イグジットマネジメントとは退職も見据えた人材マネジメント!必要性やメリット・デメリットを解説

イグジットマネジメントとは、従業員の退職を見据えた人材マネジメント手法です。単なる退職手続きにとどまらず、退職者との良好な関係を維持することで、企業にもたらされるメリットは少なくありません。一方で、デメリットも存在するため、導入には慎重な検討が必要です。本記事では、イグジットマネジメントの必要性やメリット・デメリットについて解説します。

イグジットマネジメントは退職も見据えた人材マネジメント

イグジットマネジメントは、組織内の人材マネジメントの一環であり、従業員の退職を見据えたアプローチを取ります。

イグジットマネジメントの目的は、退職する従業員が円滑に退職プロセスを進められるようにサポートすることです。これには、退職前の準備や手続きのサポート、現在の業務の引き継ぎ、従業員のキャリアパスに関する相談などが含まれます。また、イグジットマネジメントは、退職後も従業員との継続的な関係を維持することを目指し、アルムナイネットワークの構築や退職後のサポートも提供します。

リテンションマネジメントとの違い

一方、リテンションマネジメントは、優秀な人材の定着を促進するために様々な取り組みを行うことを指します。

これには、従業員のやりがいや成長機会の提供、報酬や福利厚生の見直し、ワークライフバランスの改善などが含まれます。

リテンションマネジメントの目的は、優秀な従業員を長期的に組織に定着させ、組織の持続的な成長と競争力を維持することです。

したがって、イグジットマネジメントとリテンションマネジメントは、それぞれ異なる焦点と目的を持ちながらも、組織内の人材マネジメントにおいて重要な役割を果たしています。

イグジットマネジメントの必要性

近年、日本の雇用環境は大きく変化しており、かつての終身雇用制度は徐々に崩れつつあります。企業と従業員の関係性も変化し、転職や早期退職が増加傾向にあります。このような状況下において、イグジットマネジメントの必要性が高まっています。

終身雇用の変化

従来の日本企業では、終身雇用制度が主流であり、従業員は新卒で入社し、定年まで同じ企業で働くことが一般的でした。しかし、グローバル化や経済の変動により、企業は柔軟な雇用形態を求めるようになり、従業員も自身のキャリアを重視するようになりました。その結果、転職率が上昇し、早期退職も増加しています。

このような雇用環境の変化に対応するために、企業はイグジットマネジメントを導入する必要性に迫られています。円滑な退職プロセスを整備し、従業員との良好な関係を維持することで、企業のブランドイメージの向上や、優秀な人材の確保につながります。また、退職者との関係を維持することで、将来的な再雇用や取引先としての関係構築にも役立ちます。

広義での人材流出の防止

イグジットマネジメントは、単に退職手続きをスムーズに行うだけでなく、退職者との良好な関係を維持することで、人材流出を防ぐ役割も果たします。退職者がネガティブな感情を持ったまま去ることで、企業の評判が悪化し、優秀な人材の確保が困難になる可能性があります。イグジットマネジメントを適切に行うことで、このようなリスクを軽減できます。

組織の新陳代謝の活性化

イグジットマネジメントは、組織の新陳代謝を促進する効果もあります。退職者との円滑なコミュニケーションを通じて、組織の問題点や改善点を把握することができます。また、退職者のキャリア支援を行うことで、組織内の人材の流動性を高め、新しいアイデアや視点を取り入れることができます。これにより、組織の活性化と継続的な成長が期待できます。

以上のように、イグジットマネジメントは、変化する雇用環境に対応し、人材流出を防ぎ、組織の新陳代謝を促進するために必要不可欠な施策だといえるでしょう。

イグジットマネジメントのメリット

イグジットマネジメントを適切に実施することで、組織にはさまざまなメリットがもたらされます。ここでは、その主要なメリットについて説明します。

組織の活性化

イグジットマネジメントを通じて、退職者から組織の問題点や改善点に関するフィードバックを得ることができます。この情報を活用することで、組織の業務プロセスや職場環境の改善につなげられます。また、退職者のキャリア支援を行うことで、組織内の人材の流動性が高まり、新しいアイデアや視点が取り入れられます。これらの効果により、組織の活性化と継続的な成長が促進されます。

長期的に見た人材確保

イグジットマネジメントを適切に行うことで、退職者との良好な関係を維持できます。これにより、将来的に退職者が再度組織に戻ってくる可能性が高まります。また、退職者がその組織で得た経験やスキルを活かして、取引先や協力企業になる可能性もあります。さらに、退職者が組織の良いイメージを持っていれば、その組織の評判が向上し、優秀な人材の確保にもつながります。このように、イグジットマネジメントは長期的な視点で人材確保に貢献します。

