「優秀な社員が次々と辞めてしまう」「採用してもすぐに離職されてしまう」といった悩みを抱えていませんか?離職率の高さは、コストの増大や企業イメージの悪化など、経営に深刻なダメージを与えかねません。 本記事では、離職が起こる主な原因と予兆を解説し、今すぐ取り組める10の具体的な改善策と成功事例を紹介します。組織の定着率を高め、強い組織を作るためのヒントとしてぜひお役立てください。
1. 離職率の高さが企業にもたらすリスクと対策の必要性
離職率が高い状態を放置すると、企業経営においてどのような不都合が生じるのでしょうか。まずは、離職率改善がなぜ必要なのか、そのリスクと理由を具体的に解説します
人材の流出による生産性の低下
離職者が増えると、残された従業員一人あたりの業務量が増加し、生産性が低下します。さらにこの状況が続けば、過重労働によるモチベーションの低下を招きます。これがさらなる離職を生む「負のスパイラル」に陥るケースも少なくありません。
また、社内で信頼されていた優秀な人材(ハイパフォーマー)が離職すると、周囲の社員に「あの人が見切りをつけた会社には未来がないのでは」という不安を与えてしまいます。その結果、心理的な動揺が広がり、次々と退職が続く連鎖退職を引き起こすリスクが高まります。
採用・教育コストの肥大化と既存社員への負担増
離職率が高いと、常に新しい人材を獲得・育成し続けなければならず、膨大なコストが発生します。
新たな人材を採用するには、求人広告費やエージェントへの紹介手数料、説明会や面接にかかる人件費が必要です。離職率の高さが口コミなどで広まっている場合、応募を集めるためにより多くの広告費を投じる必要が出てくるでしょう。
さらに、採用後の教育コストも無視できません。新人が定着せずに辞めてしまうと、教育にかけた時間と労力が無駄になるだけでなく、指導役の社員が「教えてもすぐ辞める」という徒労感から疲弊してしまいます。最悪の場合、教育係を担う中堅・ベテラン層の離職につながる恐れもあります。
企業のイメージ悪化
高い離職率は、「ブラック企業」「社員を大切にしない会社」といったネガティブなイメージに直結します。
近年、企業の離職率や評判はインターネットやSNSですぐに拡散・検索されます。企業の印象が悪化すれば、優秀な人材からは敬遠され、採用難易度がさらに上がってしまいます。
また厚生労働省の調査によると、新卒就職者の就職後3年以内の離職率は、高卒で37.9%、大卒で33.8%となっています。求職者はこれらの平均値を基準に企業を選定しているため、自社の離職率がこの基準を上回る場合、採用ブランディング上の大きなリスクとなります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」

2. 離職の主な原因と予兆|辞める可能性が高い社員のサイン
効果的な対策を打つためには、まず「なぜ社員が辞めるのか」を知る必要があります。ここでは代表的な離職理由と、離職を検討している社員が発するサインについて解説します。
従業員の離職理由として多い4つの要素
1. 労働条件への不満(賃金・労働時間・休日)
労働条件とは、働く上での基礎的な契約内容です。「業務量に対して給与が見合わない」「サービス残業が常態化している」「有給休暇が取れない」といった不満は、もっとも直接的な離職理由となります。
近年は働き方改革の影響もあり、ワークライフバランスが確保できない環境は特に敬遠される傾向にあります。
2. 人間関係のストレス(上司・同僚・風土)
退職理由の本音として常に上位に挙がるのが人間関係です。特に、直属の上司に対して「相談しづらい」「理不尽な指示がある」といったストレスを抱えるケースが目立ちます。
心理的安全性が低く、言いたいことが言えない職場環境や、ハラスメントが横行しているような職場では、社員が精神的な限界を迎え、離職を選択してしまうでしょう。
3. 将来への不安(評価・キャリア・会社の将来性)
「この会社にいても成長できない」「正当に評価されない」と感じた時、優秀な人材ほど見切りをつけるのが早くなります。キャリアパスが不明確で、5年後、10年後の自分が想像できない職場ではモチベーションを維持できません。
