離職率は企業の魅力や働きやすさを表す指針のひとつで、就職活動の際の決め手となることも多いのではないでしょうか。 離職率が高いからといって一概に悪い会社だとは言い切れませんが、自社の離職率は平均と比べてどうなのか気になる方は多いはず。 この記事では、離職率とはどういったものなのか、離職率の調べ方や日本の離職率の現状など気になるポイントを解説します。 従業員の定着率を高めるにはどうしたらいいのかも紹介しますので、自社の離職率に悩む人事担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
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離職率とは
離職率とは常用労働者数に対する離職者の割合を指します。
先述したとおり、求職者は企業の離職率をチェックすることが多く、採用活動の際も無視することはできない要素になっています。
企業側も従業員がすぐやめてしまうと、採用や育成にかけたコストが無駄になってしまうので、会社の成長にも影響が出てしまいます。
退職率や定着率との違い
離職率と退職率はほぼ同じ意味として使われていますが、離職は仕事を離れていること、退職は仕事を辞めることに用いることが多いです。
定着率は入社した従業員が一定期間後、自社にどのくらい在籍しているかを表す指標です。
離職率と対になる指標で、100から離職率を差し引いた数字が定着率となります。
離職率の調べ方
- 離職率=離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)
離職者
常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所を退職したり、解雇された者をいい、他企業への出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所への転出者を除く。
常用労働者
次のいずれかに該当する労働者をいう。
① 期間を定めずに雇われている者
② 1か月以上の期間を定めて雇われている者
日本の離職率の現状
厚生労働省の令和4年 雇用動向調査結果の概要「入職と離職の推移」を参考に、入職率・離職率の推移をグラフ化してみました。
2020年〜2021年は新型コロナウイルスの影響により離職率が入職率を超過しましたが、およそ15%前後を推移しています。
新卒の離職率の現状
新入社員の離職率は3年で約3割で、急激な上昇や下降は見られません。
「最近の若い人はすぐに辞めてしまう…」といった声を聞くことも多いですが、実際は特に大きな変動はないということが分かります。
産業別離職率ランキング
- 1位 宿泊業・飲食サービス業:25.6%
- 2位 生活関連サービス業・娯楽業:22.3%
- 3位 サービス業(他に分類されないもの):18.7%
- 4位 教育・学習支援業:15.4%
- 5位 医療・福祉:13.5%
出典:2 産業別の入職と離職 令和3年1年間の労働移動者を主要な産業別にみると
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離職率が高くなる要因
自社の離職率が全国平均と比べて高い場合、その要因を探る必要があります。
離職率が高い企業にはいくつか共通する特徴があるので、具体的にどんな共通点があるかご紹介します。
給与が少ない
業務内容と給与が見合っているかどうかは大きなポイントです。
与えられている業務の責任に比べて給与が低ければ、従業員の不満が募り、退職を考える原因になります。
同業種の他社と比べて給与が低い場合も、転職を考えるきっかけになってしまうでしょう。
労働条件への不満
離職率が高い会社は常に人手不足の状態になっており、長時間労働や残業が日常的に行われていることが多いです。
人員が不足していることで有給休暇も自由に使えず、ストレスがたまると従業員は退職を考えます。
管理職や人事担当者は、長時間労働が常態化してしまっていると、その企業体質を疑問に感じなくなっている可能性があります。
業務内容への不満
面接のときに話した入社後のイメージと、現在がかけ離れていると従業員の不満は募ります。
「こんな仕事がしたい」と意欲を持って入社したにも関わらず、強制的な人材配置でまったく興味のない部署に配属されてしまうと「何のために入社したんだろう…」と退職を考えるきっかけになります。
人間関係のストレス
職場の人間関係がうまくいっていないと、精神的肉体的にも不調に陥ってしまうため、離職を考える大きな要因となります。
ハラスメント行為はもちろん、職場にうまく馴染めなかったり、言いたいことが言えずに抱えてしまう環境だと、ストレスがたまってしまいます。
従業員の定着率を高めるには?
会社の離職率が高いと、さまざまなデメリットが生まれることが分かっていただけたかと思います。
従業員の離職率を抑え、企業に長く定着してもらうためにはどういった対策が必要なのでしょうか?
コミュニケーションの活性化
上司や人事担当とコミュニケーションの機会を増やし、従業員が相談や意見を言いやすい環境をつくることが大切です。
社内イベントや定期的な面談など、社内のコミュニケーションを活性化させて、従業員が過ごしやすい職場づくりを意識しましょう。
労働環境を見直す
企業に長く勤めていると現状に慣れてしまい、長時間勤務や残業に疑問を持たなくなってしまうことがあります。
定期的に同業他社の情報をリサーチし、給与や勤務形態、福利厚生など他社と比べて遜色はないかチェックする必要があります。
人材不足が深刻化している現代では、人手不足が常態化し、従業員の負担が大きくなってしまっています。
業務内容に見合った給与かどうか、従業員の仕事内容も把握して給与を決める必要があるでしょう。
透明性のある人事評価制度
適正な評価を与えられないと、従業員のモチベーションは下がり、将来性を見出せずに離職へとつながります。
評価者の主観が入ったり、私情を持ち込んでしまうと公平性に欠けてしまうため、不満が起きやすいところです。
まず評価基準を明確にし、評価者によって違いが生まれないよう、適切な人材を選ぶことが重要です。
メンター制度などの導入
メンター制度とは新入社員を育成するための制度のことで、歳の近い先輩(メンター)が新入社員(メンティ)の精神的ケアや、成長のサポートを行います。
同じ部署の上司にはなかなか言えない悩みなど、年齢が近く相談しやすい先輩がいれば、メンタルも安定し、離職率の低下にもつながります。
採用時のミスマッチを減らす
企業側と求職者の間に認識のズレがあると、早期退職や内定辞退につながります。
採用コストも無駄になってしまうので、求人を出す際は詳しい業務内容や給与など、明確な情報を記載することが重要です。
面接では応募者に入社後のイメージを聞き、自社が求める人物像にマッチしているかどうか判断することがポイントです。
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まとめ
今回は離職率について解説しましたがいかがだったでしょうか?
まず自社の離職率を把握し、例年に比べて極端に増加したりしていないかなどのチェックが必要です。
今後も労働人口の減少が続くことが予想されるので、従業員の離職をなるべく減らすよう企業側も対策していくことが重要となってくるでしょう。
採用活動の際に「テキカク」などのツールを使って、採用時のミスマッチを減らすことができれば、早期退職などのリスクを抑えられる可能性があります。