働きがいとは?向上させる5つの方法や会社の導入事例を解説

「働きがいってどんなことを指すんだろう?」
「社員に働きがいを感じてもらうために、できることは何だろう」
「働きがいを高めるコツを知っておきたい」
このようなことを思い悩んだことはありませんか?

働きがいは、終身雇用の崩壊や働き方改革の推進など日本の経済状況が変化していく中で注目され続けています。そのため、人事担当者や管理職の方は自社における働きがいについて検討する機会も増えているでしょう。

そこでこの記事では働きがいの概要や、高める方法、施策として導入している企業の事例を紹介します。この記事を読むことで改めて知識を深めることができ、働きがいのある職場づくりに役立てられます。ぜひ参考にしてくださいね。

1.  働きがいとは

働きがいという言葉には、明確な定義はありません。なぜなら、働きがいとは「そこで働くことに価値があるかどうか」という各々の感じられ方に基づくためです。例えば同じ職場で同じ業務を行っていても、働きがいがあると感じる社員もいれば、そうではないと感じる社員もいるでしょう。そのため、主観的な考えによって形成される働きがいという言葉は、内容を明確に定められません。

一方で海外や日本の国際経済労働研究所においては働きがいを「Work Motivation」として学術的に定義付けています。仕事に対するモチベーションは外部から与えられる報酬だけでなく、楽しさや興味といった内部的動機によっても高まることが論理付けられています。そのため、労働に対し社員個人の内から湧き出るやる気にアプローチすることが、働きがいを高める重要なポイントとして考えられます。

また、働きがいについて世界中で調査を進めているGreat Place to Work®では、働きがいは「働きやすさ」と「やりがい」の両方を持つと考えられています。「働きやすさ」とは働く職場環境や条件といった外発的要因が影響します。例えば、休暇を取りやすいことや公平な評価が行われていることは働きがいとは異なり、多くの人に共通する内容であり制度化が可能です。

働きがいの向上は多くのメリットを生み出します。

①売上と利益が増える
Great Place to Work®の調査において、働きがいのある企業はそうではない企業と比べ、売り上げの成長率が高いことが報告されています。働きがいの向上は売上や利益の向上につながり、企業の成長に欠かせない重要な取り組みでしょう。

②新しいビジネスが生まれる
働きがいの向上によって楽しさや興味といった内部的動機が高まるため、新しいビジネスが生まれやすい環境となります。会社としてもアイデアや意見を汲み取り、サポートする環境を整えることで、より幅広いビジネスが生まれるでしょう。

③新しい技術が生まれる
働きがいのある職場は、社員がその職場で働く価値を感じられ安心感を持って働いているため、挑戦心も持ち合わせています。そのため業務に対する好奇心や実行力から、新たな技術が誕生しやすいメリットに期待できます。

④ 社員が成長する
働きがいは社員に対しやる気やモチベーションを高めるため、主体的な働き方によって多くの経験や成果を積みやすいと考えられます。そのため、働きがいのある企業においては社員一人ひとりの成長に期待できるでしょう。

2. ”働きがいがない”際の対処方法

働きがいが重要であることが理解できていても、実際には働きがいのない現状に思い悩む場面もあるでしょう。そこで、働きがいがない際の対処方法として以下3つを紹介します。

  • 目的を明確化する
  • 今の状態を把握する
  • チームのゴールを共有する

目的を明確化する

社員の働きがいがない場合は目的を明確にし共有するよう努めましょう。企業の方針やビジョンといった目的が明確であれば、社員一人ひとりが取り組む業務の目的も明確化されます。そのため単に業務をこなすのではなく、「ビジョンを叶えるために業務を任されている」という意識を持った働きがいのある環境へとつながります。目的は、定まった経緯や、達成することで実現されるものについても明確にし共有すると良いでしょう。目的への高い共感は働きがいをより向上させます。

今の状態を把握する

働きがいがない現状を把握し分析することも重要な対処方法です。なぜなら現状を把握し課題を特定できなければ、有効な対策を講じられないためです。今の状態を把握できた際には最後に明るく終わらせることが重要です。暗いままで終わってしまっては、将来の改善が見られず前向きな姿勢も生まれません。明るい話題で現状を終わらせることによって、話の骨子を作るよう心がけましょう。

チームのゴールを共有する

チームにおけるゴールを共有することで、必要な取り組みが実感でき、働きがいにつながります。ゴールのない取り組みでは、先の見えない業務を担うこととなりモチベーションは高まりません。ゴールが共有され、叶えるための必要な業務が明確になると、内なるやる気が刺激され、働きがいが感じられやすいでしょう。

3. 働きがいを高める5つの方法

働きがいを高める5つの方法

職場における高い働きがいを実現するために、取り入れやすい5つの方法を紹介します。

  • 現場の声に耳を傾ける
  • メンバーに目標やチャンスを与える
  • 経営理念を伝え、共感してもらう
  • コミュニケーションを取れる環境を作る
  • メンバー個人に耳を傾ける

現場の声に耳を傾ける

職場の働きがいを高めるためには、現場の声を吸い上げる必要があります。働きがいは社員個々が感じる価値観であり、それぞれが大切にしている考え方や要望を把握しなければ価値観にアプローチすることは難しいためです。具体的には、職場における不満や不安、改善して欲しい点はもちろんですが、何気ない日常的な話も積極的に聞き入れましょう。日々の業務における自由な意見に耳を傾けることで、管理職や人事の立場では気付きにくかった点を把握できることにつながります。

