採用の歩留まりとは各選考フェーズに進んだ人の割合!目安と改善方法を解説

採用の歩留まりとは、採用プロセスの各フェーズに進んだ人の割合を表す指標です。例えば、書類選考から面接、最終的な内定までの段階で、ステップ毎に何割の応募者が次のフローに進んでいくかを示します。この記事では、採用の歩留まりについて計算方法や目安、各採用プロセスの歩留まり改善方法をご紹介します。

採用の歩留まりとは「各フェーズに進んだ人の割合」

採用における歩留まりとは、採用プロセスの各フェーズに進んだ人の割合のことを指します。具体的には、応募者数に対して、書類選考、面接、内定といった採用プロセスの各フェーズを通過した人数の割合を計算したものです。

採用の歩留まりを知ることによって、採用プロセスの効率性や課題を把握することができます。
例えば、書類選考の段階で多くの人が通過できない場合は、求人票の内容や書類選考基準の妥当性に問題がある可能性があります。また、内定辞退者が多い場合は、入社前の情報提供やコミュニケーションが不十分である可能性があります。
採用の歩留まりを把握することで、採用プロセスの改善点を見つけ出し、採用活動の品質向上につなげることができるのです。

採用の歩留まりの計算方法は?

採用の歩留まりは、以下のように計算します。

歩留まり率 = 選考通過数 ÷ 選考対象数 × 100

例1)書類選考を実施した100人のうち80人が書類選考を通過した場合、書類選考の歩留まり率(書類通過率)の計算は以下の通りです。

80 ÷ 100 × 100 = 80
歩留まり率は80%

例2)応募のあった300人のうち、3人が入社した場合、採用フロー全体の歩留まりの計算は以下の通りです。

3 ÷ 300 × 100 = 1
歩留まり率は1%

歩留まりを明らかにしたいプロセスの数値を把握し、歩留まり率を計算します。

採用の歩留まりはどうやって分析する?

採用の歩留まりを分析するには、採用プロセスの各フェーズごとに通過数を計測し、グラフや表として可視化しましょう。通過率の低下や内定辞退者の増加などに対しては、その原因を特定し、改善策を検討することが重要です。

【業種別】歩留まり率

採用の歩留まりは業種によって歩留まり率に違いがあります。以下は、株式会社マイナビが実施した「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」にて公開されている歩留まりです。自社の歩留まりと比較し、目安にするとよいでしょう。

業種面接設定率
(応募者のうち面接を設定した割合、%)
内定率
(面接を設定した応募者のうち内定を出した割合、%)
採用率
(面接を設定した応募者のうち採用者となった割合、%)
IT・通信・インターネット45.852.847.8
メーカー37.879.472.8
商社55.966.363.5
サービス・レジャー35.962.457.9
医療・福祉・介護65.2105.698.0
流通・小売・フードサービス45.367.057.5
マスコミ・広告・デザイン45.549.047.9
金融・保険・コンサルティング56.458.654.3
不動産・建設・設備・住宅関連64.267.963.4
運輸・交通・物流・倉庫51.252.850.7
環境・エネルギー61.996.788.5

採用の歩留まりが低い…よくある5つの原因

採用の歩留まりが低い場合、複数の要因が絡み合って歩留まりを低下させていることが多いです。ここからはよくある5つの原因を見ていきましょう。

求人情報が実際と乖離している

求人情報に書かれていることが実際と異なると、面接で応募者が面接官と話した際に「求人情報で言っていたことと違う」と感じてしまい、面接辞退や内定辞退の原因となります。また、もし入社に至っても早期離職の原因になることもあるでしょう。

選考基準があいまい

選考基準が明確でないと、人事担当がこの候補者は良さそう!と思って面接を実施しても、面接担当からすると通過する基準に達していないなど、なかなか候補者を次の採用プロセスに進めることができず歩留まりが低下する原因になります。

候補者とのコミュニケーション不足

採用プロセス中に候補者とのコミュニケーションが不十分だと、その企業に対する興味や、志望度の低下を招くことがあります。一方的に候補者のことを知るだけではなく、会社や事業、組織のことを十分に伝え、コミュニケーションをはかることが重要です。

選考のスピードが遅い

選考プロセスが長引いたり、面接してから合否の連絡に時間がかかったりすると、志望度が下がるだけでなく、同時に選考を受けていた他の会社から内定が出てしまい、選考を辞退され、その結果歩留まりが低下する可能性があります。

