チェンジマネジメントは企業の発展に欠かせない成長の鍵であるとも言われています。
その一方で、
「チェンジマネジメントって結局何?」
「どんな効果があるんだろう」
「運用を成功させる方法を知りたい」
という疑問も多いかと思います。
アメリカで生まれたチェンジマネジメントは日本で少しずつ広まりを見せていますが、まだまだ浸透しているとは言えません。そこで今回は、チェンジマネジメントの概要や取り組みの8つのステップ、成功の秘訣について紹介します。チェンジマネジメントについて気になっていた方や、企業の成功に悩んでいた方は、ぜひ参考にしてくださいね。
1. チェンジマネジメントとは
チェンジマネジメントとは、組織の成功を目指し社員を巻き込んだ変革を推進するマネジメント手法です。時代に合わせた変革を行うチェンジマネジメントは、組織の継続的な発展に必要な取り組みです。行う目的は組織としての成功や成果であるため、現場で働く社員が変革を受け入れ適応していく姿勢が求められます。そのためチェンジマネジメント行うマネジメント層には、社員が変化を受け入れやすくする工夫に取り組まなければなりません。
また類似しているものとして挙げられやすい取り組みに「組織開発」があります。組織開発とチェンジマネジメントは、取り組む際に重視する点が異なります。組織開発とは、社員における人間的な価値にアプローチし、そのプロセスを重視しながら理想の組織づくりを行います。一方でチェンジマネジメントでは、経済的な価値である成果を重視し、組織としての成功を目指します。
2. コッターが提唱するチェンジマネジメントの8つのステップ
チェンジマネジメントの成功には段階を踏んだ着実な取り組みが有効です。企業変革の事例研究を重ねる、ハーバード大学ビジネススクール名誉教授のジョン・コッター氏は、研究結果から企業の変革における8つのステップを唱えました。企業変革は思い通りに行かない場合が多いため、円滑な推進のために8つのステップが必要であると説かれています。その8つのステップは以下の通りです。
- 社内の危機意識を高める
- 変革推進チームを結成する
- 変革に必要なビジョンや戦略を掲げる
- ビジョンを社内で周知徹底する
- 社員の自発的行動を促す環境づくり
- 短期的な成果を実現する
- さらに変革を進める
- 変革を企業に根づかせる
1つずつ内容を紹介します。
1. 社内の危機意識を高める
危険意識がない職場では変革の必要性も感じられません。「このままではいけない」という現状への危機感が高まることで「現状を変えなければならない」という変革の必要性を感じられます。経営陣が変革の必要性を感じ取り組んでいても、現場の社員が同じような意識がなければ変化に対する反発心が生まれる可能性があります。そのため変革に取り組む前に社内の危機意識を高め、意識の統一を図る必要があります。
2. 変革推進チームを結成する
変革に取り組み始める際には、1人で行うのではなく何人かのチームを結成します。結成するメンバーとしては、社内の優秀な人材の集約が鍵となります。具体的には、人脈や人望がある人物や、影響力の強い人物です。優秀な人材による呼びかけによって他の社員も変革の必要性を感じ始め、社内全体として変革を受け入れる体制が整うことに期待ができます。
3. 変革に必要なビジョンや戦略を掲げる
ビジョンや戦略を掲げる際には、実現したい未来や社員へのメリットも意識して共有することが重要です。変革に対し共感や価値を感じられると、社員は変革を受け入れる姿勢を持つことができます。注意点としては、ビジョンは大きすぎる内容にしないことです。大きすぎるビジョンは、実現する道筋や得られる成果が見えにくく取り組む社員のモチベーションを下げてしまいます。
4. ビジョンを社内で周知徹底する
周知徹底する際に注意すべきことは、1つや2つだけの共有手段で満足しないことです。例えば説明会と社内広報誌による共有だけでは、社員の意識としてビジョンは根付きにくく周知徹底しているとは言えません。ビジョンへの共感や、成果を得たいといった共通認識の定着がなければ変革に取り組む足並みが揃わず、成功とは遠ざかります。ポスターの掲示や研修の実施、日常的な会話での共有などあらゆる手段を用いて周知徹底に努めましょう。
5. 社員の自発的行動を促す環境づくり
社員が自発的に行動する環境を整えるためには、推進者の積極的な働きかけが重要です。ビジョンを実現するための行動を明確に示し、推進者がまずは手本となり動きます。他の社員はその姿を見ることで行動を起こしやすくなり、前向きな変化が見られるでしょう。
6. 短期的な成果を実現する
社員が得る短期的な成果は1つの成功体験となり、積み重ねることで期待を抱いて変革に取り組む姿勢が形成されます。この際にポイントとなるのが、社員の評価・承認を確実に行うことです。認められたと実感できることで社員のモチベーションは高まり、変革に向けやる気を持った取り組みが実現します。
