企業統治とは?コーポレートガバナンス・コードをもとに取り組みを解説

ニュースや報道で耳にする「企業統治」とは、具体的にどんな取り組みなのか疑問に感じたことはありませんか?企業統治は企業の持続的な成長や価値の向上に寄与するため、取り組みを進める企業も増えています。そこで今回は企業統治について、正しい概念や目的、主な基準となるコードの紹介、強化に成功した企業事例を紹介します。企業統治について理解を深め、自社における取り組みの参考にしてください。

1. 企業統治とは?

企業統治とは企業経営を律することで不正や違反行為を防ぎ、企業価値やステークホルダーの利益を向上させる目的を持ちます。そのため企業が社会において価値を高めるためには重要な取り組みです。まずは企業統治についてさらに理解を深めるべく、企業統治の構造の変化や目的、必要性について解説していきます。

企業統治とは何?

企業統治とは、企業経営を律する枠組みでありコーポレートガバナンスとも呼ばれます。東京証券取引所が取りまとめている「コーポレートガバナンス・コード」において、コーポレードガバナンスは以下のように定められています。

コーポレートガバナンスとは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する。

https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000000xdn5.pdf

企業経営は株主や顧客・従業員・地域社会などのステークホルダーとの関わりの中で成り立ちます。そのため企業はステークホルダー全体への利益を目指した正当な経営を行うべきであり、そのために欠かせない取り組みとして企業統治が挙げられます。1960〜1970年代における日本では、企業統治の役割をメインバンクが担っていました。

メインバンクは貸出先に変化が見受けられると監視を強化し、財務的危機が表れた際には経営権を握り再建を主導しました。しかしバブル崩壊後の1990年代では資金調達として社債が選択しやすくなり、投資家から期待値が高い優良企業は社債依存が強まっていきます。そのためメインバンクに借入する企業は減少し、メインバンクが強い役割を発揮できる機会も減少していきました。現在における企業統治の役割は、様々なステークホルダーによって担われています。例えば社外人材を登用した取締役や監査役、委員会などを設立し、社外からの意見を企業経営に反映させる取り組みなどがあります。

企業統治を行う目的

企業統治を行う目的には大きく2つあります。

  • 企業の不祥事を防ぐため
  • 企業の価値や株主の利益を向上させるため

それぞれ具体的な内容を確認しましょう。

企業の不祥事を防ぐため

企業内ではない第三者による監視や管理によって企業の不祥事を防ぐ目的があります。具体的には、社外に向けた積極的な情報開示によって高い透明性を保った経営を行うことや、株主の権利を尊重し説明責任を果たし建設的な意見交換を行うことが挙げられます。客観的な視点によって監査が行われることで、不祥事の発生を確実に起こさせない狙いがあります。

企業価値や株主の利益を向上させるため

ステークホルダーの立場に立った適切な企業経営は、顧客や株主に信頼を与え社会における企業価値や収益性の向上に期待できます。そして企業価値や収益性の高い企業は株主にとって大きな利益となります。企業価値や株主の利益の向上はどちらも企業が社会で成長を続ける上で欠かせないものです。そのため企業は市場における継続的な成長を実現するために企業統治を行い、企業価値の向上や株主の利益向上を目指します。

上場企業には企業統治が必須

市場における信用度が重要である上場企業にとって、企業経営を律する枠組みである企業統治は重要な取り組みです。企業統治は企業の不祥事を防ぎ企業価値や株主の利益を増やす目的で行われるため、株主に対しポジティブなイメージを示すことができます。株主は適切な企業統治が行われている企業には安心して投資を行いやすいでしょう。上場企業は継続的発展を目指す上で適切な企業当地の取り組みが必須であると言えます。

2. 企業統治の主な基準になるコーポレートガバナンス・コードの5原則

東京証券取引所で定められている「コーポレートガバナンス・コード」は、コーポレートガバナンスの実現に向け参照すべき原則です。その内容について詳しく解説していきます。

そもそもコーポレートガバナンス・コードとは?

