アンガーマネジメントって?上司に必要な怒りのコントロール方法

怒りをコントロールする方法として注目されているアンガーマネジメント。「怒り」を上手く扱えるようになることで、仕事の効率や生産性がアップしたり、職場の人間関係が良好になることが期待されています。この記事では、アンガーマネジメントの概要や上司にアンガーマネジメントが必要とされている理由を解説するほか、実践方法やメリットなどを紹介します。

1. アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、どのようなスキルのことを指すのでしょうか?ここでは、まずアンガーマネジメントの概要や上司こそ身につけるべき理由を解説します。

アンガーマネジメントの概要

アンガーマネジメントとは、「怒り」と上手に付き合うための心理トレーニングのことです。怒りやイライラのほか、悲しみや劣等感などを自分の中で整理・コントロールし、問題解決を図るスキルを指します。

アンガーマネジメントは1970年代にアメリカで開発され、いじめや暴力などの予防教育として発展してきました。日本ではカウンセリングなどに取り入れられているほか、パワーハラスメントの防止や人間関係の向上を目的に企業でも研修が行われています。

上司にアンガーマネジメントが求められる理由

アンガーマネジメントは、上司や管理職といった企業の中で上位の立場の人にこそ習得するべきスキルとして、注目されています。

2020年6月に労働施策総合推進法が改正され、通称「パワーハラスメント防止法」と呼ばれる法律が施行されました。社会的にもパワハラの防止対策が重要視されており、防止策の1つとして、アンガーマネジメントが注目されています。

たとえば、「部下が期待する行動をしてくれなかった」などの理由から上司の怒りが生じ、その怒りをそのまま部下にぶつけてしまうことで、パワハラにつながってしまうことが多いです。パワハラが横行している職場は、社員が働きづらく感じるため、生産性が低下している傾向があります。そのため、部下を持つ上司はパワハラを防ぐために、イライラを一旦落ち着かせ、コントロールしてから部下と接することが求められます。

2. 「怒り」を押さえ込むのではなく、コントロールする

そもそも「怒り」とはどのように生まれるのでしょうか?ここでは心理学の側面から、怒りという感情について解説していきます。

「怒り」は防衛本能であり、感情自体は悪いものではない

「怒り」は価値観や信念、自尊心を守る目的や、危険を回避する目的のために表れる感情です。つまり、怒りは防衛本能であり、感情自体は悪いものではありません。

防衛本能であるため、「怒り」を完全に排除することは不可能です。アンガーマネジメントの基本にも「必要ならば怒ってもいい」という考え方があります。怒りの感情を抑え込まず、上手に怒るテクニックを身につけることが必要なのです。

心理学から見る「怒り」

心理学的側面では、怒りは第二次感情と言われています。第二次感情とは、第一次感情の蓄積によって表れる感情のことです。「怒り」の前には、不安や、苦しい、恐怖、悲しい、寂しいなどのネガティブな第一次感情があります。第一次感情が蓄積されることによって「怒り」という第二次感情が生まれるという仕組みです。

これをコップの水に例えると、まず第一次感情がコップに溜まっていき、満杯になった後に第二次感情として、怒りがコップの外に溢れ出すイメージです。そもそもコップの大きさは人によって異なりますし、日々のコンディションによっても変わります。アンガーマネジメントを身につけることで、コップを大きくしたり、溢れる前に自分でコップの水を抜いたりすることができるようになります。

3.  職場でできる!4つのアンガーマネジメントの実践方法

職場でできる!4つのアンガーマネジメントの実践方法

職場で怒りの感情が湧いてきたのを感じたら、どのように対応すればよいのでしょうか?ここでは、職場で簡単にできるアンガーマネジメントの方法を4つ紹介します。

アンガーマネジメント法①「6秒ルール」を意識する

職場でできるアンガーマネジメントの方法1つ目として、「6秒ルール」を意識しましょう。「6秒ルール」とは、イライラを感じてから6秒間、怒りを外に出さずに待つ方法です。

そもそも、人が「怒り」を感じたとき、怒りのピークは6秒と言われています。イライラを感じたときにアドレナリンが活性化し、6秒間で体内を巡ります。そのため、6秒待つことで怒りのピークを過ぎ、徐々に落ち着きを取り戻せます。

