働き方改革のワードとともに、労働者の働く時間やオフィス環境などを改善する動き「職場環境改善」が昨今、注目を集めています。その職場環境改善には正しく行うためのポイントや注意点がいくつかあります。
この記事ではそうした職場環境改善を行うために必要な情報および、実際の改善事例やツールなどを一つずつ解説していきます。
1. 職場環境改善とは
初めに、職場環境改善とは何なのかという基本的な内容から、そのメリットや実際の職場改善の例まで簡単にポイントをまとめて紹介していきます。
職場環境改善とは
職場環境という言葉には、労働条件や、メンタルヘルス対策、ワークライフバランスの確立はもちろん、上司部下同僚などの人間関係から照明などの物理的な明るさや空調、職場で利用される機械やPCなどの取り揃えるなどの作業環境の改善など様々な要素が含まれます。この多種な要素が含まれる職場環境をより良いものに変えていく、その取り組みが職場環境改善です。
職場環境改善のメリット
職場環境が改善することで社員のストレス低減、働くモチベーション向上、作業効率向上などの効果が望めます。社員のストレスが低減したり働くモチベーションがアップすれば、生産性も上がる、売り上げが伸びる、社員の定着率が上がるなど様々なメリットを享受することが可能です。
職場改善の例
例えばですが、職場改善の例としては下記のようなものがあります。
- 属人化した業務を見直してオペレーションも改善、一人当たりの労働時間削減
- 部署の社員全員のスケジュールを「見える化」することでアポイントのトラブルを低減
- 仕事用具置き場を整理して、物を探すという無駄な時間を削減
- テレワークやフレックスタイムを導入して様々な働き方に対応
これらはほんの一例ですが、こうした職場改善を行うことで、働きやすい職場をつくることができ、前述したような多くのメリットを得ることができます。
2. その改善は本当に従業員が求めているものですか?
職場環境改善の方法や手段は様々ありますが、これから行おうと考えているその改善は本当に従業員が求めているものなのか考える必要があります。
仮に社内の課題と改善策の内容がミスマッチしていたり、従業員全員のことを考えられていなかったりすると環境改善の内容も十分に効果を発揮できないといった事態になりかねません。
人事や事業者は的確な職場環境改善策を立てるためにも事前にその注意点を把握しておきましょう。
社内の課題と改善策がマッチしていますか?
職場環境を改善するといっても闇雲にその対象を選んでいたら効果が出ないばかりか、時間や人的労力が無駄になってしまいます。
極端な例にはなりますが、例えばワークスペースの空調や職場の明るさといった労働環境が課題として挙げられているのに、人間関係を円滑にするための定期的な飲み会を開催しても問題が解決しません。
定期的な飲み会も職場環境改善の一環ではありますが、社内にある課題が上司や部下、同僚同士などの人間関係にない場合には、職場環境改善効果が薄くなります。
そのため、職場環境改善を行う際には、職場に現存している課題と改善策がミスマッチしないような取り組みをすることが重要です。
従業員全員のことを考えていますか?
また仮に、職場の人間関係が上手くいっていない、コミュニケーションが不足しているといった場合、すぐにその対策として思いつくのが「飲み会の開催」などですが、この時も注意が必要です。職場の人間関係改善の一手段として「飲み会」が有効な場合もありますが、社員の中にはそもそも飲み会が苦手な人もいることも考慮しなくてはいけません。
職場環境改善の一環として行った飲み会で社員の仲が深まるのは良いことですが、逆に一部の社員の士気やモチベーションが下がってしまっては、十分な職場環境改善効果を上げられたとは言い切れません。
職場環境改善の効果を最大限発揮するためには職場にいる社員全員のことを考えたものを実施する必要があるのです。
3. 本当に必要な職場環境改善をするためのポイント
ここからは本当に職場で必要とされている環境改善をするためのポイントについて解説していきます。効果的な職場環境改善をするためには、「現状分析と課題の解明」、「その課題に対しての的確な改善」が必要です。それぞれの項目についてそのポイントをみていきましょう。
社員の声を元に現状分析と課題の解明を
職場環境改善を行うにあたってまず必要になるのが、現状の職場にどのような問題や課題があるのかを把握・分析・解明することです。この職場の状況把握や分析を行わないと、前述したような社員や職場、会社のためにならない的外れな職場改善を行うことになってしまう可能性があります。
効果のある職場環境改善を行うためにも、実際にその職場で働いている社員のリアルな声を聞くことが必要です。社員の生の声、意見や考えていることに耳を傾けることで本当に今取り組むべき、社員が求めている職場の課題が見えてきます。
この時、従業員一人一人に直接話を聞くのも一つの手ではありますが、従業員数が多かったり、ヒアリングに多くの時間を割くことが難しかったりという状況もあるかと思われます。そういう場合に有効なのが、従業員サーベイ用のツールを使うことで効率的に職場環境の現状を拾い上げることが可能です。
サーベイ用のツールであれば、スマートフォンやPCを使って同時に多数の従業員にアンケートや職場環境に対する意見を聞いたり、そのデータ集約結果からの課題分析結果まで手に入れることができたりもします。そのため、これから職場環境改善を行う場合にはサーベイ用のツールの利用も検討してみましょう。
見えた課題に対して的確な改善を実施する
社員の声を直接聞いたり、アンケートを使ったりするなどして、職場環境の課題が見えてきたらその課題に合わせた改善活動策を実施していきましょう。職場環境における課題に対して的確な改善策を見つけるためには、例えば下記のような方法があります。