また、会社の業績不振や業界自体の縮小も、将来への不安から離職を選ぶ要因となります。
4. ライフイベントとの両立困難(育児・介護)
育児や介護といったライフイベントに直面した際、柔軟な働き方ができない企業では退職を余儀なくされます。「働き続けたい」という意欲があっても、時短勤務やテレワークなどの制度が整っていない、あるいは制度があっても利用しづらい雰囲気がある場合、社員は離職を選択せざるを得ません。
【重要】離職を検討している社員が発する具体的なサイン
離職を考えている社員は、退職を申し出る前に何らかの予兆を見せることがあります。以下のサインにいち早く気づき、フォローすることが重要です。
- コミュニケーションの減少
会議での発言が減る、雑談に参加しなくなる、ランチに誘っても断るようになる。 - 勤怠の変化
遅刻や早退、突発的な有給休暇(半休など)が増える。これは転職活動の面接に行っている可能性があります。 - 不満を言わなくなる
以前は改善提案や不満を口にしていた社員が、急に大人しくなるのは「言っても無駄だ」と諦め、退職を決意したサインかもしれません。 - 長期的な仕事への関心が薄れる
数ヶ月先、半年先のプロジェクトの話に対して反応が鈍くなる。 - 身の回りの整理
デスクの私物を持ち帰る、データの整理を始めるといった行動が見られる。
3. 離職率改善に成功した企業の事例
リモートワークの活用で労働生産性を向上|NTTドコモビジネス
通信サービスを提供するNTTドコモビジネスでは「リモートスタンダード制度」を導入しています。リモートワークを基本とする業務運営が可能なグループの社員を対象として、社員が自宅で勤務できる制度です。
会社への通勤圏内に居住する必要はなく、出社時には交通費が支給されるため、ライフワークバランスがとりやすくなっています。またリモートワークを基本とした働き方により、転勤や単身赴任をせずとも働き続けることが可能となります。
動物OKなオフィスでコミュニケーションを促進|株式会社PETOKOTO
職場のコミュニケーション促進に向け、ユニークなオフィスを構える会社があります。ペット関連サービスの開発・運営を行う株式会社PETOKOTOでは、人間とペットが共に生きるペットフレンドリーオフィスを完成させました。
両者が共存しながらも人間は仕事に集中でき、ペットにとってはストレスがかからない居場所やルールを設定しています。このようなペットフレンドリーな職場環境は、ペットを介して他の従業員と交流する機会が増えコミュニケーションが活性化されます。また自身のペットを職場に同伴できることで、安心して業務に集中することができ、社員エンゲージメントの向上にもつながります。
4. 離職率を改善する具体的な10の対策

ここからは、離職率を下げるために企業が取り組むべき具体的な10の施策を紹介します。
(1) 労働条件・評価制度の公平な見直しと透明化
賃金や評価に対する不満は、離職につながる大きな要因です。
まずは自社の給与水準が業界平均と比較して適正かを見直しましょう。その上で、評価制度の透明性を高めることが重要です。「何をすれば評価され、給与が上がるのか」が明確であれば、従業員の納得感とモチベーションは向上します。
(2) 1on1の実施と社内コミュニケーションの活性化
上記に加え、離職理由の大きな要因のひとつとして挙げられるのが職場の人間関係です。人間関係の不満を解消するには、質の高いコミュニケーションが不可欠です。
上司と部下が定期的に対話する「1on1ミーティング」を導入し、業務の進捗だけでなく、悩みやキャリアについて話せる場を設けましょう。また、リモートワーク下でもチャットツールやオンラインイベントを活用し、孤立感を防ぐ工夫が求められます。
(3) 働き方(勤務形態)の多様化と柔軟な対応
リモートワークやフレックスタイム制の導入は、離職率改善に直結します。場所や時間にとらわれない働き方は、育児・介護中の社員だけでなく、全社員のワークライフバランスを向上させます。
また、有給休暇の取得推奨日を設けるなど、制度があるだけでなく「実際に休みやすい雰囲気」を作ることが大切です。
