適性検査とSPIの違いとは?検査の目的・出題内容・対策、受験の注意点を解説

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就職活動を進める中で「適性検査とSPIの違いは?」「どう対策をすればいいの?」と疑問を抱いた方も多いと思います。

適性検査とは、仕事に対する適性や人柄といった、企業が求める人材に応募者がマッチしているかを判断するテストのこと。SPIは適性検査の中の1つで、多くの企業が採用選考に導入しています。

この記事では、SPIをはじめとする適性検査の種類や出題内容、対策方法など、就職活動に必要な情報を紹介します。この記事を読むことで、就職活動の最初の一歩を安心して踏み出せます。

適性検査とSPIの違い:SPIは適性検査のひとつ

「適性検査」とは

適性検査とは、企業が採用活動を行う際、応募者を総合的に評価するために実施するテストです。企業によって評価基準が異なり、人気企業で応募者が多い際の足切りにする場合もあれば、求める人材像に応募者がマッチするかを確かめたり、面接の材料にする場合もあります。

能力検査と性格検査があり、能力検査では基礎学力や一般常識などが、性格検査ではストレス耐性やコミュニケーション能力などが問われます。全企業の約90%が採用活動に導入しているため、誰もが1度は受けることになるでしょう。

「SPI」とは

SPIとは、Synthetic Personality Inventoryの略であり、大手人材サービス会社「リクルート」が開発した総合適性検査です。基礎学力や性格特性を測定することで、どのような仕事に向いているのか、コミュニケーション能力や向上心はどのくらいあるのかなど、応募者を総合的に判断します。

SPIは適性検査のひとつ

適性検査にはいくつか種類があり、その中の1つがSPIです。年間利用社数14,400社、年間受験者数215万人と、非常に多くの企業が採用選考に導入しています。

SPIの種類は4つ。大卒採用では「SPI3-U」が主流

SPIは対象者ごとに4つの種類に分けられており、大卒採用では「SPI3-U」が主流です。それぞれの特徴をみていきましょう。

大卒採用対象「SPI3-U」

  • 大学新卒者が対象
  • 難易度の低いものから高いものまで出題される
  • 問題数が多く制限時間が短いため、問題を解くスピードが求められる
  • 領域や漸化式なども出題されるため、中学〜高校レベルの数学を復習しておく必要がある
  • 面接時の印象だけでは見えづらい性格や能力の測定を目的とする

中途採用対象「SPI3-G」

  • 転職希望者が対象
  • 大卒採用対象「SPI3-U」と比較して、言語問題の難易度が上がる
  • 非言語問題では資料解釈問題が出題されるため、情報を素早く正確に読み取る能力が求められる
  • 前職と入社を希望する企業との環境の相違に注目し、応募者の性格を測定する

高卒採用対象「SPI3-H」

  • 高卒の就職希望者が対象
  • 極端に難易度が高い問題は出題されない
  • コミュニケーション能力や理解力といった基礎能力に加え、やりがいを感じて働けるか、社風に馴染めるかといった性格や適応性の分析を目的とする
  • 仕事や組織への適応性に評価の重きを置く企業が多い

グローバル採用対象「GSPI3」

  • 外国人の方が対象
  • 通常のSPIが翻訳されており、対象となる外国語は、英語・中国語・韓国語
  • 面接時の会話だけでは見落としがちな、応募者の人柄や能力レベルの測定を目的とする 
  • 語学力や日本語の能力を測定するものではない

SPIで出題される問題は?

SPIの出題内容は、能力検査と性格検査の2つに分けられます。

能力検査(学力検査)

能力検査では、知能レベル(論理的思考力、発想力、基礎学力、一般常識など)が測定されます。

主な出題分野は、言語分野、非言語分野、英語、構造的把握力(難易度の高い文章を読み取る)の4つです。基本的には、言語問題と非言語問題が出題されますが、職種によっては、英語や構造的把握力が追加されることもあります。

性格検査

性格検査では、受験者のパーソナリティや物事への取り組み方、価値判断の基準などが測定されます。約300問の問題から、性格特徴や会社の価値観・雰囲気に馴染めそうか、求める人材像とマッチしているか、などを明らかにします。

SPI以外の検査

玉手箱

玉手箱は、人事コンサルティングファーム「日本エス・エイチ・エル」が販売する適性検査で、大手企業をはじめ、金融業界やコンサル業界などで広く導入されています。

特徴として、同様の問題形式が出題され続ける点が挙げられます。能力検査において、言語は一般的な読解問題が、非言語は四則逆算・図表の読み取り・表の空欄を読み取るの3パターンが出題されます。1問あたりの回答時間が短いことに加え、SPIと問題の形式が大きく異なるので、独自の対策が必要です。

CAB・GAB

CAB・GABとは、玉手箱と同じ「日本エス・エイチ・エル」が販売する適性検査です。

CABはコンピューター職適性診断テストの略で、情報処理・システム関連といったIT業界で多く導入されています。出題形式は暗算・法則性・命令表・暗号・性格です。

GABは総合適性診断テストの略で、商社や証券、総研といった業界において、総合職用のテストとして導入されています。出題形式は言語理解・計数理解・性格適性検査です。

企業がSPIを実施する目的

ミスマッチを防ぎ、最適な人員配置につなげる

採用後にミスマッチが発覚し、内定辞退や早期退職してしまうケースは珍しくありません。

SPIの実施には、そうした事態を防ぎ、最適な人員配置につなげたいという狙いがあります。企業側はSPIを通して、以下のようなメリットを得ることができます。

  • SPIの性格検査から応募者の性格特性や能力を測定し、企業の組織風土にマッチするかを見極めることができる
  • 希望する職種や部署、部門などへの適性がどの程度あるかを測定することができる
  • 容姿や第一印象といった面接官の主観を排除し、客観的な判断をすることができる

