「プレゼンティズム」「アブセンティズム」とは?健康経営を取り入れて未然に防ぐ

「プレゼンティズム」「アブセンティズム」の要因、改善するメリット、対策についても解説

従業員の健康に対する投資収益率(ROI)を測る指標として、「プレゼンティズム」や「アブセンティズム」が注目されています。

「プレゼンティズム」や「アブセンティズム」とは何か、なぜ「プレゼンティズム」や「アブセンティズム」が発生するのか、原因や要因、そして改善や対策、他社の事例について解説します。

「プレゼンティズム」「アブセンティズム」とは

まずは「プレゼンティズム」「アブセンティズム」について、2つの言葉の意味や、発生する要因・背景について紹介します。

プレゼンティズムとは

「プレゼンティズム」とは、出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態のことを指します。

例えば、鼻づまりで頭がボーッとして仕事に集中できない、二日酔い、寝不足、頭痛、発熱などです。

多少の無理をすれば出社できる状態ではありますが、ケアレスミスの増加をはじめ、作業効率や集中力の低下を引き起こします。

アブセンティズムとは

「アブセンティズム」とは、心身の体調不良が原因による遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えない状態を指します。

一人がアブセンティズムの状態でいると、関わるチームや組織に影響し、業務生産や業務効率の低下を引き起こすと考えられています。

発生する要因や背景

ではなぜ「プレゼンティズム」や「アブセンティズム」が発生するのでしょうか。

考えられる要因の一つに、日本社会に根強く残る「多少体調不良であっても出勤する」という、古くからの企業風土が関係している言われています。

任されている仕事量や人手不足を考慮して「自分が休むわけにはいかない」といった仕事に対する責任感や、「休んだことによる仕事の遅れは自分で取り返さなければいけない」といった義務感から、知らず知らずのうちにアブセンティズム・プレゼンティズムの予備群になっていることがあります。

他には、食生活の偏り、運動不足、生活習慣の乱れ、従業員自身の健康に対する意識の低さなどがあげられます。

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「プレゼンティズム」「アブセンティズム」が企業に与える損失

不安定な心理状態で無理に仕事をし続けると、ストレスや疲労がたまり、心身への負担が大きくなっていきます。

通院や入院が発生すれば、企業の医療費や保険費の負担額は増え、また従業員が退職してしまうリスクも高まります。そうすると人材育成にかけたコストや、採用に関わるコストなど大きな損失にもつながります。

また、厚生労働省保健局が調査発表している「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」では、プレゼンティズムのコストが77.9%という結果が出ています。

日々の生産性の損失であるプレゼンティズムが、医療費などを含むアブセンティズムよりもコストの割合を大きく占めているのです。

プレゼンティズム・アブセンティズムともに対処すべき大きな問題ではあるが、特に労働生産性を低下させるプレゼンティズムへの対策早急に取り組むべき課題のひとつであると言えます。

引用:データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン 厚生労働省保健局

「プレゼンティズム」の損失額は算出できる

プレゼンティズムの損失額は「WHO-HPQスケール」を用いて算出できます。

「WHO-HPQスケール」とは、世界保健機関(WHO)が提供している「健康と仕事のパフォーマンスに関する調査票(HPQ)」から、3つの質問を使って損失コストの計算に必要なプレゼンティズムを算出するものです。

質問は以下の3つです。

◾️質問

【問 B9】0があなたの仕事において誰でも達成できるような仕事のパフォーマンス、10がもっとも優れた勤務者のパフォーマンスとした0から10までの尺度上で、あなたの仕事と似た仕事において多くの勤務者の普段のパフォーマンスをあなたはどのように評価しますか? 

【問 B10】 同じ0から10までの尺度上で、過去1-2年のあなたの普段のパフォーマンスをあなたはどのように評価しますか? 