7. さらに変革を進める
ビジョンに沿わない制度を改めることで、企業としてさらなる変革を進めます。変化が企業文化として根付くには5年から10年という時間が必要であると言われており、企業には長期間に渡る変革への取り組みが求められます。ビジョンと現状の制度や組織を照らし合わせ見直すことで、変革への取り組みを続けましょう。
8. 変革を企業に根づかせる
変革を根付かせるために2つの取り組みが推奨されます。1つ目は、変革の実績を社員に示すことです。変革によって得られたメリットや価値を感じられることで、さらなる変革にもやる気を持って取り組めます。2つ目は、変革に有効な手段を社員に周知することです。次なる変革の推進者を育成するために様々な手法の社員に共有することで、変革を企業に定着させることにつながります。
3. チェンジマネジメントの成功の鍵は社員の理解を得ること?
チェンジマネジメントの成功には、全社員の理解が欠かせません。なぜなら、変革へ抵抗・反発する人は必ず現れ、その人たちをないがしろにしてしまうと変革は失敗の道をたどることとなります。そのため様々な思想を持つ社員がいることを念頭に置き、全社員がチェンジマネジメントへの必要性や価値を理解できるよう働きかけましょう。働きかけの具体例として2つの方法を紹介します。
1つ目は「経営層が現場の意見に耳を傾ける」ことです。社員の反発を無視し続けるとお互いの間の溝は深まる一方です。離職や業務への支障など、変革どころか衰退を招きかねません。そのため、現場の社員と向き合い意見を受け入れる姿勢が重要です。
2つ目は「サーベイの導入」です。社員は変革に対しどのような考えを持っているか、実際に聞き取ってみても本当の思いを聞き取れきれない場合もあります。サーベイの導入によって社員の内なる声が反映されるため、社員の思想を把握することが可能です。サーベイの調査結果を参考にビジョンの共有方法や変革に向けた取り組み方などを見直すことで、社員の理解を得られた変革となるでしょう。
4. 社員の心理状態把握に役立つツール
ラフールサーベイは、「社員の状況の把握・分析」や「職場/チームの状況に応じた改善策提案」をしてくれる、社員の心理状態把握に最適なサーベイツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。
闇雲に改革を進めるのではなく、社員のニーズをしっかりと把握し、自社に合った組織改善に繋げましょう。
ラフールネス指数による可視化
組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。
直感的に課題がわかる分析結果
分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。
課題解決の一助となる自動対策リコメンド
分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。
154項目の質問項目で多角的に調査
従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。
19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック
スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。
適切な対策案を分析レポート化
調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。
部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化
集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。
- 部署
- 男女
- 職種
- テレワーク
対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。
5. まとめ
今回はチェンジマネジメントの概要や8つのステップ、成功の秘訣について紹介しました。チェンジマネジメントについて理解は深まりましたか?変化し続ける時代の中で企業が生き残り発展し続けるためには、その都度適切な変革が必要です。しかし実際に取り組みを始めると、現場の様々な声に思い悩まされる場合も多いかもしれません。
今回紹介したラフールサーベイは、「社員の状況の把握・分析」によって表面からは把握しにくい社員の考えを可視化します。聞き取りやアンケートからは見えにくい心の状態を把握できることで、変革への取り組みも改善しやすく、効果的なチェンジマネジメントの実現に近づきます。
サーベイツールの導入を検討している方は、ぜひお役立てください。