面接選考での参考情報とする

SPIを含む適性検査の通過後は、1次面接、2次面接と進んでいきます。
限られた時間の中で、面接官が応募者の性格特性や思考の癖を見抜くことは非常に困難です。面接選考の参考情報として、SPIの客観的なデータや分析結果をもとに質問を行い、応募者の理解につなげます。

SPIの対策は? 

難易度が中学〜高校レベルといっても、忘れている公式や知識も多いかもしれません。
「問題数は多いし、制限時間は短いし、出題範囲も多いなんて、どうすれば良いの?」と、対策の方法について悩む方もいるでしょう。

ここからは、能力検査と性格検査の対策方法を詳しく説明します。
早めに準備しておくことに越したことはないので、この記事を読んで、SPI対策の参考にしてください。

能力検査(学力検査)の対策

まずは、能力検査の出題範囲について説明します。
言語問題では、熟語や文の並び替えなどの国語問題が、非言語問題では平均値や確率を求める問題から、領域や漸化式まで広い範囲の数学問題が出題されます。

受験方法によっても異なりますが、WEBテストやテストセンターから受験した場合、1問ごとに制限時間が設定されているだけでなく、正解するごとに次の問題の難易度が上がります。制限時間内に答えられなかった場合でも、自動的に次の問題へと進むので、いかに早く正確に答えられるかが重要です。

対策方法は、練習問題を繰り返し解きながらコツをつかんでいくことです。就活生の必須アイテム「解説付きの問題集」は、書店やオンラインで購入できます。

また、受験方法によって制限時間や問題数が異なるので、時間配分についても考えておく必要があります。練習用の模擬試験を提供しているサイトなどを活用して、問題形式や時間配分に慣れておくと良いでしょう。

問題集の解説を読んでも分かりにくいという場合は、動画サイトなどで丁寧に解説しているチャンネルもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

性格検査の対策

SPIの性格検査では「ありのままの自分」で回答することが重要です。約300問の膨大な設問が課される中、言い回しを少し変えた同じような内容の問題も出題されます。

応募した企業が「どのような人材を求めているのか」を推測して、合致するように解答してしまった場合、矛盾や齟齬が生じてしまう可能性があります。

そうした場合、「嘘をつく傾向がある」と判断されてしまうので、正直に取り繕わず回答することがベストです。企業が求める人材像を意識することも重要ですが、最もシンプルかつ重要な対策方法は「直感的に素直に回答する」ことです。

適性検査の受験方法は?

WEBテスト(オンライン受験)

自宅や大学のパソコンから受験します。インターネット環境があれば、どこでも受験可能です。応募先の企業が指定した期間内であればいつでも受験できるため、地方に住んでいる方や昼間が忙しい方にとっては最も受験しやすい形式でしょう。スマートフォンからの受験はできないので、必ずパソコンが必要になります。

制限時間は、能力検査35分、性格検査30分です。1問ずつ制限時間があるので、問題集を繰り返し解いておくなど、素早く解答できるように練習しておきましょう。

ペーパーテスト(マークシート受検)

応募先の企業が指定した会場で受験します。オンライン・パソコン受験と異なり、冊子で問題が配布され、紙にマークシート形式で解答していきます。

制限時間は、能力検査70分、性格検査40分です。紙で受験する場合も時間を意識して、スピーディーに解答していきましょう。

インハウス(パソコン受検)

応募先の企業まで直接行き、企業の用意したパソコンで受験します。企業によっては、SPIと面接が同時に行われる場合もあります。

制限時間は、能力検査35分、性格検査30分です。応募先の企業まで直接行くので、他の受験方法と比べて緊張してしまうかもしれません。本領が発揮できるよう、焦らず、落ち着いてテストに臨みましょう。

テストセンター(パソコン受検)

テストセンター会場のパソコンで受験する形式です(リアル会場)。応募先の企業が指定した期間内で、都合の良い日時と会場を予約します。就活シーズンは利用者が多く、希望の日時が埋まってしまうこともあるので、早めに予約しておくと安心です。また、2022年10月から自宅などのパソコンを使用して、専用のシステムで受験するオンライン会場形式が新設されました。

制限時間は、能力検査35分、性格検査30分です。WEBテストと同じように1問ずつ制限時間があるので、素早く解答できるように練習しておきましょう。

まとめ

SPIは、数ある適性検査のうちの一種類です。適性検査という大きな枠組みに、SPIや玉手箱など複数の種類があります。

SPIは、多くの企業が採用活動で導入しています。能力検査は問題数が多く制限時間が短いため、いかに早く正確に解答できるかが勝敗を分けるポイントに。
性格検査のシステムは問題数も多いので、直感的に、取り繕わずに素直に答えるようにしましょう。

SPIは早めに対策することで、誰でも高得点を獲得できるテストです。この記事で紹介したSPIの特徴を把握し、しっかりと対策をしておきましょう。

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