用状況などを調査し、改善を続けることが大切です。利用状況に課題がある場合には、従業員に対してヒアリングやアンケート調査を行うなど、課題の原因について探り改善策を練ると良いでしょう。

福利厚生の導入方法

福利厚生を導入する際に、最も重要なのは導入目的です。「会社をこのような状態にしたい」「従業員にこういう状態になってほしい」というゴールから逆算し、どのような制度が適切かを判断するようにしましょう。その上で、どの福利厚生が適切なのか迷った場合には、以下のような方法で導入を検討してみてください。

自社で制度を作る

福利厚生の制度を自社で作れば、自社の従業員のニーズに合わせたオリジナルな内容を制度化できます。

住宅手当、通勤手当、退職金制度、勤続手当、皆勤手当など、お金に直接関わるものは、自社で検討して導入を進める企業が多いです。ただし社宅や社員食堂などは物件やスペースを確保する必要があり、導入に多くの費用がかかるので慎重な事前調査と判断が必要です。

福利厚生サービス提供会社に委託する

自社で検討する他の方法として、福利厚生サービスの提供会社に委託する方法もあります。費用はかかりますが、管理や導入がスムーズで人事や総務の負担が少なくて済みます。導入の仕方には、「パッケージプラン」「カフェテリアプラン」と主に2種類の方法があるので、それぞれ解説します。

パッケージプラン

パッケージプランとは、福利厚生サービスの提供会社が用意した定額制の福利厚生パッケージを導入すれば、従業員は福利厚生パッケージの中から利用したいものを選びサービスを利用できるというものです。

導入が非常にスムーズで、管理コストもかかりにくく、会社の負担が少なくて済みます。そのため、幅広いサービスを自社の福利厚生として手軽に提供したい企業にとってメリットのあるプランです。

ただし、パッケージ化されているので、他社との差別化が図りにくく、企業の独自性の創出には向きません。

カフェテリアプラン

カフェテリアプランとは、企業が従業員に一定額の補助金(ポイント)を支給し、従業員はその支給されたポイントを使って、サービス提供会社が用意した福利厚生メニューの中から好きなものを選択・利用するという仕組みです。

ポイント管理からメニューの提供までを一括して外部委託する形ですが、ライフスタイルが多様化している今、従業員や家族の細かいニーズに答えられるメニューの豊富さから注目が高まっています。

ただし、ポイント制のため、管理の手間がかかったり、有効期限が過ぎるとポイントが失効してしまったりというデメリットもあるので、導入の際は事前に把握しておくことが大切です。

パッケージプランに比べて割高になる場合が多いのですが、従業員が自発的に選んで利用できる点は大きな魅力でしょう。

おすすめ・人気の福利厚生サービス

続いては、おすすめの福利厚生サービスをジャンル別に紹介します。自社に取り入れる際の参考にしてください。

レジャー系

従業員数が多ければ多いほど、ニーズは多様化するもの。大企業には、さまざまなジャンルをカバーするパッケージサービスがおすすめです。以下に2つ紹介します。

ベネフィット・ステーション

株式会社ベネフィット・ワンが手掛ける「ベネフィット・ステーション」では、全国47都道府県で使える、140万件以上のサービスが用意されています。学びやエンタメ、健康サポートなどさまざまな分野の優待が、従業員とその家族二親等まで受けられます。

価格は、従業員1人あたり月1,000円~(入会金が別途必要)です。定額制のためコスト管理がしやすいのも魅力の1つ。会員数は業界No.1とされ、多くの企業が導入しています。

Perk

株式会社Wantedlyが運営する「Perk(パーク)」は、「福利厚生のニューノーマル」をコンセプトにしたサービスです。ファッション、グルメ、子育て・教育関連など幅広い1000以上のサービスが用意されています。従業員とその家族が利用でき、それぞれのライフスタイルにあったものを選べます。

すでにWantedlyの採用サービスを利用している企業であれば、最大100名まで無料で利用できます。契約している企業は見逃せないサービスといえるでしょう。

食事補助

「食事補助」は福利厚生のなかでも、比較的導入しやすい制度の1つです。食事をサポートすることで、健康維持はもちろん、従業員の満足度や職場環境の改善にもつながります。

Fit Food Biz Lite

株式会社AIVICKが手掛ける「Fit Food Biz」は、医師・管理栄養士監修の社食サービスです。デスクワークが多く、運動する機会の少ないビジネスパーソン向けに、低カロリーで栄養バランスのとれたお弁当を提供しています。こだわりの無添加の出汁を使用し、塩分ひかえめながら、十分旨味を感じる味わいに仕上げています。

サービス利用料金に加え、1食あたり500円を従業員が負担する形で利用が可能です。契約すると専用の冷蔵庫を貸し出してもらえるため、保管にも困りません。「健康経営」を目指す企業にぜひ試してもらいたいサービスです。