具体的な実践方法は、イライラしたら「6秒間のカウント」を意識しましょう。1から順番にカウントするのは簡単すぎるので、100からカウントダウンしたり、2の倍数をカウントしたりするなど、数えることに集中できるようなカウントをするのがおすすめです。

アンガーマネジメント法②しょうがないことは割り切る

アンガーマネジメントの2つ目は、自分の力ではどうにもならないことは割り切るという方法です。「怒り」を外に出しても、それが解決できないこともあります。

たとえば満員電車でイライラしても、乗っている乗客が少なくなるわけではありません。このように、どうにもならないことを思い悩んだり、イライラしたりするのは、自ら進んでストレスを抱え込んでいるようなもの。仕方のないことは割り切って、自分ができることに集中して取り組むようにしましょう。

アンガーマネジメント法③怒りを点数化する

怒りを点数化するのもアンガーマネジメントの効果的な方法です。点数をつける場合には、0を平常心、10を人生で最も怒ったときの怒りと設定します。今までの怒りレベルと比較しながら、評価点をつけていきましょう。

自分の怒りを評価することで、冷静になるきっかけにもなります。客観的に自分の怒りを見つめることもできるので、怒りの点数化を習慣にするのもおすすめです。

アンガーマネジメント法④深呼吸する

アンガーマネジメントの4つ目は、深呼吸をすることです。「怒り」は交感神経が高ぶっている状態ですが、深呼吸をすることで副交感神経の働きが高まっていき、「怒り」を沈めることができるでしょう。

深呼吸はカウントなどはする必要はなく、深く息を吸って、少し止めてからゆっくり吐き出すだけでOKです。深呼吸には体や心を休める効果もあるので、日常的に行っていくとイライラを感じにくくなります。

4. アンガーマネジメントを研修に組み込むメリット

アンガーマネジメントは、個人が学び実践するメリットもありますが、企業が研修に組み込むことによるメリットもあります。ここでは、研修にアンガーマネジメントを組み込むメリット3つを紹介します。

生産性の向上

アンガーマネジメント研修を行うことで、生産性の向上が期待できます。怒りの感情は厄介なもので、イライラしているときには集中力ややる気が低下する原因になります。アンガーマネジメントによって「怒り」をコントロールできるようになることで、集中力の欠如ややる気の低下を防ぐことが可能です。非効率の原因を減らすことで、結果的に生産性の向上につながるでしょう。

離職率の低下

アンガーマネジメントの研修を行うことで、離職率が低下するメリットもあります。上司が「怒り」を感情のままにぶつけてしまったり、怒鳴りつけるような怒り方をしたりすると、部下のモチベーションは低下してしまい、離職の原因になります。イライラを上手くコントロールすることができるようになれば、社員間のコミュニケーションの質を高めることが可能です。アンガーマネジメントを全社員が意識することで、働きやすい職場環境に改善されるため、結果的に離職率を下げられるでしょう。

人間関係の改善

職場の人間関係が良好になることも、アンガーマネジメント研修のメリットです。どのような関係であっても、「怒り」を感情のままにぶつけてしまえば人間関係は悪化してしまいます。怒りを抑え込み過ぎても、問題を解決するきっかけを得られなかったり、不信感を抱く原因になるでしょう。

アンガーマネジメントは怒りをむやみにぶつけたり、抱え込んだりすることなく、冷静に自分の気持ちを伝えるスキルとして役立ちます。上司や部下、同僚などとも風通しのよい人間関係が築けるようになり、職場の人間関係が改善が期待できるでしょう。

5. 社員の精神状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

ラフールサーベイ」は、社員の精神状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

154項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

  • 部署
  • 男女
  • 職種
  • テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

6. まとめ

アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情をコントロールする方法です。アンガーマネジメントを行うことで、ハラスメントの防止や、離職率の低下につながるほか、生産性や人間関係の向上も期待できます。職場でも簡単にできるアンガーマネジメントの方法を身につけ、より心地よく過ごせる環境を作っていきましょう。

https://survey.lafool.jp/
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