企業の魅力が伝わっていない

企業の魅力が十分に伝わっていないと、もし候補者のスキルや経験がマッチしていて、十分な経済条件を提示できていたとしても志望度があがらず、同じ条件の同業他社やより魅力を感じた他社に入社してしまう可能性があります。

採用の歩留まりを改善する方法

では、ここからは低下した歩留まりを改善していく方法を見ていきます。

まずは各フェーズの歩留まりを把握する

歩留まり改善の第一歩は、採用プロセスの各フェーズにおける歩留まり率を正確に把握することです。応募者数、面接設定数、内定者数、入社者数などのデータを収集し、どのフェーズで通過率が高いか、低いかを特定する必要があります。採用管理システムやExcel等を使って集計しましょう。

どのフェーズに問題があるか特定する

次に、どのフェーズに問題があるかを特定します。ある期間どうしで比較をおこなったり、同業種の平均などと比較してどのプロセスに問題がありそうか仮説を立てることが重要です。

歩留まり改善のための施策をおこなう

問題がありそうなプロセスを特定したら、歩留まり改善のための施策をおこないましょう。また、改善施策の実施後は、継続的に歩留まり率を計測し、改善を繰り返していくことも大切です。

採用フェーズ別の改善施策

ここからは以下のフェーズごとの課題に分けて具体的な改善施策をご紹介していきます。

  • エントリーが少ない
  • 書類選考通過率が低い
  • 一次面接通過率が低い
  • 最終面接通過率が低い
  • 内定承諾率が低い

エントリーが少ない:母集団形成を強化する

エントリーが少ない場合、母集団形成を強化し、より幅広い層にアプローチすることが重要です。以下のような施策が考えられるでしょう。

  • 求人広告をより多くの媒体に掲載する
  • 新たなエージェントと契約し、紹介を要請する
  • リファラル採用を促進する
  • アルムナイネットワークを構築する

書類選考通過率が低い:母集団形成を見直す/採用基準を見直す

書類選考通過率が低い場合、母集団形成を見直すことや採用基準を見直すことが必要です。求人票に記載する条件が厳しすぎる場合は、求めるスキルや経験を再検討し、必要最低限の条件に絞り込むことが求められます。また、書類選考時には、応募者の志望動機や職務経歴書の自己PRなどを総合的に判断し、選考基準を見直すことも大切です。

一次面接通過率が低い:書類選考基準を見直す・採用基準を見直す

一次面接通過率が低い場合、書類選考基準や採用基準を見直すことが必要です。一次面接の際には、応募者に対して問いかける質問の内容や面接官の評価基準を明確にしておくことが重要です。また、面接官のトレーニングを行い、適切な評価を行うことも必要です。

最終面接通過率が低い:採用基準を見直し、最終面接者とすり合わせる

最終面接通過率が低い場合、採用基準を見直し、最終面接者とすり合わせを行うことが必要です。採用基準に課題がある場合は、求める人物像を再検討したうえで、チームに十分に共有をおこないましょう。また、最終面接者に対しては、事前に面接官が評価基準を共有し、採用決定の視点を合わせることも有効です。

内定承諾率が低い:内定後のフォローを行う

内定承諾率が低い場合、内定後のフォローを行うことが重要です。内定者の状況や心境の変化を把握し、不安や懸念事項にはきめ細やかに対応します。また、内定者が入社を前向きに検討できるよう、会社の事業内容や職場環境、教育制度などを改めて詳しく説明し、内定者の不安を解消することが大切です。加えて、福利厚生や研修プログラムをアピールすることで、内定者の入社意欲を高めることができるでしょう。

可能であれば、内定者が入社前に社員との交流を持つ機会を設けることで、入社前から社員に慣れ親しんでもらい、内定承諾率の向上につなげることができます。

まとめ:歩留まりが低いプロセスを特定して改善しよう!

採用活動において歩留まりが低いプロセスを特定することは、採用コストを下げ、会社の成長につながります。まずは、歩留まりが低い原因を特定するためにデータを収集しましょう。歩留まりが低いプロセスを特定し、継続的に採用プロセスを最適化していくことが求められます。優秀な人材の確保に向けて、歩留まりの向上に努めていきましょう。

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執筆者

株式会社ラフール

編集部員

株式会社ラフールの中の人。部員持ち回りで執筆をしています。採用から定着まで。採用適性検査「テキカク」と組織改善ツール「ラフールサーベイ」でウェルビーイング経営の実現を本気で支援しています!

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