ピアボーナスとは?導入するメリットや実例、運用方法を詳しく紹介

ピアボーナスとは?導入するメリットや実例、運用方法を詳しく紹介

第3の給与制度と呼ばれる「ピアボーナス」は一体どのような制度でしょうか?

この記事では、ピアボーナスについて詳しく解説するとともに、導入するメリット・デメリットや導入している企業の事例、上手な活用方法も詳しく紹介します。

ピアボーナスとは

ピアボーナスとは、Google発祥の「第3の給与」制度のこと。「仲間」「同僚」を意味する「Peer(ピア)」と、「報酬」「特別手当」という意味の「Bonus(ボーナス)」を組み合わせた言葉です。

言葉の通り、ピアボーナスとは従業員同士が仕事の成果や日頃の行動に対して報酬を与え合う仕組みを指します。米Google社が人事評価制度として導入したことで話題を集め、現在では国内企業でも導入する企業が増加している制度です。

業績や数値などの一般的に用いられる評価基準には反映されないような行動や取り組みにも適用でき、いつでも誰にでも報酬を与えられるという特徴があります。上司から評価されるだけでなく、同僚同士がお互いに評価できる仕組みも今までとは違う評価制度として注目を集めているポイントです。

ピアボーナスを導入するメリットや効果

ピアボーナスは国内の企業でも導入が進んでいますが、導入することによるメリットや効果はあるのでしょうか?ここでは、ピアボーナスを導入するメリットや導入することで生まれる効果を3つ紹介します。

従業員エンゲージメントが高まる

ピアボーナスを導入することで、従業員エンゲージメントが高まるという効果があります。従業員エンゲージメントとは、帰属意識や愛社精神の高さを表すものです。エンゲージメントが高い会社は業績が良いという傾向があります。

従業員同士で評価する制度があることで、業績だけでなく日頃の小さな行いを見てくれる存在がいることに気付くことが可能です。自分への賞賛や感謝が可視化されるため、社員の自信ややりがいにつながります。その結果、従業員エンゲージメントが高まるというメリットが生まれるのです。

組織活性化につながる

組織活性化に役立つことも、ピアボーナスを導入するメリットのひとつです。ピアボーナスは従業員同士で賞賛を伝える制度のため、お互いの仕事ぶりや行動に興味がなければなりません。評価を行うためにコミュニケーションを取ったり、他の社員の優れた行動や業務に関心を高めたりすることが必要です。そのため、ピアボーナスを導入することで、自然と社内コミュニケーションが活性化し、組織全体が活性化していくことが期待できます。

離職防止につながる

ピアボーナスを導入することで、社員の離職防止にもつながります。従来の評価制度では、実績を出すなどの数値的部分でしか評価をされないことが多いです。そのため、従業員本人が上司からしっかり評価されていないと感じ、会社への満足度が低下する可能性があります。

しかし、ピアボーナスでは数値に現れない行動や業務などを評価してもらうことが可能です。目立ちにくい部分もきちんと評価してもらえることで、従業員の納得感も増し、人材流出の防止にも期待できるでしょう。

ピアボーナスのデメリット

ピアボーナスを導入することにはメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。ここでは、ピアボーナスの主なデメリット2つを紹介します。

導入・運用にはコストがかかる

ピアボーナスのデメリット1つ目は、導入や運用にコストがかかることです。ピアボーナスを運用するためにさまざまなサービスが提供されていますが、そのようなツールを使うには初期費用や利用料が発生します。

また、ピアボーナスを現金で支給する場合や、ポイント交換システムを採用した場合などには、さらなる財源の確保が不可欠です。システム利用料以外のコストも考慮に入れ、運用コストを算出する必要があります。導入するメリットはもちろんありますが、費用対効果を考えて導入を決めるようにしましょう。

周りの評価ばかり気にする社員が増える可能性がある

ピアボーナスを導入するデメリット2つ目は、周りの評価ばかり気にする社員が増える可能性があることです。

例えば、従業員からの評価を得たいあまり、目に見えて評価につながる業務ばかりを進めるようになってしまうケースもあります。その結果、本来優先的にやるべき業務や顧客対応などが疎かになってしまい、生産性が低下してしまうかもしれません。導入する際には、従業員同士の評価ルールを明確にするなど、極端な行動をする従業員を生み出さない運用を行いましょう。

