【管理職向け】働き方改革の施策について実際の成功事例から学ぶ

政府が推進する働き方改革を導入し成功事例を挙げている企業は様々あります。その一方で、

「どんな取り組みをすれば成功するんだろう」
「他企業の導入を参考にしたい」

と考える企業のマネジメント層や人事部の方も多くいるでしょう。

そこで今回は働き方改革によって導入された、実際の企業の取り組み事例についてまとめて紹介します。実際の事例や成功例を把握しておくことで、自社の制度を応用できるため効果的な導入を行うことができます。

働き方改革の施策を通した企業の制度や導入について、気になる方はぜひ参考にしてください。


1.働き方改革の導入背景や企業に求められている施策を理解出来ていますか?

働き方改革を企業に導入する前に、改めて働き方改革の内容や施行の背景について理解を深めましょう。なぜなら内容や背景について理解することで、企業に求められる目的を把握した上で効果的な制度を検討することが可能であるためです。そこで、ここからは以下の3点について改めて解説します。

  • 働き方改革とは
  • 働き方改革が導入された背景
  • 企業に導入が求められている施策

働き方改革の目的は、働く人の視点に立った労働制度の根本的な改革によって働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持ち得ることです。その改革とは、企業において制度や取り組みを導入し企業文化や風土としての変化を目指します。

働き方改革が導入された背景は大きく3つあります。1つ目は「少子高齢化に伴う労働力不足」であり、労働人口が急激に減少している日本では働き方そのものを改善していく必要性が求められています。2つ目は「長時間労働の増加」です。働く人の心身にも影響を与えることから問題視されてきたものの根本的な解決は実現されておらず、施策として対策が求められています。3つ目は「低水準な労働生産性」です。日本は先進国と比較しても労働生産性が低い現状が続いており、国全体として労働生産性の向上が必要とされています。

働き方改革において企業に導入が求められる施策は主に2つあります。1つ目は「柔軟な働き方」です。働く場所や時間など、社員一人ひとりに適した労働環境を整えることを目的とし、多様な人材能力が発揮できる職場を目指す施策です。2つ目は「育児・介護と仕事との両立」です。働く人のニーズに対して企業が制度として応えることで、ワークライフバランスや労働生産性の改善を目指した施策と言えます。

2.育児や介護を支援するユニークな施策を導入した3つの企業

働き方改革を掲げる政府が考える課題の1つに「育児や介護と仕事との両立」があります。実際にこういった働き方を望む社員は増加しており、制度として労働環境を整える企業も増えてきました。その中でもユニークな施策を取り入れた3つの企業がこちらです。

  • サイボウズ/育児休暇の改善で子育て世代支援
  • ワコール/時短勤務で育児・介護をする社員を支援
  • アサヒビール/育児や介護理由で退職した社員の出戻り支援

それぞれ内容やメリットに関してまとめて紹介します。

サイボウズ/育児休暇の改善で子育て世代支援

2006年より育児休暇制度を導入しているサイボウズでは、制度を利用する社員の立場に立った細かな内容によって子育て社員に心強い制度を設立しています。例えば妊娠判明時から取得できる「産前休暇」は、体調が変わりやすい妊婦社員にとって心身の健康を保てる嬉しい制度です。また育児・介護休暇は子どもが小学校に入学するまでの最長6年間取得することが可能。成長が著しい時期をなるべく長く一緒に過ごせることは親にとって大きな喜びです。また社長自身も3度育児休暇を取得していることで、休暇を取ることを引け目に感じる社員も減少していったと言います。社員の立場に立った使いやすい内容や風土によって、子育て世代社員を会社全体で支えています。

