「第二新卒」という言葉を聞いたことはあるけれど、その正確な定義については詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。一般的に、第二新卒は大学や専門学校卒業後3年以内の若手社会人を指しますが、企業や業界によってはこの範囲が異なることもあります。

転職市場での第二新卒のポジションは、一長一短です。その最大のメリットは、新しい環境に順応しやすく、新たなスキルの習得にも柔軟である点です。しかし、経験の浅さがネックとなり、頻繁な転職が懸念されることもあります。

この記事では、第二新卒者が転職市場においてどのように自身の強みを活かし、次のキャリアステップへと進むべきかについて探求します。

これから転職活動を考えている方は、ぜひご一読ください。

第二新卒とは？

第二新卒という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、その詳細な定義については多くの人が疑問を持っているかもしれません。ここでは、第二新卒の概念について詳しく解説します。

第二新卒は何歳まで？

第二新卒は、大学、短期大学、専門学校などを卒業し、最初の職場に就職してから約3年以内の社会人を指します。この期間は、一般的な新卒者が初めての職場で学び、成長する重要な時期と考えられています。また、20代前半の若手社会人を指すことが多く、この年齢層はまだキャリアの初期段階にあり、多くの可能性を秘めているとされています。

しかし、第二新卒の範囲は企業や業界によって異なることがあります。一部の企業では、経験年数よりも年齢を重視し、例えば25歳までなどと具体的な年齢で定義することもあります。また、第二新卒者はキャリアの初期段階にあるため、多くの場合は経験よりも潜在能力や学習意欲が重視されます。

第二新卒が生まれる背景

近年、第二新卒者の増加が顕著になっています。厚生労働省の報告によれば、大学を卒業して新たな職に就いた若者の約30％が3年以内に職場を離れているとされます。この背景には、複数の要因が絡み合っています。

キャリアや給与のアップ

多くの第二新卒者が最初の職場で給与やキャリアの面で不満を感じることがあります。特に20代前半から中盤の若手社会人は、自分の能力を最大限に活かせる環境や、さらなるキャリアアップを望んでいます。これらのニーズは、第二新卒市場を形成し、活性化させています。

前職の人間関係に不満があった

職場での人間関係は、日々の仕事に大きな影響を及ぼします。パワハラなどのハラスメントが存在する環境や、人間関係に問題がある職場では、若手社員が職を辞する傾向が強まります。若いうちから、より満足できる職場環境を求める動きが見られます。

仕事にやりがいを感じられない

新卒者が任される業務が限られており、十分な責任や成果を認められない状況もあります。また、本来の興味や得意分野を生かせないことが、第二新卒者が増える一因となっています。自己実現を求める若者にとって、このようなミスマッチは大きな問題です。

働き方に不満がある

最近の若者、特にZ世代以降の人々は、ワークライフバランスを重視しています。長時間労働や休日が少ない企業に対する不満は、転職を考える若手社会人を増加させています。このような働き方への不満は、第二新卒者が市場に流入する主要な理由の一つとなっています。

第二新卒のメリットは？

20代前半から中盤の若手社会人、いわゆる第二新卒に対しては、企業の84.2%が積極的に採用を検討しているというデータがあります。この数字からも明らかなように、第二新卒者は企業にとって多くのメリットを提供します。ここでは、その具体的な利点を探ってみましょう。

基本的なビジネススキルを身につけている。

多くの第二新卒者は、初めての職場で新人研修を経験しています。このため、彼らは基本的なビジネススキルやビジネスマナーをすでに身につけていることが一般的です。例えば、ビジネスメールの書き方や名刺交換の方法など、新入社員に一から教育する必要がないため、企業側の教育コストを低く抑えることができます。これは、企業にとって大きなメリットです。

若手であるため成長のポテンシャルがある

社会人経験がまだ浅い第二新卒者は、大きな成長の可能性を秘めています。彼らは、ベテラン転職者と比較して経験は少ないものの、その若さから企業の組織文化や風土に柔軟に適応しやすいと考えられています。また、行動力や素直さ、成長意欲の高さは、第二新卒者が新しい環境で活躍する上での大きな強みとなります。

