適材適所はなぜ重要?人材配置の方法も説明

適材適所の文字

適材適所とは、本来は建築現場で使われていた言葉でした。現在では、適材適所はビジネスにおいて重要視されています。適材適所が重要視されている背景や、適材適所な人材配置のメリット、その方法について説明していきます。

適材適所とは?

適材適所とは、もともと、伝統的な日本家屋や自社などの建築現場で木材を適切に使い分けるために使われていました。現代においては、「その人の能力・性質に当てはまる地位や任務を与えること」(goo辞書より抜粋)という意味で使われています。

適材適所はなぜ必要とされるのか

現在、適材適所の人材配置が必要とされています。なぜ必要とされているのかを、現代の時代背景とともに説明していきます。

人手不足と人件費高騰という背景

現代社会において、人手不足が深刻化しています。その背景には、少子高齢化があります。生産年齢人口は、すでに減少しつつあり、2065年には2020年の約7割まで減少すると推計されています。コロナ禍では、消費活動が制限されてしまった影響で、一時的に人手過剰となり、非正規社員が解雇されました。その結果、経済活動が再開しても人手が元に戻らず、人手不足となっている企業もあります。

また、人手不足は人件費高騰にもつながります。人件費が高騰すると、多くの人員を雇うことは難しくなってしまいます。

少ない人員で効率よく業務を行っていくには、従業員の性質に合った人材配置が重要です。また、適切な人材配置は、従業員の満足度を向上させるために、離職による更なる人材不足を防ぐことにもつながります。

社会の変化に対応しなければならない

社会の変化に対応していくためにも、適材適所の人材配置が必要とされています。新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークという新たな働き方が導入されましたが、このようにIT技術の発達によって社会は急激に変化しています。この変化のスピードに対応していくには、従業員が自身の能力を最大限に発揮して効率よく業務を行っていく必要があります。

多様性のある働き方が求められている

働き方改革により、多様性のある働き方が求められています。子育てや介護との両立、再雇用、在宅ワークなど、各従業員に合った働き方を尊重する必要があります。従業員が希望する柔軟な働き方を可能にするためには、適材適所な人材配置が重要となります。

適材適所にするメリット

適材適所の人材配置を行うメリットには以下のようなものがあります。

離職率が低下する

各従業員の特性や希望に合った人材配置を行うと、従業員のモチベーションを維持することができます。合わない業務への人材配置は、苦痛となる場合があり、離職につながりやすくなります。個々のスキルや性格、志向に合わせた配置では、主体的に業務に関わったり。能力がさらに成長したりと、成果や成長を感じられるため、モチベーション維持につながり、離職を防ぐことができます。

生産性の向上

従業員のスキルや性格に合った人材配置では、スピーディーに効率よく業務が進みます。また、従業員のモチベーションも維持できるので、生産性の向上につながります。従業員のスキルや性格に合わない業務への人材配置であると、苦手意識や苦痛からモチベーションが低下してしまい、生産性も低下してしまいます。

人件費の削減につながる

適材適所でない人材配置では、生産性が低下すると説明しましたが、それを補うために残業や人員補充を行う必要が出てきて、人件費が増加してしまいます。また、自分に不向きな業務に配置された従業員が離職してしまう可能性もあります。そうすると、新たに採用・育成を行わなければならず、これにもコストがかかってしまいます。適材適所な人材配置はこれらを防止し、人件費削減につながります。

適材適所に人材配置を行う方法

得意、不得意の文字

業務内容を整理する

まずは、全ての業務内容を洗い出し、業務課題を抽出します。各業務にどのような人材が必要なのか、業務量や現在の人材配置がどうなっているのかなどを可視化することで、自社の課題が見えてきます。各業務にどのような人材を配置すべきかも見えてくるため、業務内容の整理は適材適所の人材配置を行うための重要な準備となります。

従業員の能力や性格を分析する

次に必要なのは、従業員の能力や性格の分析です。従業員の能力を客観的に分析する必要があります。「この人は明るいから営業に向いてそう」というような、個人の主観を元に見極めるのではなく、適性検査などの客観的なデータを用いて、従業員の性格や能力を分析しましょう。各業務に向いている従業員をピックアップしていくことができます。

従業員本人の希望を聞き出す

従業員本人の希望を聞くことも重要です。本人の意思や目標、希望の働き方などを聞き出しましょう。結婚や出産などのライフイベントで希望が変わることもあるため、定期的にヒアリングを行う必要があります。本人の希望を把握しておくことで、不本意な異動を防げ、離職や生産性の低下を防ぐことができます。

ジョブローテーションを行う

ジョブローテーションを行うこともおすすめです。適性検査で従業員の能力や性格を分析しても、実際にやってみないとわからないこともあります。ジョブローテーションで、さまざまな業務を経験することで、従業員自身が自分の向き不向きを把握できますし、他の従業員との相性も確認することができます。

まとめ

適材適所の人材配置は、現代においてとても重要となってきています。減少していく労働人口、多様な働き方といった社会の変化に対応していきつつ、生産性や競争力を向上させるには、少ない人材を最大限に活用していかなければなりません。そのためには、各従業員の特性や業務との相性を尊重した適材適所な人材配置が必要です。適材適所な人材配置で、効率よく業績をアップさせていきましょう。

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