ワコール/時短勤務で育児・介護をする社員を支援

女性用下着メーカーであるワコールは社員に女性が多く、出産・育児による離職率の高さに悩まされたことから時間勤務制度を取り入れました。内容としては、1日の労働時間に対し育児短時間は30分単位、介護短時間は1時間単位、それぞれ最大2時間の短縮を可能とします。その結果、出産による離職率を低下させただけでなく育児休業取得者の復帰率が100%となる結果を生み出すメリットがもたらされました。出産や育児を理由に退職せざるを得ない状況を見過さず、そういったライフイベントを受け入れ企業の風土として適応することで、社員にとっては将来へ続く労働意欲の向上となります。企業にとっても人材流出を防ぐことができ、人材確保や優秀な人材育成へと効果が期待できます。

アサヒビール/育児や介護理由で退職した社員の出戻り支援

育児や介護で退職しても規定条件を満たすことで再雇用を受け入れる「ウェルカムバック制度」を設けたアサヒビールでは、女性管理職の人数が10年で5倍という成果を生み出しました。規定の条件が満たされていれば年齢制限もなく勤続3年以上の社員が再雇用を認める内容で、退職の理由は結婚・出産・育児・家族の看病や介護・配偶者の転勤と幅広く受け入れていることが特徴です。企業が社員のキャリアイメージや生活を尊重したこの制度は、働く人一人ひとりが仕事と生活を両立を可能とします。その結果、ワークライフバランスの取れた働き方によって社員のモチベーションも高まり、生産性向上にも繋がります。

3.多様で柔軟な働き方施策を導入した企業の成功事例

柔軟な働き方

企業における「柔軟な働き方」は導入が求められる働き方改革の施策の1つであり、既に成功事例が得られた企業もあります。多くの取り組みや成功事例を把握することで、自社に適した導入のヒントを得られるでしょう。今回は以下3つの企業の成功事例を紹介します。

  • コニカミノルタジャパン/全国拠点でテレワーク
  • ソフトバンク/コアタイム無しのスーパーフレックスタイム制度
  • エンファクトリー/マネジメント能力を高めるパラレルワーク

1つずつ内容や成果について解説していきます。

コニカミノルタジャパン/全国拠点でテレワーク

コニカミノルタジャパンでは全国の拠点においてテレワークを可能とする制度の運用を実施。運用成功の秘訣となったのは、2013年から取り組んできた「いつでもどこでも働ける環境」への継続した取り組みでした。テレワークを実施するまでにフレックス制度の導入や保管文書ゼロ化の運用など、労働環境の見直しに取り組み基盤を築いたことで全国拠点でのテレワーク実施も可能にしたと考えられます。その結果、仕事と育児の両立といった柔軟な働き方を可能にし、社員だけでなく企業にとってもどんな状況や情勢にも対応しやすい事業継続性の確保という成果が得られました。

ソフトバンク/コアタイム無しのスーパーフレックスタイム制度

ソフトバンクでは社員のワークスタイルを尊重すべく、コアタイムを撤廃したスーパーフレックスタイム制度を導入。社員は業務状況に応じ始業・就業時刻を調整でき効率的に業務に取り組めます。家族との時間や、趣味や学習の機会を増やすなど時間の使い方は様々。仕事もプライベートの時間も有効活用できるため、「自らを尊重してくれる企業に貢献したい」という業務へのモチベーションアップも期待できます。この制度の導入によって、多くの社員がメリハリをつけて働くことができただけでなく、社外評価として、働き方改革を通じて生産性革命に取り組む企業を選定する『第2回日経Smart Work経営調査』において5つ星に認定される評価につながりました。

エンファクトリー/マネジメント能力を高めるパラレルワーク

エンファクトリーが取り組むパラレルワークとは、社員が主体的に働く取り組みを推進する制度です。具体的には、会社の仕事だけでなく自分自身への機会提供の1つとして副業を認め、様々な挑戦を支援しています。社員は各々の興味がある分野に取り組み、中には起業する社員もいるとのこと。この取り組みを通して稼げる力を身に付け視野の広がりを持った人材育成という成果が得られています。主体的に取り組み、切り開いていく副業で社員は様々な経験を積み能力を身につけます。身についた能力は会社の業務においても効率的な成果をあげ、会社にもメリットとして還元されることが期待できる取り組みです。