メンバーに目標やチャンスを与える

目標やチャンスを与えることで社員への期待を伝えられ、働きがいの向上につながります。ビジョンに基づいた明確な目標や、ステップアップとなる機会を与えられた社員は、自分の特性や能力に期待を込めて任されているという実感を持つことができます。業務に対するやる気は高まり、働きがいを高めることが可能でしょう。

経営理念を伝え、共感してもらう

経営理念を伝え共感を得られることで、社員の内部的動機が高まるため働きがいが向上されます。共感できる理念のもと行われる業務にはやる気を持って取り組め、成果が得られた場合には継続的に働きがいが高まるでしょう。経営理念への共感を得るタイミングとしては、採用時が最も取り組みやすいです。入社前に経営理念に対しどう感じられるかを擦り合わせられるため、互いにとってミスマッチのない働き方を実現できるでしょう。

コミュニケーションを取れる環境を作る

社員同士でのコミュニケーションが取りやすい環境は、信頼関係が構築された働きがいのある職場です。コミュニケーションが活発な環境は安心感を持って過ごせるため、日々信頼関係が高まります。高い信頼関係がある職場では安心して働けることや、自らの考えを発信しやすいため、やりがいを感じられる働き方につながるでしょう。

  • コミュニケーションを取りやすい環境を作るためには以下のような取り組みが挙げられます。
  • 挨拶をする
  • 傾聴を心がける
  • フリーアドレス制度の導入
  • 社内イベントの実施

今すぐにできるものから、制度として導入するものまで様々なので、自社の環境に合わせて取り組みましょう。

メンバー個人に耳を傾ける

働きがいを高めるためには、社員個々の意見に耳を傾け受け入れる姿勢を持つことも重要です。社員は自らの価値観を理解してもらうことで、職場において居場所を感じられ会社への帰属意識が高まります。職場への安全感や関わりたいという意欲は、その職場で働く価値として感じられるため、働きがいを高めるでしょう。具体的にヒアリングする内容としては、業務での相談や悩みはもちろんですが、雑談のような日常におけるたわいも無い話も聞き入れます。なるべく幅広い意見を聞き入れることで、社員から「自分の考えに耳を傾けてくれる存在」と認識されるよう心がけましょう。

4. 働きがいに取り組んでいる企業事例

働きがいを高める取り組みは様々な企業において行われています。その中でも今回は独自の施策に取り組む以下3社について紹介します。

  • 株式会社東急キッズベースキャンプ
  • ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム

株式会社東急キッズベースキャンプ

社員全員で働きがいのある会社を創ることを目標に、社員個々の当事者意識を高める施策に取り組んでいるのが株式会社東急キッズベースキャンプです。施策の内容としては、社内に「働きがい向上委員会」を設置し、各職場の代表者となる委員会メンバーによって働きがい向上のアイディアを出し合います。例えば経営陣と現場の距離感を近づけることを目的に、社員個々のプロフィールマップの作成に取り組み、現場の社員は経営陣にも業務の相談を行いやすくなりました。働きがいが高まる前と後では社員の主体性に変化が生まれ、職場に積極的に関わる働き方が生まれたと言います。一人ひとりが主体的な働き方は、会社の成長にも期待できるでしょう。

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社は「社内交流の仕組み化」によって働きがいを高めています。この施策が生まれた要因としては、社員が職場において疎外感を持っているという現状があったためです。解決策として具体的には、定期的な面談の設定や、普段関わりが少ない社員同士でのランチの機会の提供などを実施。交流が仕組み化されたことで社内のコミュニケーションは活性化され、社員の働きがいは向上されました。働きがいの向上は、外部機関からも認められ、就職活動をしている学生から高い注目を集めるなど、企業の成長にもつながりました。

株式会社セールスフォース・ドットコム

「エンプロイーサクセス」と名付けた人事部門を中心に、社員の働きがいを向上させる施策を導入しているのが株式会社セールスフォース・ドットコムです。どのような制度を導入したら社員は働きがいを感じるのか常に注視し、必要な制度をタイムリーに導入しています。例えばフィードバックアプリを導入することで、リアルタイムで同僚やチーム、会社に対して個人の意見を言いやすい仕組みを作れたといいます。また社内では、 経営会議の内容や社員満足度調査の結果を全社員が閲覧できるようにしており透明性の確保を徹底しています。このような取り組みが社員の働きがいを向上させ、2019年版「働きがいのある会社」ランキングの大企業部門1位という結果に導きました。

5. 社員の働きがい向上に役立つツール 

ラフールサーベイは、「社員の状況の把握・分析」や「職場/チームの状況に応じた改善策提案」をしてくれる、社員の働きがい向上に最適なサーベイツールです。上でご説明したように、働きがいを高める施策は様々です。まずは組織の現状を把握し、より適切な施策を模索しましょう

ラフールサーベイは、従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、働きがい向上に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

  • 部署
  • 男女
  • 職種
  • テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

6. まとめ

今回は職場における働きがいについて、以下の4つの項目に沿って紹介しました。

  • 働きがいとは
  • ”働きがいがない”際の対処方法
  • 働きがいを高める5つの方法
  • 働きがいに取り組んでいる企業事例

社員の働きがいを高めることは決して簡単ではありません。しかし、現状を把握し適切なアプローチによって変化を起こすことは可能です。今回ご紹介したいくつかのアプローチの中でも、まずは取り入れられやすい方法から挑戦してみましょう。また働きがいが高められた際には、次なるステップとして組織力を上げる取り組みが重要です。より会社としての成長を目指す方は、組織力についても知識を深めておきましょう。

https://survey.lafool.jp/
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