採用活動におけるミスマッチの原因と対策とは?近年注目されているウェルビーイング経営についても詳しく解説!

「採用のミスマッチを可能な限り減らしたい」「早期離職による採用・育成コストを無駄にしたくない」とお考えの人事・採用担当の方は多いのではないでしょうか。

「ミスマッチ」とは、企業と求職者の間に認識のズレが生じることを指します。入社後にミスマッチが起こると早期退職の原因になるため、適切な対策が欠かせません。

そこでこの記事では、ミスマッチが起こる原因や対策を解説します。近年注目されているウェルビーイング経営についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

日本の離職率

2022年に厚生労働省が公表した資料によると、新規学卒就職者の3年以内の離職率は、高校卒で35.9%、短大など卒で41.9%、大学卒で31.5%でした。この資料が示す通り、新規学卒就職者のおよそ3割は入社3年以内に離職しています。

2021年の日本全体の離職率(13.9%)と比べてみても、新規学卒就職者の離職割合は突出して高いことが分かります。若手社員の離職防止への取り組みは、企業にとって非常に重要だといえるでしょう。

離職の主な理由

若手社員の主な離職理由は「人間関係」と「入社後のミスマッチ」の2つです。それぞれを簡単に解説します。

人間関係

若手社員の離職理由として多いのが、人間関係が悪いことです。「上司と仕事の進め方が合わない」「上司からのプレッシャーを感じる」など、人間関係のストレスは仕事へのモチベーションを下げてしまいます。

周りに相談できる環境が整っていないと、若手社員は悩みを抱え込んでしまいやすく、離職のリスクが高まります。

入職後のミスマッチ

ミスマッチとは、企業と社員の間に認識のズレが生じることを指します。

「聞いていたより残業が多い」「有給休暇が取りづらい」といった労働条件の不満や、「希望とは別の部署に配属された」「仕事内容に興味が持てない」など業務内容のミスマッチも離職の理由になります。

ミスマッチが起こる原因

ミスマッチが原因で早期離職者が出た場合、企業側には約187.5万円の金銭的コストが生じるとの試算も出ています。研修や教育を担当した社員にとっては「時間が無駄になってしまった」とストレスを感じてしまいますし、早期離職者が多いと企業としてのイメージも悪くなります。

企業にとってマイナスしかないミスマッチは是非とも避けたいものですよね。まずは採用ミスマッチが起こる理由をおさえておきましょう。

入社前のイメージと入社後のギャップ

求職者に対して好印象を与えようと企業説明会や採用サイトなどで自社の良い点ばかりを伝えてしまうと、ミスマッチが起こりやすくなります。

会社の良い面しか知らずに入社することで「イメージしていた環境と違った」「聞いていた条件と違う」など、入社後にギャップを感じやすくなるためです。

面接時に見極められなかった

求める人物像や評価基準があいまいだと、面接官によって評価にばらつきが生じるため、自社に合った人材を的確に見極められません。

とくに新卒採用の場合は、学歴やインターンなどの経歴に注目してしまい、自社にマッチするパーソナリティやポテンシャルを見落としてしまうことがあります。

内定者へのフォローが充実していない

新卒採用の場合、初めて社会に出る内定者は不安だらけです。中途採用の場合も、新しい環境になじめるかといった不安があるでしょう。

内定者がどのような能力や目標を持っていて、どのように働いていきたいのかなどの確認が不十分だと、入社後のミスマッチにつながるおそれがあります。採用決定後も内定者へのフォローを行い、定期的なコミュニケーションを心がけましょう。

採用ミスマッチの対策5選

ここからは、企業が実践できるミスマッチ対策を5つご紹介します。

1.採用ターゲットを絞り込んだ採用フローの実践

学歴や保有資格、性格・価値観など採用要件を細かく設定することで、社内で共通認識ができるため、効率的な採用活動につながります。

ミスマッチを防ぐには、まず採用ターゲット(ペルソナ)を明確にしておくことが大切です。採用の目的や自社の魅力を洗い出し、どのようなスキルや能力をもつ人材を求めるのかをまとめましょう。

2.社員との交流の場を設ける

入社前に社員との交流の場を設けるのも一つの手。実際に一緒に働く社員とコミュニケーションをとることで、内定者は職場の雰囲気や社風をよりイメージしやすくなります。

具体的には、先輩社員との座談会を設ける、現場社員に面接に同席してもらう、インターン制度を導入するなどの方法があります。

3.自社の良い情報だけでなく、改善が必要な悪い面も誠実に伝える

優秀な人材を確保したいという思いから、企業側は求職者に対して良い面ばかりを伝えがちです。しかし、デメリットを隠して採用すれば、ミスマッチによる早期退職のリスクが高まります。採用活動の際は、悪い点も隠さずに伝えることが大切です。

たとえば休暇の取りやすさや産休の取得率、退職率などを数値で開示できるとよいでしょう。正確な情報を伝えることで、ミスマッチのリスクを低減できます。

4.内定者への定期的なフォロー

内定者に定期的なフォローを行うことも、ミスマッチを防ぐのに効果的です。

具体的には、内定者向けの研修を実施する、メンター制度を取り入れる、専用相談窓口を設けるといった施策があります。フォロー体制を整えて定期的にアプローチすることで、内定者の不安を取り除き、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

5.求職者に対し求める人材像や能力をあらかじめ開示しておく

会社が求めるスキルと求職者のスキルに差があると、業務を遂行するうえでミスマッチが起こることがあります。企業側は求職者に対して、求めている人物像や能力を開示しておくとよいでしょう。

ただし書面による開示に終わってしまうと、相互理解が十分になされない可能性も。選考プロセスを通じて、求職者としっかりコミュニケーションをとって認識を合わせることが大切です。