第二新卒のデメリットは？

第二新卒者が市場にもたらすメリットは大きいですが、一方でいくつかのデメリットも存在します。これらの要点を踏まえた上で、第二新卒者を採用する際の考慮事項を見ていきましょう。

経験値が浅いと判断されがち

一般的に、第二新卒者はキャリア採用される社員と比較して、経験値が低く見られることがあります。彼らの多くは前職を1〜3年程度で離職しており、その短期間のうちに豊富な経験やマネジメントスキルを獲得するのは難しいとされています。このため、特に経験が重視される職種やポジションでは、第二新卒者の採用に慎重な姿勢を示す企業もあります。

すぐに退社するのではないかと思われる

第二新卒者は前職を短期間で離れた背景があるため、次の職場でも同様に短期間で退職するのではないかとの懸念があります。特に長期的な雇用を望む企業にとっては、この点が大きなデメリットとなる可能性があります。企業は、安定した雇用を求めているため、第二新卒者の採用に際しては、その継続性や長期的な貢献を見極める必要があります。

第二新卒に企業が求める３つの要素

第二新卒者を採用する際、企業は特定の要素を重視しています。これらの要素は、第二新卒者が企業内での役割を果たし、成長するために不可欠です。ここでは、企業が第二新卒者に求める3つの主要な要素を探ります。

社会人としての基本的なマナーや経験

第二新卒者には、社会人として必要な基本的なマナーや業務経験が求められます。これらは、彼らが入社後すぐに業務に携わり、即戦力として貢献できるかどうかを判断する上で重要です。エントリーシートの作成、選考過程でのメールコミュニケーション、面接時の振る舞いなどが、その基本的なビジネススキルの表れとなります。

新しい考え方に柔軟かどうか

企業は第二新卒者に対し、柔軟性を重視します。特に、前職のやり方に固執せず、新しい企業文化や業務内容に柔軟に適応できるかどうかが、採用の重要なポイントです。異業種への転職を考えている場合、新たな業務内容や考え方を素早く理解し、取り入れられるかが特に注目されます。

チャレンジ精神があるかどうか

第二新卒者は、その若さとエネルギーで、新しいアイデアや風を組織にもたらすことが期待されます。前職での新しいプロジェクト立ち上げやリード経験など、チャレンジ精神を示す実績は、彼らの評価を高める要因となるでしょう。

転職活動では新卒と中途採用どちらが有利か

転職市場においては、新卒採用と中途採用、それぞれが異なる特徴を持っています。中途採用は、一定の職務経験を有する社会人を対象にした採用活動を指し、新卒採用は学校を卒業したばかりの未経験者を対象にしています。それでは、これらの採用形態の中で、新卒と第二新卒はどちらが有利なのでしょうか？

新卒採用でも「第二新卒歓迎」がある

第二新卒者は、通常は中途採用の枠組みに入りますが、新卒採用においても「第二新卒歓迎」という求人が見られることがあります。このため、第二新卒者は、中途採用だけでなく、新卒採用の枠内で募集されている職を検討するのも良いでしょう。企業によっては新卒者と第二新卒者を区別せず、同じ条件で募集している場合もありますので、求人詳細や説明会での問い合わせが重要です。

まとめ

第二新卒者は、新卒採用市場と中途採用市場の両方で活躍する可能性を持っています。基本的なビジネススキルを身につけ、成長のポテンシャルと柔軟性を兼ね備えているため、企業にとって魅力的な採用候補となります。ただし、経験の浅さや短期間での離職の可能性がデメリットとして考慮されることもあります。第二新卒者が転職市場で成功するためには、自身の強みを理解し、企業が求める要素を満たすことが重要です。新卒採用市場における「第二新卒歓迎」の動向にも注意を払い、適切な戦略で転職活動を進めることが勧められます。