オフィスおかん

株式会社OKANが運営する「オフィスおかん」は、1品から利用できる置き型社食サービスです。管理栄養士が監修した、健康的で安心・安全なおいしいお惣菜を24時間いつでも1品100円で食べられます。全国各地の季節の食材を使った約20種類のお惣菜が月替わりで楽しめるのもうれしいポイントです。

導入の際は、企業側は電子レンジを準備するのみでOK。専用の冷蔵庫とボックスは運営企業が用意してくれます。食事を買いに出る必要がないため、オフィスで完結できるランチとしてコロナ禍でも人気を集めています。

1食100円を従業員が負担するほか、別途サービス料金(管理・配送費用など)が必要です。導入費用の詳細は、株式会社OKANまでお問い合わせください。

ごちクルNow

スターフェスティバル株式会社が運営する「ごちクルNow」は、東京23区内向けの宅配弁当サービスです。送料がかからず、10食からの配送に対応しているので、従業員数が少ない企業でも導入しやすいでしょう。

ランチサービスを利用する場合は、当日10時までにネットから簡単に注文が可能。栄養バランスのとれた日替わりランチが楽しめます。

プランは通常プラン(デリバリーのみ)とプラスプラン(配送スタッフの受渡し付き)の2つ。利用料金は、企業の全額負担、一部負担、従業員の全額負担から選べます。

社内コミュニケーション活性化

仕事をするうえでコミュニケーションは欠かせません。ちょっとした会話から新しいアイディアが生まれることもあるものです。そんな社内コミュニケーションの活性化に役立つサービスを2つ紹介します。

ネスカフェアンバサダー

ネスレ日本株式会社が運営するネスカフェ アンバサダーは、職場でカフェが楽しめるサービスです。ネスレのマシンを使い、コーヒーやラテ、宇治抹茶などが1杯あたり20円で利用できます。

専用定期便「ラク楽お届け便」を利用すれば、マシンのレンタル料金は無料。またマシンが故障した場合も、修理・交換費用はかかりません。手軽に取り入れられる方法で、社内コミュニケーションの改善を狙うならぴったりのサービスといえます。

Garden

株式会社LUCY ALTER DESIGNが運営するGardenは、バリスタ常駐型のオフィスカフェ導入支援サービスです。国内外の10のロースターから厳選した豆を使用し、ハンドドリップで淹れたおいしいコーヒーがオフィスで味わえます。

バリスタがコーヒーを淹れる待ち時間に、自然と会話が生まれて従業員同士のコミュニケーションにつながると評判です。オフィスにいながら本格的なカフェにいるかのような気分が味わえ、オフィス出勤に価値を感じる福利厚生といえるでしょう。

仕事と家庭の両立支援

共働き家庭の増加により、仕事と家庭を両立できる職場環境へのニーズが高まっています。ここからは、ワークライフバランスの向上をサポートするサービスを2つ紹介します。CaSy法人プラン

CaSy(カジー)は、家事代行サービスです。福利厚生として導入できる法人プランでは、お掃除代行・お料理代行のスポットサービスが対象となります。

家事負担が軽減されることで、従業員はその分の時間を家族と過ごしたり、勉強の時間に費やしたりできます。心に余裕が生まれることで、仕事の生産性もアップ。また「家庭と仕事が両立できる」という企業イメージの向上にも役立ちます。

ポピンズシッター

ポピンズシッターは、無料ではじめられるベビーシッターサービスです。自宅保育はもちろん、外遊びや送迎、幼児教育、病児保育など幅広いサービスが受けられます。

年会費や契約費などの初期費用がかからず、支払いは利用した分だけ。企業の負担割合は予算に応じて決められます。また内閣府ベビーシッター券(1日あたり2,200円×2枚分が割引になる内閣府助成)や各種福利厚生チケットも利用が可能です。

子育て世代にうれしい福利厚生を導入することで、求職者へのアピールにもなり、優秀な人材の確保にもつながるでしょう。

社員の状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

従業員のコンディションが悪いかも?と感じた時、福利厚生を見直すのも大切ですが、本質的にその原因を見つめることが最も大切です。

「ラフールサーベイ」は、組織の状態を調査し、社員の状態を可視化するツールです。

従来の社内アンケートなどでは見えにくい心身の健康状態、エンゲージメントなどを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

まとめ

従業員とその家族が健康で経済的に安定した暮らしをサポートしながら、企業にとってもメリットをもたらす福利厚生は、目的自体は変わらずとも新しい形の制度も誕生しています。

近年のトレンドを踏まえて、自社らしい福利厚生制度について、今一度、検討してみてはいかがでしょうか?

https://survey.lafool.jp/

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