ピアボーナスを導入している企業事例

ピアボーナスを導入している企業事例

それでは、ピアボーナスを実際に導入している企業の事例を紹介します。これらの企業を参考に、導入の有無や運用方法などを検討してみてください。

スマートキャンプ株式会社

ピアボーナスを導入している企業1つ目は、ITサービス事業を展開するベンチャー企業「スマートキャンプ株式会社」です。会社の拡大に伴い、評価制度や行動指針が曖昧になっていました。そこで、行動指針を明確にし、指針に従った取り組みや行いに感謝する仕組みとしてピアボーナスを導入しています。

ピアボーナスのツールとして、社員同士がインセンティブを送りあえる「Unipos(ユニポス)」を導入。行動指針になっている4つのキーワードのうち、どのポイントを評価したのかをハッシュタグで付けるようにルール化しています。評価のコメントは他の社員にも見えるため、交流のきっかけとしても活用されているようです。

ピアボーナスを導入したことで、部署が違う社員のことも理解しようという意欲が生まれたり、仕事だけでなくその人自信を認め合う文化が広まっています。

また、時短勤務の社員などは、残業できない代わりにピアボーナスで評価を送り合えるため、残業できないプレッシャーや申し訳なさから解放。フォローした人も、きちんと評価されているという実感を得ることができています。

株式会社ユニークワン

地方のIT化促進を目指すWebマーケティング会社「株式会社ユニークワン」もピアボーナスを活用しています。ユニークワンの代表が、ピアボーナス制度を気に入ったことからピアボーナスを導入。アメリカのスタートアップ企業が作ったサービス「HeyTaco!(ヘイタコ)」を使っています。

HeyTaco!の活用方法は、社内で使っているチャットツールでタコスを送り合い、溜まったタコスを給与に反映させるというシンプルな仕組み。タコスは1人1日5個を所有しており、その日のうちに使い切らないと消滅してしまいます。自社のバリューに当てはまる行動を賞賛するために、理由とともにタコスを送信するルールです。

タコスを送り合っている様子をお互いに確認できるため、社員同士の関係や役割分担の見える化につながっています。褒められることで仕事へのモチベーションアップにもつながり、社内の雰囲気が明るく変化しました。

ピアボーナスをより上手く活用する方法

ピアボーナスは活用方法によって、社内の雰囲気を悪化させてしまうこともあります。では、ピアボーナスはどのように運用していくべきなのでしょうか?ここでは、ピアボーナスをより上手く活用するための方法を紹介します。

ピアボーナスの上限を決める

ピアボーナスをより上手く活用していくためには、まずピアボーナスの上限を決めるようにしましょう。

従業員一人ひとりの持ち分となるポイント額を決め、限られた期間内でそのポイントを相手に送り合うという仕組みがおすすめです。ポイントの上限を決めておくことで、決められた予算の範囲内でピアボーナスを運用していくことができ、企業の負担になることもありません。

また、従業員も贈れるポイントを制限されることで、贈る相手を制限するため、きちんと評価し合うことにもつながります。

ピアボーナスを強制しない

ピアボーナスを上手く運用していくためには、ピアボーナスを強制することも避けるようにしましょう。導入するなら積極的に利用してもらいたいとは思いますが、強要することで社員の反感を買ってしまう可能性があります。特に、仕事量の多い社員は、仕事と直接関係ないことを考える余裕がないと感じてしまうかもしれません。

ピアボーナスはあくまでもお互いのことを評価し、感謝を伝える仕組みです。ピアボーナスを強要するのではなく、自発的に取り組んでもらえるよう、運用方法を工夫するようにしましょう。

社員のエンゲージメントの状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

「ラフールサーベイ」は、社員のエンゲージメントの状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい状態を可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

7. まとめ

ピアボーナスは、従業員同士で日頃の仕事ぶりや行動を評価し合う、第3の給与制度のことです。ピアボーナスを導入することで、従業員エンゲージメントの向上や組織の活性化につながるというメリットがあります。

運用方法やルールを決め、ピアボーナスでよりよい企業をつくっていきましょう。

https://survey.lafool.jp/
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