働き方改革で残業時間の規定はどう変わった?残業の削減方法も紹介

働き方改革で法改正が行われた残業時間。法改正前後で規定がどのように変わったのか、理解できていない人も多いかもしれません。この記事では、働き方改革によって残業時間の規定がどのように変化したのかについて詳しく解説し、実際に残業時間を減らした企業の取り組みについて紹介します。

1. 「残業」は必ずしも法律上の時間外労働にあてはまらない?

そもそも「残業」とは何を指すのでしょうか?実は、一般的に「残業」と考えられている時間外労働時間は、法律上の時間外労働時間に当たらない可能性があります。

一般的に言われる「残業」は、会社の所定労働時間を超える時間のことです。会社の所定労働時間とは、9時出社17時退社などのように、会社で定められた労働時間のこと。その時間を超えた労働が、一般的に「残業」と呼ばれています。

一方、法律上の残業は、法定労働時間の1日8時間・週40時間を超える時間のことです。労働基準法では、1日8時間・週40時間を超えた労働を行った場合、企業は割増賃金を支払う必要があると定められています。

2019年の法改正で変更があったのは、この「時間外労働時間」に規定する内容です。なお、本記事では、「法律上の時間外労働時間」を「残業」と指しているので注意しながら読み進めてください。

2. 働き方改革による残業・36協定の変化について

それでは、働き方改革によって残業の規定がどのように変化したのでしょうか?法改正前後の内容を解説しつつ、詳しく比較していきます。

【改正前】法律上に残業の上限規制はなかった

働き方改革による法改正前は、法律上に残業の上限規制はありませんでした。労働基準法32条では、法定労働時間を1日8時間・週40時間と定めています。しかし、「36(サブロク)協定」を締結することで、1日8時間・週40時間を超える労働を命じることが可能でした。

36協定とは、所定労働時間である1日8時間・週40時間を超えて労働させたり、休日労働をさせたりする場合に、従業員の過半数の代表者、もしくは労働組合と締結する協定のこと。協定届を管轄の労働基準監督署に提出することで、労働者に残業をさせることができます。

法改正前では、36協定で定められる時間外労働時間の上限は厚生労働大臣の告示によって定められていたものの、特記条項付きで協定を結ぶことで上限規制なしで残業を行わせることが可能でした。社員の負担が大きい膨大な残業時間を削減するために、今回の法改正では残業時間の上限違反者への罰則を法律で定めています。

【改正後】残業時間の超過に対する罰則を設けた

働き方改革による改正で、実際にどのように残業時間は変化したのでしょうか?

法改正前と同様に法定労働時間は「1日8時間・週40時間」です。しかし、36協定で締結される残業時間に対して原則「月45時間・年360時間」と1日あたり約2時間程度の上限が定められました特別条項の例外として年6ヶ月まで月45時間を超える残業が認められていますが以下の条件を満たす必要があります。

・1年間の残業は720時間以内
・複数月の残業を平均すると80時間以内
・ひと月あたりの上限は100時間

また、上限を定めただけでなく、罰則の規定も追加されました。上限規制に違反した場合、6ヶ月以上の懲役または30万円以下の罰金が科されます。この罰金は違反者一人あたりの金額であるため、企業として注意する必要があります。

3. 残業の上限規制に猶予のある主な事業や業務

残業の上限規制は、2019年4月1日から大企業で施行され、2020年4月1日から中小企業でも施行されました。しかし、以下の3つの事業・業務については2024年4月1日からの施行となり、それまでの期間は上限規制の適用を除外されます。規制適用後にも例外項目があるため、合わせて解説していきます。

建設事業

上限規制が適用外となるつ目の事業は、建設事業です。2024年3月31日までは、残業時間による規制が適用されません。2024年4月1日から、上限規制が適用されます。

しかし、上限規制適用後も建設業界には例外があります。災害の復旧・復興に関する事業については、特別条項の中で以下の2項目が適用されません。

・月100時間未満
・複数月平均80時間以内

自動車運転の業務

自動車運転の業務に関しても、上限規制の適用が2024年4月1日からとなります。自動車の運転業務とは、バスやタクシー、運送トラックなどの配達業が挙げられます。

適用後は、特別条項の年間上限時間が960時間です。加えて、以下の項目の適用がありません。

・特別条項の年6ヶ月規定
・月100時間未満
・複数月平均80時間以内

医師

医師も上限規制の適用が猶予されます。2024年3月31日までは、残業時間について上限規制が適用されません。猶予後については、一般勤務医では年960時間と定められました。しかし、医師不足の地域で働く医師や研修医には年960時間の達成が困難とし、年1860時間まで認めるとしています。上限が年1860時間となる場合には、連続勤務時間の制限や勤務間インターバルを設けるなど、追加で健康確保措置を設ける規定が設けられました。

