【徹底解説】人事システムの種類と機能|失敗しない選び方のポイント

人事業務の効率化と人材育成に役立つ人事システムは、自社に合ったものを見極めることが重要です。これから人事システムを導入したい方に向けて、人事システムの種類と機能、そして失敗しない選び方のポイントを紹介します。

自社で開発した人事システムの老朽化や、目前に迫った「2025年の崖」によって新しい人事システムを導入する企業が増えています。

また、リモートワークや時短勤務、フレックス勤務など多様な働き方が広がり、採用・育成・評価の方法など従来型の人事制度が見直されるタイミングも来ています。

この記事では、「煩雑な人事業務から脱却して業務効率化を図りたい」、「既存の人事制度を刷新したい」と考えている方向けに、自社に最適な人事システムを導入するためのポイントを解説します。

人事システムとは

人事システムとは、採用・配置や育成、評価、昇進、異動、退職まで、一人の社員が入社してから退職するまでに発生するさまざまな人事業務やマネジメントを管理するシステムです。

人事システムは、さらに導入する目的によって「人事・労務管理システム」「人事情報システム」「人事評価システム」「タレントマネジメントシステム」といったものに分かれわかれます。いずれも人事業務やマネジメントを支える役割を持つものです。

人事システムを導入する目的

人事システムの導入目的は、大きく2つに分けられます分けられます。
ひとつは、システム化による業務効率をあげること、もうひとつは、人事戦略による経営推進です。
導入を考えるきっかけとなる事例として、以下のようなものが挙げられます。

例:
・自社で開発した人事システムが老朽化した
・自社の人事システムをメンテナンスできる人材が減ってきている
・「2025年の崖」が迫っている
・紙とハンコ、エクセル管理など、従来型のツールに限界を感じるようになった
・リモートワークなど多様な働き方によって、画一的な人事労務の管理が難しくなった

人事業務の効率化

社員の採用から退職までに必要となる一連の人事プロセスには、煩雑な手続きが多くあります。人事システムを導入することでそれらを効率化し、作業工数が減ることで、本来の業務に時間を使うことができます。

例えば、以下のような手続きが人事システム上で行えます。

【入社時の例】
・入社時の雇用契約書の締結
・社会保険・健康保険・厚生年金の手続き
・給与振込口座の登録など

【入社後の例】
・源泉徴収票の出力
・年末調整
・住所変更
・結婚による苗字の変更など

これらの手続きは従来、紙で印刷、捺印、提出する方法が主流で、多くの時間が割かれていました。
さらに、近年は多様な働き方(リモートワーク、時短勤務、フレックスなど)が広がり、対面でのやりとりを行う機会が減ったため、これらの手続きが煩雑になってしまっている企業が増加しています。

人事システムを導入することで、これらの手間を省き、人事部の負担を減らすだけでなく、従業員の負担も減らし、本来の業務に従事できる時間を増やすことができます。

人為的ミスや精度のばらつきを減らす

人事労務は重要かつ細かな入力作業が求められます。エクエルや自社システムへの手入力による管理は、人為的ミスが発生するリスクがあります。また、人事評価では、評価を実施する上司によって評価のばらつきがあったり、部署によって評価が甘い部署・厳しい部署など濃淡が生まれてしまうことがあります。

人事システムの場合、入力作業はワンクリックでマスタ変更ができたり、自動入力となるため、人為的ミスの低減に繋がります。
そして、管理しやすくなることで人事評価のばらつきを抑え、よりフェアな評価が可能です。評価作業の時短にもつながり、評価者の負担も減ります。それによって評価される従業員の納得度・満足度も上がります。

効果的な人事戦略

人事評価システムやタレントマネジメントシステムを活用すれば、社員一人ひとりが所属してきた部署、評価、スキルセット、コンピテンシー(強み)、保有資格、キャリアビジョンなどを、一元管理することが可能です。
そのため、適材適所でそれぞれの社員の能力を最大限に生かす配置を、システム上で検討できます。また、従業員のエンゲージメントや満足度はもちろん、チーム・部署・組織全体の成果につながります。