離職率を低下させ、生産性を向上させる「ウェルビーイング経営」

alt=ウェルビーイング経営を導入し、環境が整ったオフィス

近年注目されているウェルビーイング経営。離職率を低下させ、生産性を向上させるなど、企業にとって多くのメリットがある経営手法です。

ここからは、目まぐるしく移り変わる社会で生き残るために必要な「ウェルビーイング経営」について詳しく解説します。

ウェルビーイング経営とは

“well-being”の直訳は「幸福」「健康」です。WHO世界保健機関の憲章の前文では「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」(日本WHO協会仮訳)と定義されています。

つまり、ウェルビーイングとは「身体的・精神的・社会的、全てにおいて満たされている状態」を指します。

ウェルビーイング経営とは、身体的・精神的・社会的に満たされた社員を増やすことを目的とした経営戦略です。ウェルビーイング状態の社員が増えることで、個々のパフォーマンスやモチベーションが高まり、組織力の強化や業績アップにつながると考えられており、米国をはじめ欧米諸国でも取り組む企業が増えています。

ウェルビーイング経営が注目されているワケ

ウェルビーイングはもともと医療や介護分野で使われてきた言葉ですが、近年はビジネス業界でも注目を集めています。

ウェルビーイング経営が注目される主な理由は、労働人口の減少や雇用の流動化による人材不足です。企業の多くは、優秀な人材の確保を課題としています。また政府による働き方改革の推進の影響もあり、これまで以上に多様な働き方が求められるでしょう。

さらにコロナ禍によって人々の価値観や労働環境が大きく変化したことも理由のひとつです。リモートワークが普及する一方で、孤独感やストレスを抱える人も少なくありません。こういった時代の変化から、ウェルビーイング経営が注目されています。

ウェルビーイング経営のメリット

ウェルビーイング経営の実施によって得られる効果は以下の3点です。

1.社員の満足度が向上するため離職率の低下につながる

2.生産性の向上

3.職場の人間関係が円滑になる

ウェルビーイング経営の実践により、働きやすい環境が整うことで、社員の満足度だけでなく、生産性の向上も期待できます。また心身ともに満たされた社員が増えれば、社員同士のコミュニケーションが円滑に進み、職場の雰囲気もよくなります。

ウェルビーイングを意識した職場づくりは、離職のリスクを低減させることにつながり、ミスマッチ対策にも有効です。

ウェルビーイング経営を成功させるために必要なアクション

ウェルビーイング経営の実践といっても、具体的に何から手をつけたらよいのかわからない方も多いでしょう。

ここでは、ウェルビーイング経営を成功させる4つのポイントをご紹介します。

1.労働法の遵守

社員を雇う企業にとって労働法を守るのは当たり前のことです。しかし、実態は残業が多くなっていたり、有給休暇が取りづらい環境になっていたりする職場も少なくありません。

社員が心身ともに健康な状態であるためには、ワークライフバランスが大切です。まずは自社の実態と労働法を照らし合わせて、守れていない部分がないかをチェックしてみましょう。

2.社内制度の整備

福利厚生制度の見直しもウェルビーイングを高めるために有効です。

社食サービスやスキルアップ・資格取得に補助を出すなど、すべての社員が平等に使用できる環境を整えることが大切です。

3.ストレスチェック制度の実施

50人以上の社員がいる事業所では、ストレスチェックが義務づけられています。

定期的にストレスチェックを行うことで社員の状態を細かく把握できるため、ウェルビーイングを高めることにつながります。

4.ウェルビーイングを実践するツールの導入

ウェルビーイングは、あくまでも概念なので実際に定着しているかどうかの判断はしにくいもの。しかし近年では、社員のメンタルの状態やエンゲージメントなど、数値化が難しかった要素をデータ化できるさまざまなツールが登場しています。

こういったツールを導入することで、ウェルビーイングをより効率的・効果的に実践することが可能です。

ウェルビーイングを支援・実現する組織改善ツール「ラフールサーベイ」

ウェルビーイング経営を実践するためのツールとして、おすすめしたいのが「ラフールサーベイ」です。

「ラフールサーベイ」とは、人事施策の効果を定量化し、組織の課題を解決するサーベイツールです。組織の状態を可視化する上で必要な設問を網羅しており、メンタル・フィジカルの状態はもちろん、離職リスクや従業員の価値観、メンタル不調などあらゆる企業リスクを可視化できます。

サーベイを通すことで、今まで気づかなかった組織の強みや課題が発見でき、人事施策の決定に役立ちます。正確な情報のもと的確な施策が打てるため、組織の生産性向上や離職防止に効果的です。

また、サーベイの実施だけで終わらせず、プロフェッショナルによる徹底サポートが受けられるのも「ラフールサーベイ」の特徴のひとつ。活用方法から対策の選定まで、二人三脚でウェルビーイング経営に導く組織改善を行います。

詳しい機能や特徴がわかる概要資料は、以下からダウンロードできます。ウェルビーイング経営を取り入れたいとお考えの方は「ラフールサーベイ」の活用をぜひご検討ください。

https://survey.lafool.jp/

まとめ

入社後に発生するミスマッチは早期離職の原因となるため、企業にとっても求職者にとってもデメリットしかありません。

「上司と合わない」「仕事内容に興味が持てない」など、ミスマッチが起こる理由はさまざまですが、内定者へのフォロー体制を充実させたり、社員と交流の場を設けたりすることで、リスクを減らせます。

また社員を身体的・精神的・社会的に満たすウェルビーイングの考え方を経営に取り入れるのも有効です。まずは自社で発生しているミスマッチの原因を分析し、課題の特定からはじめてみましょう。

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