【問 B11】同じ0から10までの尺度上で、過去4週間(28日間)の間のあなたの勤務日におけるあなたの総合的なパフォーマンスをあなたはどのように評価しますか?

◾️計算方法

数値を導き出して計算します。

プレゼンティズムには2種類あり、健康リスクとの相関を見るための「絶対的プレゼンティズム」と、健康による損失コストを計算する「相対的なプレゼンティズム」です。それぞれの値を算出する方法は以下です。

絶対的プレゼンティズム=問 B11*10 (範囲=0-100%)

相対的プレゼンティズム=問 B11/問 B9 (範囲=0.25-2.0)

※0.25>は 0.25 に、2.0<は 2.0 にレンジ修正

プレゼンティズムコストは、「プレゼンティズム損失割合×賃金(円)」によって算出します。

引用:「健康経営」の枠組みに基づいた保険者・事業主のコラボヘルスによる健康課題の可視化

「プレゼンティズム」「アブセンティズム」を改善するメリット

「プレゼンティズム」「アブセンティズム」を改善するメリット

プレゼンティズム・アブセンティズムの改善メリットは以下があげられます。

・医療費、保険費の削減

・従業員の主体的な労働意欲の増加

・企業全体の労働生産性の向上

・企業イメージの向上

・労働災害の防止や従業員の退職などさまざまなリスクの軽減

改善は従業員の健康問題も含め、検討することが重要です。

健康経営の実践を通して従業員が健康になれば、プレゼンティズム・アブセンティズムにおける医療費・保険費削減、従業員の業務意欲向上、企業の労働生産性を底上げできると言えます。

「プレゼンティズム」「アブセンティズム」の対策

プレゼンティズム・アブセンティズムの対策として、健康経営があげられます。

健康経営を推進

健康経営とは、従業員の健康管理について、経営の視点から考えて実行することを指します。

従業員の健康に配慮することによって、業績の向上につながり、企業の印象もアップします。

具体的な内容は以下があげられます。

・健康診断の受診率の向上

・再検査費用の補助

・運動や食事のサポート

・ヘルスリテラシー向上セミナーの開催など

政府も健康経営への取り組みを進めている

2015年に経済産業省が「アクションプラン2015」を発表し、以下のような制度を設けて健康経営への取り組みが進んでいます。

◾️健康経営優良法人認定制度

地域の健康課題に即した取り組みや、日本健康会議が進める健康増進の取り組みを実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。認定された企業は、従業員や求職者などからのイメージ向上を狙えるでしょう。

◾️健康経営銘柄

健康経営に取り組む企業を増やしてくことが目的です。従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む東京証券取引所の上場企業の中から、特に優れた取り組みを実践している企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で「健康経営銘柄」として選定しています。

プレゼンティズム、アブセンティズムの対策を実践している企業事例|アマゾンジャパン株式会社

「Work Hard, Have Fun, Make History」の社風のもと、高い成果を従業員に要求するだけでなく、従業員たちが楽しみながら働ける環境で、新しい歴史を創りつづけることを奨励しているアマゾンジャパン株式会社では、以下のような取り組みがなされています。

・ボルダリングウォール社内に設置されたボルダリングウォールを利用し体を動かす機会が得られます。

・健康的なメニューを提供する食堂食事の量や栄養バランスを考えるとともに、化学調味料や農薬の少ない食材を使用した食事メニューを提供しています。

引用:経済産業省 健康経営オフィスレポート

社員の心身の健康状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

「ラフールサーベイ」は、社員の心身の健康状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

141項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で141項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約84項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

まとめ

アブセンティズムもプレゼンティズムも企業が健康経営を取り入れることで、未然に防げる可能性が高まることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

まずは現場で働く従業員の状態を把握し、何をどう改善していくか、またその改善を数値化し、見える化することが大切です。

人の身体に関わることなので、効果が出るのには時間がかかるかもしれませんが、一歩一歩地道に継続することで成果へと結びつくことでしょう。

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