4.長時間労働の改善や労働生産性の向上に取り組んだ企業事例

「長時間労働の改善」や「労働生産性の向上」は、働き方改革が導入された背景でもあるほど、国としても大きな課題と考えられています。これらの課題を解決するために、様々な取り組みを導入した企業の事例を紹介します。それがこちらの3つです。

  • 伊藤忠商事/長時間残業を削減のため朝型勤務を導入
  • ダイキン工業/定年後の再雇用でシニア層の活躍促進
  • トッパン・フォームズ/健康経営を目指し常勤産業医を導入

これらのメリットや得られた成果をお伝えします。

伊藤忠商事/長時間残業を削減のため朝型勤務を導入

伊藤忠商事は朝方勤務を導入し長時間の残業削減に成功しました。具体的には午前5時から午前9時までは従来認められていた深夜勤務と同様の割り増し手当を導入し、午前8時までに出社した場合は朝食を無料提供する取り組みを始めました。その結果、課題であった午後8時以降の残業する社員を5%まで削減し、反対に午前8時前に出勤する社員を全体の半数近くまで増加させました。終わりの見えない夜間の残業に比べ、朝型の勤務は時間にも制限があるため、残業時間を約10%強減らす成果も生み出しました。社員の勤務スタイルを朝型に切り替えることで社員の時間外労働を減らし、限られた時間での効率的な業務の実現への期待が高まっています。

ダイキン工業/定年後の再雇用でシニア層の活躍促進

ダイキン工業では2001年から再雇用の制度を導入し、毎年100人を超えるベテラン層の積極的な活躍を実現しています。希望者全員を65歳まで再雇用し、優れたスキルや経験を持ったシニア層を活かす場の提供促進に取り組んでいます。再雇用であっても高い成果をあげた社員には報酬を与えることで、労働意欲を高める効果も見受けられます。少子高齢化による人材不足が叫ばれる中、時代の変化に適応する制度は専門性の高い社員の有効的な活躍で業務への成果にもつながり、社員と企業双方にとってメリットのある取り組みです。

トッパン・フォームズ/健康経営を目指し常勤産業医を導入

社員の健康維持や回復を目的とした健康経営を目指し、常勤の産業医を導入したのがトッパン・フォームズです。産業医を企業に常勤させることで、産業医が職場環境を把握しやすく社員の指導や助言においても具体的なアドバイスが可能となります。その他にも健康診断の結果による産業医との面談や、海外赴任者への産業医による教育にも取り組んでいます。その結果、経済産業省と日本健康会議によって健康管理を戦略的に取り組む企業として「健康経営優良法人(ホワイト500)」に4年連続で認定されています。社員の健康を支える取り組みは、業務回転率の向上や事業の利益率のアップにも期待することができるでしょう。

5.職場改善に役立つツール

上で紹介したように働き方改革の施策は会社によって様々です。まずは組織の現状を把握し、根本的な問題の解決施策を検討すると良いでしょう。

ラフールサーベイは、「社員の状況の把握・分析」や「職場/チームの状況に応じた改善策提案」をしてくれる、職場の現状可視化と改善に役立つツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

  • 部署
  • 男女
  • 職種
  • テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

6.まとめ

働き方改革が推進されている中で、ユニークな施策を導入し成功事例をあげている企業が増えてきています。

今回は、実際に企業が導入している生産性の向上やワークライフバランスの改善を目指した施策を多数ご紹介しました。働き方改革が企業に求められる目的を正しく理解することで、根本的な問題の解決施策を検討することができます。

ラフールサーベイでは18万人以上のデータを基に、従来のアンケートでは見えにくかったリスクや課題を多角的に抽出し可視化することができます。

社員一人ひとりの考えや悩みを可視化するツールをお探しの方は、ぜひラフールサーベイを検討してみてください。

https://survey.lafool.jp/
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