【イベントレポート】第一生命グループが推進するWell-Being支援、健康経営・医療費抑制サポート

昨今、企業の価値を世の中に示すひとつの大きな要素として、「企業で働く従業員が心身共に健康であり、幸福を感じて働くことができる状態になっているか」が、日本でも注目を集めています。その概念が”ウェルビーイング”であり、一般的に”ウェルビーイング”とは、精神的、身体的、そして社会的に心身ともに健全な状態を指します。

また、2023年には、上場企業による人的資本の情報開示が義務化となり、統合報告書などによる非財務情報の開示をする企業が多く見受けられました。生産年齢人口が減少し、ひとりひとりの生産性を高めることが急務になってくる時代において、人的資本経営をはじめ、ウェルビーイング経営実現の重要度はより高まっていきます。

そこで当社は、ウェルビーイング経営の最先端情報から、リアリティのある取り組み、成功事例を広くシェアし、日本社会全体のウェルビーイングの意識を一歩先に進めたいという思いから、昨年に続き『Well-Being Workers®︎ Awards 2024』を開催しました。 本稿では、株式会社 QOLead 代表取締役社長 中山新 氏をお招きし、株式会社ラフールCEO補佐/CHCO大木と基調講演を行いました第一生命グループが推進するWell-Being支援、健康経営・医療費抑制サポートについてお伝えします。

株式会社 QOLead
代表取締役社長
中山 新

株式会社QOLead代表取締役社長。1997年第一生命保険相互会社(現第一生命保険株式会社)入社。支社、経済産業省トレーニー、資産運用部門、経営企画部門、IT部門を経て、2018年より第一生命保険株式会社営業企画部部長兼InsTech開発室長(Dai-ichi Life Innovation Lab長)、2020年より第一生命ホールディングスイノベーション推進グループ長として、イノベーションの創出・推進をリード。2021年よりQOLead社長として第一生命グループのヘルスケアビジネスを牽引。

株式会社ラフール
CEO補佐/Chief Healthcare Officer 公式Fitbit Friend 上級 睡眠健康指導士/漢方養生指導士 大木 都

新卒からベンチャーでの新規事業立ち上げを経験。2006年ビーコン コミュニケーションズに入社、海外各種メーカーの日本市場開拓マーケティングに従事。2013年リラク(現メディロム)にてヘルスケア研究所を立上げ、初代所長となる。パーソナルコーチングアプリ・クリニック経営支援・産学連携での研究事業など歴任。現在は従業員の健康増進を担当しながら、ラフールサーベイデータを活用した産学連携研究・アライアンス事業創出を担当。上級 睡眠健康指導士などの資格を活かした企業研修も行う。

健康管理はコストではなく、人的資本への投資

大木:
中山さまは、第一生命保険相互会社(現第一保険株式会社)にて事業経験を積まれた後、21年より株式会社QOLead社長として、第一生命グループのヘルスケアビジネスを牽引しておられます。

本日は自社のお取り組みを含め、ウェルビーイングについて幅広くお話しいただきます。中山さま、よろしくお願いいたします。

中山:
株式会社QOLeadの代表を務めます中山と申します。本日は第一生命グループが皆さまのウェルビーイングにどのように貢献しているか、私どものQOLeadのプロダクトがどんな役割を果たしているかを、ぜひ知っていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

大木:
では、早速、QOLead様の活動も含めて、御社の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

中山:
第一生命グループは「全ての人々のウェルビーイングを守り高める」をビジョンに掲げています。その前提として、まず社員ウェルビーイングを実現すべく、取り組みを進めています。

従来、生命保険会社としては、お客様の心身あるいは経済的なウェルビーイングを中心に貢献してきたといえるでしょう。医療費の個人負担の3割部分に対して経済的に皆さまをお守りすることが主な役割でした。しかし、これからは社会的なウェルビーイング(Well-Being)も大切です。

QOLeadは医療費の7割部分、健康保険組合様の医療費支出適正化の課題解決に挑戦すべく、Healstep(ヘルステップ)とQOLism(キュオリズム)をローンチしました。

Healstepの全体図はこちらです。一番右のQOLismは、保健事業ならびに健康経営をサポートするヘルスケアアプリであり、プラットフォームとしての役割があります。

従業員の健康管理を考える際に大切なのは、コストではなく「人的資本への投資」として考えることです。少子高齢化社会においては、就労世代の活力向上と健康寿命の延伸は重要であり、国も健康経営を推奨しています。

健康経営を目指す企業は確実に増えてきており、直近では健康経営優良法人取得申請が2万を超えているとのこと。Healstep、QOLismのメニューは、ほぼ必要なガイドラインを満たしていますので、企業様の健康経営優良法人認定にも貢献できます。