様々な人事システムを紹介するイメージ写真です。

人事システムの種類

人事システムの種類は大きく3つに分けられます。それぞれ解説していきます。

人事・労務管理システム

社員の入社時・退職時に発生する各種手続きを行うシステムです。また、勤怠管理システムなど、日常的に使うシステムも含まれています。

・勤怠管理システム
・給与計算・支払いシステム

人事情報システム

社員の情報を一元管理するシステムです。
社員の情報は、氏名、住所、連絡先、入社年月日、雇用形態、役職、所属先、扶養家族・各種控除の有無など多岐に渡ります。

これらの情報が一元化されていれば、部署移動などがあってもマスタ変更するだけですべての情報が更新されます。

人事評価システム

人事評価は、職務評価、職能評価、ノーレーティング評価など、ここ数年で評価の手法が多様化しています。

人事評価システムには、従業員の目標設定、目標管理(MOB)、定期面談の記録、自己評価、360度評価の結果などを記録する機能があります。

評価で避けたいのは、「誰が評価するか」によって評価結果に差が開いてしまうことが挙げられます。人事システムによっては、過度に甘い/厳しい評価を付けがちな部署による評価をAIで自動修正する機能もあります。

タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントシステムとは、従業員に関する情報を一元管理し、企業の人材リソースを最大化させることを目的としたものです。

具体的には、「採用」「評価」「育成」などの情報管理による効率化はもちろん、人材のスキルも管理することで、人材開発と適材適所の人材配置に活用できます。

これにより、従業員の離職率を下げる効果も期待できます。

人事システムを選ぶときに考える4つのポイント

これから人事システムを導入しようと考えている方に向けて、失敗しないためのチェックポイントを解説します。

導入目的と期待する成果

まず、人事システムを導入するきっかけに立ち戻り、「導入する目的は何か、期待する成果は何か」を明らかにしておくことが重要です。
現状の課題に対して、改善に結びつくシステムを選びましょう。

また、導入のために割ける予算と、導入によって得られる大まかな費用対効果の算出ができると、社内でコンセンサスが取れやすくなります。

例えば、「人事・労務管理の業務効率化」が目的であれば、これまで人事・労務管理に費やされた工数・時間・人員数・人件費等を算出し、人事・労務管理システムを導入することによる削減効果までシミュレーションすると、人事システムの導入コストが見合うかどうか比較できます。

対応機能

対応機能は、それぞれ自社の導入目的によって、求める機能が異なります。

人事システムによっては、1つのシステム内で従業員情報管理や労務管理(勤怠・残業代計算・有給休暇管理・給与計算手続き、源泉徴収票の出力などの)から、人事評価まで複数の人事業務を一括して行うことができるシステムもあれば、オプション機能として備えているものもあります。

中小企業など予算が限られているケースは、必要な対応機能について、優先順位をつけて検討しましょう。

料金体系とサポート体制

料金体系やサポート体制は各社で異なるため、自社の予算規模に合うシステムを見極めます。具体的には以下の項目をチェックします。

  • 初期投資(登録費用)
  • 月額料金 ※従業員数による料金変動の確認
    例)30名以下は無料、100名以上は1従業員あたり〇円など
  • ベーシック料金に含まれるサービスとオプションサービスの内容確認
  • サポートの有無やサポートツールの確認
    例)チャットによるサポートデスクの有無など

料金体系によって利用できるサービスの手厚さが変わることもありますので、料金と内容についてよく確認する必要があります。

クラウドか、オンプレミスか

人事システムの導入形態は「クラウド」か「オンプレミス」の2タイプに大別されます。
それぞれの特徴は以下です。

クラウド

クラウドは、提供会社のサーバー上でシステムを借りて使用するタイプです。
メリットはアクセス権限がある従業員であれば、場所を問わず入力・編集作業ができ、リモートワークの従業員がいる場合に適しています。
また、自社サーバーが不要なため、低コストかつ短期での導入が可能です。
料金体系は月額制が多く、常に最新バージョンを入手できるといった利点があります。

デメリットは、自社に合わせたカスタマイズや自社システムとの連携ができないことです。
企業規模や導入目的によっては、カスタマイズ性が高いオンプレミスの方が良い場合があります。

オンプレミス

オンプレミスは、自社サーバーにシステムをインストールして使用するタイプです。メリットは自社でシステムを構築するため、柔軟にカスタマイズしやすいこと、また、セキュリティ面でも安全性が高いことが挙げられます。

デメリットは、サーバーをゼロから構築するため、初期投資が高額になることです。また、自社によるメンテナンスが発生するため、メンテナンスできる人材を自社で確保する必要があります。

まとめ

人事業務の効率化や人材育成に活用できる人事システムは、とても魅力的なツールであることがお分かりおわかりいただけたのではないでしょうか。

導入効果を高めるためには、システムを選ぶ際に人事・労務業務や人事制度を見直し、自社の課題を把握した上で、「何のために導入するのか」といった目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。

導入時のコストはかかりますが、最適な人事システムを導入できれば、業務効率化や人為的ミスの削減、さらに従業員のエンゲージメント向上など、多くのメリットが期待できます。

ぜひ今回紹介したポイントを参考にして、人事システムを選んでみてはいかがでしょうか。

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