従業員のモチベーションアップ

イグジットマネジメントを通じて、従業員は組織から自分のキャリアに対する関心と支援を感じ取ることができます。これにより、従業員は自身の成長と組織への貢献に対するモチベーションが高まります。また、円滑な退職プロセスが整備されていることで、従業員は安心して働くことができ、組織へのエンゲージメントが向上します。結果として、イグジットマネジメントは在職中の従業員のモチベーションアップにも寄与します。

イグジットマネジメントのデメリット

イグジットマネジメントには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、イグジットマネジメントを導入する際に考慮すべき主なデメリットについて説明します。

短期的に効果が出るわけではない

イグジットマネジメントは、長期的な視点で組織に利益をもたらす施策ですが、短期的には目に見える効果が現れにくいという特徴があります。退職者との良好な関係構築や、組織の改善点の発見と実行には時間がかかるため、イグジットマネジメントの効果を実感するまでには一定の期間が必要です。このため、短期的な成果を求める組織にとっては、イグジットマネジメントへの投資に踏み切りにくい面があります。

担当者の負担増加

イグジットマネジメントを適切に実施するには、専門的な知識とスキルを持った担当者が必要です。退職者との面談や、キャリア支援、アルムニネットワークの管理など、イグジットマネジメントに関連する業務は多岐にわたります。これらの業務を遂行するためには、担当者の業務量が増加し、負担が大きくなる可能性があります。特に、イグジットマネジメントの導入初期段階では、担当者の負担増加に注意が必要です。

離職者増加のリスク

イグジットマネジメントを導入することで、かえって従業員の離職率が高まるリスクがあります。イグジットマネジメントにより、従業員は自身のキャリアについて深く考える機会を得ます。その結果、現在の組織では自分のキャリア目標を達成できないと感じた従業員が、転職を選択する可能性があります。このリスクを最小限に抑えるには、イグジットマネジメントと並行して、リテンションマネジメントにも力を入れ、従業員のエンゲージメントを高める必要があります。

イグジットマネジメントの取り組み例

イグジットマネジメントを実践するために、企業では様々な取り組みが行われています。ここでは、代表的な取り組み例を紹介します。

出戻り採用

出戻り採用とは、一度退職した従業員を再び雇用することを指します。イグジットマネジメントの一環として、退職者との良好な関係を維持することで、将来的に出戻り採用の可能性が高まります。退職者は、組織の文化や業務に精通しているため、即戦力として活躍できる可能性が高いです。また、外部で新たな知識やスキルを獲得した退職者を再雇用することで、組織に新しい視点やアイデアをもたらすことができます。

アルムナイネットワーク

アルムナイネットワークとは、退職者とのつながりを維持するための仕組みです。具体的には、退職者専用のWebサイトやSNSグループを作成し、定期的に情報発信やイベントを開催します。これにより、退職者は組織の最新情報を入手でき、同期や先輩・後輩とのつながりを保つことができます。また、組織側も、アルムナイネットワークを通じて、退職者の知見やネットワークを活用できます。

キャリアディベロップメント

キャリアディベロップメントとは、従業員のキャリア開発を支援する取り組みです。イグジットマネジメントの観点から、退職予定者に対してキャリアカウンセリングを提供したり、外部の人材紹介会社と連携して転職支援を行ったりします。これにより、退職者は自身のキャリアの方向性を明確にし、スムーズに次のステップに進むことができます。また、組織は、従業員のキャリア開発を支援する姿勢を示すことで、在職中の従業員のエンゲージメントを高めることもできます。

これらの取り組み例は、イグジットマネジメントの一部であり、組織の特性や目的に応じて、様々な施策を組み合わせて実践することが求められます。イグジットマネジメントを効果的に機能させるには、継続的な改善と、組織全体での意識改革が不可欠です。

まとめ:イグジットマネジメントで中長期的に健全な組織を目指す

イグジットマネジメントは、従業員の退職を見据えた人材マネジメントであり、組織の活性化や長期的な人材確保、従業員のモチベーションアップなどのメリットをもたらします。一方で、短期的な効果が現れにくく、担当者の負担増加などのデメリットも存在します。企業では、出戻り採用やアルムナイネットワークなどの取り組みを通じて、イグジットマネジメントを実践しています。中長期的な視点で組織の健全性を高めるために、イグジットマネジメントを戦略的に導入し、継続的に改善していくことが重要です。

執筆者

株式会社ラフール

編集部員

株式会社ラフールの中の人。部員持ち回りで執筆をしています。採用から定着まで。採用適性検査「テキカク」と組織改善ツール「ラフールサーベイ」でウェルビーイング経営の実現を本気で支援しています!

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