コーポレートガバナンス・コードとは、実効的なコーポレートガバナンスを実現するための指針として東京証券取引所が定めています。時代とともに変化する社会や経済事情を踏まえながら内容が見直され、近年では2018年6月に新たな改正内容が公表されました。企業はコードと自社の現状を照らし合わせることで、時代に即した企業統治への課題を明確にすることができます。ここからは全68の原則で構成されたコーポレートガバナンス・コードの中でも、基本原則となる5つの原則を紹介します。

基本原則①株主の権利・平等性の確保

企業にとって株主は要であるため、適切な協働や株主からの信認を実現するために権利や平等性を確保する必要があります。

具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 株主総会の通知をなるべく早い時期から開示し十分な検討期間を確保する
  • 全ての株主に向けた平等を目指し海外投資家に向けに英文での通知や情報開示を行う

基本原則②株主以外のステークホルダーとの適切な協働

企業は経営を支える従業員や顧客、取引先、地域社会など様々なステークホルダーの権利や立場を尊重する企業風土の醸成に努め、適切な協働を促進することが求められます。

具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 従業員が柔軟な働き方を実現できる制度や福利厚生の充実
  • 地域社会を巻き込んだCSRの取り組みによって活発なコミュニケーションを図る

基本原則③適切な情報開示と透明性の確保

企業は法令に基づく開示だけでなくそれ以外の情報提供にも主体的に取り組み、有用性が高くわかりやすい開示によって高い透明性を保った経営を行う必要があります。

具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 経営理念や戦略についてホームページ上や説明会において開示する
  • 財政状態や経営成績などの財務情報は誰でも理解しやすくわかりやすい内容に努める

基本原則④取締役会等の責務

取締役会において以下の点を適切に果たすことが求められます。

  • 企業戦略や計画などの開示によって企業の方向性を示す
  • 経営陣の指示や判断のもと、適切なリスクテイクを行う環境を整える
  • 経営陣や取締役に対し客観的な立場から実効性の高い監督を行う

これらの実行によって持続的成長と企業価値向上の促進を目指します。

具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 3年ごとに見直し策定した中長期計画を開示する
  • 社外監査役を設定し第三者による経営監視を有効に機能させる

基本原則⑤株主との対話

株主総会以外においても株主との建設的な対話の機会を設け、経営方針をわかりやすく伝え株主からの理解を得られるよう努力する必要があります。

具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 株主との積極的なコミュニケーションを促進する専用の窓口を設置する
  • 海外投資家への訪問やWebサイトでの情報開示など全ての株主にとって情報を把握しやすい環境を整える

3. 事例から学ぶ!企業統治の強化に成功した企業2選

事例から学ぶ!企業統治の強化に成功した企業2選

企業統治の強化に成功した2つの企業事例を紹介します。取り組みや効果をまとめたので、自社における企業統治の参考にしてください。

三井化学株式会社

総合化学メーカーである三井化学株式会社は、「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー®2019」においてWinner Companyとして表彰されました。評価されたポイントとしては、バランスの取れたコーポーレートガバナンスの取り組みが挙げられます。

具体的には、人事諮問委員会において幹部となる人材の育成計画である「サクセッションプラン」を討議し取締役や監査役など経営に携わる幹部候補者の育成に努めました。また社会的な環境問題に対し戦略的に取り組む「ESG活動」を促進し、投資家から高い評価も得ています。幅広い挑戦に取り組む企業統治によって、ROE(自己資本利益率)を4年で10%改善させる効果も発揮しています。

日本精工株式会社

精機製品メーカーである日本精工株式会社も「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー®2019」においてWinner Companyとして表彰された企業の1つです。

取り組みとしては、2004年から指名委員会等設置会社を採用し、社外における第三者の視点を取り入れた経営戦略を打ち立てました。具体的には、取締役会における独立社外取締役を3分の1以上配置することや、取締役会の実効性を外部機関から評価を受ける体制を整えます。社外からの豊富な知識や意見を積極的に取り入れ、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に努めています。

4. 社員の精神状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

「ラフールサーベイ」は、社員の精神状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

  • 部署
  • 男女
  • 職種
  • テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

5. まとめ

今回は、企業統治の概念や目的、コーポレートガバナンス・コードの紹介、強化に成功した企業事例を紹介しました。企業統治は、企業が正当かつ有益に経営を続けるために重要な取り組みです。様々なステークホルダーの利益を目指した取り組みは、社会における継続的発展につながります。まずは自社における企業統治の取り組みを振り返り、コーポレートガバナンス・コードをもとに必要な活動を検討してみましょう。

https://survey.lafool.jp/
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