- 実際に職場で働いている社員から改善アイデアを募る
- 職場環境サーベイ用のツールを用いて課題解決の方法を調べる
- 課題が発生している部署と似た部署の改善事例を真似る
- 自社内だけでなく他企業の職場環境改善事例を参考にする
これら方法の一つを試すだけでなく、複数の手段を組み合わせるという方法もあります。次項では実際に企業で行われた職場環境改善の事例も紹介するのでそちらもぜひご活用ください。
4. 職場環境改善の成功事例
ここからは、実際に企業で行われたこともある職場環境改善の成功事例を3つ程紹介します。これから行う職場環境改善の参考にしてみてください。
定時退勤日を導入し社員の生産性が向上
残業が常態化していた企業で定時退勤日を設けたことで社員のストレスが低減され、働くモチベーションがアップしたという事例です。週の半ば水曜日に定時退勤日を用いたことで、これまでは社員の疲れた表情の多かった水・木曜日でも生産性が落ちることなく業務を行えるようになったそうです。
月に一度、定期で上司と部下の面談を実施
月に一度の上司と部下の面談日を定期的に設けることで、上司と部下のコミュニケーション不足が解消し、従業員の働きがいや業務効率が向上したという事例です。上司が忙しいと部下も相談や連絡などをしづらくなり、コミュニケーション不足が生じることもありますが、月に一度確実に面談することでそうした事態を防ぐことができます。
また、上司が部下の退職懸念を早めに察知しフォローができるようになった結果、離職率も低下できたそうです。
テレワークの導入で女性の離職率低下を防止
テレワーク(在宅勤務)を導入することで、育児や介護でキャリアを断念せざるを得ない女性の離職防止に繋げられたという事例です。女性の離職者を減らすことで新規で人を雇うための採用コストが削減でき、在宅のためオフィススペースも削減できたたそうです。
5. 社員の声を分析し効率的に職場改善するならラフールサーベイ
ここまで、本当に必要とされる職場環境改善をどのように行うべきなのかといった内容や、職場環境改善の事例などを紹介してきました。その中でも、効率的な職場環境改善を行うのにサーベイ用のツールが役に立つと解説しましたが、ここではその具体的な従業員サーベイ用のツール「ラフールサーベイ」について紹介します。
ラフールサーベイは「社員のメンタルヘルス状況の把握・分析」や「職場の状況に応じた改善策提案」をしてくれる、職場環境改善に最適なサーベイツールです。その具体的な機能や特徴について次の段落から解説していきます。
ラフールネス指数による可視化
ラフールサーベイは従来のストレスチェックをより高機能に、職場改善効果を発揮できるように設計されたサーベイ用ツールです。社員がサーベイに回答することで、その職場の問題点や課題、社員が抱えている問題をサーベイ実施者が把握できます。
ラフールサーベイを利用することで、従来のストレスチェックでは確認できなかった社員が感じているストレスの質、多角的な分析結果、職場の抱えている課題までよく見えるようになります。
また、ラフールネス指数という組織や個人の”健康度合い”を全国平均や各業界の数値と比較することもできるので、相対的な自職場の課題や問題点を瞬時に把握することが可能です。
直感的に課題がわかる分析結果
ラフールサーベイは直感的に分かりやすいユーザーインターフェースとなっていおり、サーベイ結果のグラフや数値が効果的に表示されるため、その結果内容や分析内容の把握が容易です。
課題解決の一助となる自動対策リコメンド
ラフールサーベイには、職場の課題を解決するための対策リコメンド機能が付いており、行ったサーベイの結果を元に、どのような点を改善すれば職場環境が良くなるのか教えてくれます。このリコメンド機能はサーベイ後に自動でフィードバックがされるもので、職場の良い点、悪い点などの情報も同時に表示されます。また、重視したいチェック項目のピックアップも可能です。
154項目の質問項目で多角的に調査
ラフールサーベイの「スタンダードサーベイ」では厚労省が推奨する57項目に加えて独自の87項目を加えて、合計で154の質問項目を使ったアンケート調査が可能です。このアンケート調査を行うことで、これまでのストレスチェックでは把握することが難しかった、受験者の性格や衛生要因(給与・福利厚生)、エンゲージメント(エンプロイー・ワーク)を確認することができます。
19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック
日頃の社員の状態チェックとして有効なのが、19の質問項目に絞った「ショートサーベイ」です。ショートサーベイはスタンダードサーベイと比べて質問数が少なく、短時間で終わるため日々の職場の状態チェック機能として優れています。月次で調査結果のデータ推移を追うことで、行った課題への対策の効果を測ることも可能です。
適切な対策案を分析レポート化
サーベイの結果は部署や男女別など、多角的な観点から分析レポート化されるので、そのレポートを見ることで行うべき職場環境改善の対策がわかります。レポートには社員が感じている仕事内容や仕事適正、やりがい、裁量への満足度などが数値で可視化されるので、直感的に職場の改善すべき点や問題点の確認が可能です。
6. まとめ
社員全員のことを考えた上で、社内の課題にマッチした職場環境改善策を行うことができれば、社員の生産性向上、ストレス低下、離職率低下など様々なメリットを享受することが可能です。社内の課題にあった的確な職場環境改善策を見つけるための方法もいくつかありますが、ラフールサーベイを使うことで効率的にその作業を行えます。