4. 残業はどうやったら減らせる?働き方改革を成功させる方法

残業はどうやったら減らせる?働き方改革を成功させる方法

残業の上限が定められたと言っても、簡単に残業時間は減らせないものですよね。残業時間の削減に力を入れているにも関わらず、なかなか減らずに悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?

ここでは、残業時間の削減に力を入れて、働き方改革を成功させた企業を3つ紹介します。これらの企業を参考に、残業時間を減らしていきましょう。

①残業削減で浮いた費用を社員に還元

オフィスビルや商業施設などの運営・管理サービスを行っている三菱地所プロパティマネジメントは社員への還元により残業時間の削減に成功しました。

残業時間を減少することで、収入の低下を心配する社員がいる可能性を考え、残業削減で浮いた費用を還元する取り組みを実施。2016年度には前年の2015年度の残業代と比較して、減った分の差額をボーナスとして還元しました。2017年度には、1億8600万円を還元しています。2018年度からは20時間分の固定残業代制度を導入。超過分もきちんと支払いを行うと社長自身が名言し、残業する場合にも安心して働ける環境を整えています。

現在では、全部門が残業20時間以下、有給取得率80%以上を達成。社員のアイディア力もアップし、更なる事業展開につながっています。

②残業チケットやペナルティを活用

3DCGを用いたアニメーションの企画制作を行っているピコナは、残業チケット制度を導入し、残業時間の削減を行いました。「残業チケット制度」とは、残業をするときにチケットが必要となるシステムのこと。ひと月あたり10枚配布されます。残業をしたい場合には、19時までに申請。最大23時まで残業することができます。

しかし、ひと月に6枚以上チケットを使ってしまうと、ペナルティとして福利厚生の「ピコナポイント」が削減されてしまいます。ピコナポイントとは、貯めることでカニ缶やチョコレートなどの食べ物や遊園地のチケットなど、豪華景品の当たるサイコロを振ることができる社内ポイント制度です。残業チケットをひと月に6枚使ってしまった場合、1日出社ごとに1ポイントが貯まるピコナポイントを5ポイント引かれてしまいます。

これらの仕組みを作った結果、残業100時間を超えることが当たり前だった職場で、1ヶ月で残業チケットを全く使わない社員が出るほどになりました。フレックスタイム制のため、現在では15時に帰宅する社員も珍しくないほど、社員の意識改革が進んでいます。

③業務を標準化してムダをなくす

「無印良品」ブランドを展開する良品計画も、残業時間の大幅な削減に成功しています。良品計画は業務の仕組み化を徹底。店舗の業務から本部の業務まで、全てにおいてマニュアルを作成し、マニュアルさえ読めば誰でも業務が行えるようにしました。仕組み化をし、仕事が見える化したことにより、仕事を他の人に任せても安心という環境が整備されています。

それに加えて、業務効率化をさらに促進するため、ノー残業デーを導入。はじめは毎週金曜日に19時退社を実施していたところから、週2回、毎日と段階的にノー残業デーを拡大していきました。その後は、退社時間を18時30分に前倒しを行っています。

これらの取り組みを行った結果、残業を削減するためのアイディアが社員から積極的に出るようになるなど、生産性向上に全社員で取り組んでいこうというように社員の意識が変化しました。習い事をして自己を磨く社員や、スポーツをしたり、家族団欒の時間を持ったりしてリフレッシュをする社員など、多くの社員の生活が充実しているようです。

5. 社員の心身の健康状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

「ラフールサーベイ」は、社員の心身の健康状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心身の健康状態を可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

141項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で141項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約84項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

・部署
・男女
・職種
・テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

6. まとめ

働き方改革により、残業時間の上限が定められました。一部の事業や業務では、上限規制が猶予されているものの、残業は月45時間・年360時間までに規制されています。残業時間を超過している場合の罰則も設けられました。残業時間削減の取り組みを行い、働き方改革を進めていきましょう。

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