健康のためにあれこれやろうとしても、なかなか続かないのが常でしょう。QOLismでは、歩くことや食事、体重の記録などにタスクを絞っており、達成できたら褒めてくれますから、半年経過しても7割近い方が使い続けています。アプリの概要は次のようになっています。

ご自身の目標に応じた運動メニューやエクササイズ動画を提供、撮った写真からカロリーや栄養素がチェックできる機能、ウォーキングイベントに参加できる機能などがあります。健康診断データをもとに疾病リスクをチェックすることも可能。管理者側から情報発信もできます。

大木:
健康経営に必要なものをぎゅっと閉じ込めたサービスを提供されているのですね。 続いて、QOLism活用の成果について、具体的な事例や研究データをお聞かせください。

中山:
承知しました。QOLismアプリユーザーの中で健康診断値が一定の改善を見せた方の割合を示したのがこのグラフです。一定の改善が見られることが分かります。

例えば一番右の腹囲では、前年の健康診断結果がB判定以下の方の45%が、1cm以上改善している結果となりました。健康無関心層を含む薄いブルーの部分で効果が出ていることから、身体的なウェルビーイング(Well-Being)に貢献できていると考えています。

こちらはウォーキングイベントの実施効果です。ウォーキングイベントを開催すると歩数が増加する傾向があり、冬の間、寒くても歩数が落ちないという結果をもたらしています。

ウォーキングイベント参加者の平均歩数を見ると、不参加者に対して個人戦に参加された方、さらにチーム戦に参加された方という順に、より平均歩数が伸びています。

このチーム戦は、みんなで頑張るという日本人の特性をうまく捉えている機能だと思います。このことが社会的なウェルビーイング(Well-Being)に貢献できていると考えています。

大木:
指導するのではなく、アプリを利用していることで成果が出ている。しかもアプリの浸透度合いだけでなく、実際に健康診断のデータに成果が出ているところが素晴らしいですね。収縮時血圧が5mmHg下がるのはすごいことだと思います。

中山:
お褒めいただきありがとうございます。収縮時血圧などについても顕著な結果が出ているということで、この点は当社グループの研究チームも含めて、掘り下げていきたいと議論しているところです。

ウォーキングイベントでは、コロナ禍の期間も含めて参加者には結構歩いていただいたことになります。チーム戦という形で行うことで、チームのよさやコミュニケーション力を高め、互いに励まし合って結果に結びついたのだと思います。

ただ、歩くイベントばかりでは飽きが来ますので、ウォーキングなど健康行動の達成度に応じて、健康グッズを手に入れることができるようなインセンティブを持たせることにもトライしています。

『ラフールサーベイ』との組み合わせでメンタルヘルスを網羅

大木:
中山様は『ラフールサーベイ』をご活用中でもありますが、『ラフールサーベイ』についてはいかがですか?

中山:
最初は、質問項目が多い印象でしたが、おかげさまでかなり詳しく的を射たアドバイスをいただきました。「このまま放っておくとこうなる」と指摘されたことが直後に起こったので、もっと早くサーベイを受けていればよかったと思いました。皆さまにもぜひおすすめしたいです。

大木:
ありがとうございます。『ラフールサーベイ』は、ダッシュボードで組織の状態が見えますので、深掘りしていくことで「こういうことが起こりそう」とフィードバックレポートでお伝えできます。ラフールだからこそ言えることがあったり、対面では得られない気づきがあったりすると思います。

中山:
QOLismはプラットフォームとして、身体的、社会的なウェルビーイングに加え、精神的なウェルビーイングに関しても力を入れていきたいと考えています。従業員の方々の心の健康とパフォーマンスは相関しており、メンタルヘルスの対策の重要性は非常に高まっていると認識しているからです。

当社では、QOLismアプリの機能を組み合わせ、4つのケアを網羅できるサービスをラインナップしました。このうちラインケアとスタッフケアについては、『ラフールサーベイ』を活用しており、ラフールさんには専門家としてアドバイスを担当いただいています。

また、睡眠について質や量を計測して評価する機能についても、近日実装予定です。

このように、私ども第一生命グループは自社の社員のウェルビーイング(Well-Being)を重視しながら、顧客そして社会のウェルビーイング(Well-Being)に貢献していくことに努めています。メンタル領域にもしっかり取り組んで、精神的なウェルビーイング(Well-Being)に対しても効果があることをデータ化していきたいと思っています。今後もラフール様に期待するところは大きいです。

大木:
ありがとうございます。健康的な活動のために人的投資される企業様は多いと思います。

皆さまも、ぜひ攻めの姿勢を持ってウェルビーイング(Well-Being)な環境を構築していただけたらと思っています。本日は興味深いお話をありがとうございました。

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