(4) キャリアパス設計とスキルアップのための教育体制整備
社員が自社での将来像を描けるよう、明確なキャリアパスを提示しましょう。スペシャリストを目指すのか、マネジメントを目指すのか、複線的なキャリアコースを用意するのが理想です。
また、資格取得支援や外部研修への参加補助など、成長を支援する教育体制に投資することで、企業のエンゲージメント向上にも大きく寄与します。
(5) 上司(マネージャー)のマネジメントスキル育成
上司と部下の人間関係の問題を解決するには、上司のマネジメントスキルの育成が重要となります。上司が正しいマネジメントスキルを身につけることで、上司と部下の良好なコミュニケーションや人間関係が可能となり、部下が働きやすい環境を作ることができます。
部下の話を聴く傾聴力やコーチングスキル、適切なフィードバックの方法などを学ぶ研修を実施しましょう。上司が変われば職場の雰囲気は劇的に改善し、部下の定着率は向上します。
(6) 福利厚生の充実と休暇取得の推進
福利厚生が充実していると、離職率の低下につながります。
福利厚生は、会社から受けられる賃金以外の報酬・サービスであり、住宅手当や食事補助、リフレッシュ休暇など、従業員の生活をサポートする制度は満足度を高めます。他社にはないユニークな福利厚生を導入することも、帰属意識を高める有効な手段です。
(7) ハラスメント対策と相談窓口の明確化
心理的安全性を確保するため、ハラスメントは決して許さないという姿勢をトップが示しましょう。その上で、コンプライアンス研修を定期的に実施し、万が一の際に安心して相談できる社内外の窓口(ホットライン)を設置・周知することが必須です。
(8) オンボーディングの強化と入社後のフォロー
入社直後は最も不安が高まる時期です。早期離職を防ぐため、入社後の定着支援(オンボーディング)を強化しましょう。業務レクチャーだけでなく、社内ルールの共有や同僚とのランチ会設定など、組織に馴染むための手厚いサポートを行うことで、新入社員の心理的負担を軽減できます。
(9) 退職予備軍の特定と早期介入のためのサーベイ導入
定期的に従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)やパルスサーベイを実施し、組織の状態を定点観測しましょう。
スコアが低下している部署や個人を早期に発見できれば、面談を行うなどのフォローが可能になり、退職を決意する前に食い止めることができます。
(10) 客観的なデータに基づく採用・配置ミスマッチの削減
「入社してみたらイメージと違った」という採用ミスマッチを防ぐため、採用段階で自社の良い面だけでなく、大変な面も正直に伝えることが有効です。
また、適性検査などのデータを活用し、感覚に頼らない客観的な配置を行うことで、入社後のミスマッチを減らせます。
5. データに基づき離職を防ぐツール「テキカク」の活用方法
離職率改善には、経験や勘だけでなく客観的なデータ活用が近道です。ここでは、組織改善ツール「テキカク」を活用したアプローチを紹介します。
テキカクとは、企業が目指す組織形成のために必要な人材タイプを解析し、求職者が欲しい人材と合っているかどうかをAIが算出してくれるツールです。
現在の組織にフィットするかどうかを「フィット人材」として示してくれます。また、未来の組織形成に貢献する可能性を「貢献度予想」として算出します。
組織・人材データを活用し、早期離職・配置ミス・マネジメントコストの削減を解決!
必要な人材と求職者のタイプがマッチすることで、入社後の低パフォーマンスの防止や早期離職の低減につながり、組織の目指す方向へと進んでいけるため組織力の向上が可能となります。
テキカクの特徴①サーベイで蓄積された組織と人材のデータを活用
ラフールが開発する組織改善ツール「ラフールサーベイ」は導入者数1,600社、総データ数1億となっています。テキカクはこのラフールサーベイの蓄積された組織と人材のビッグデータを活用しています。網羅性のある設問回答データにより、いま/ミライでの組織と人材との確度の高いマッチ度算出が可能となっています。
テキカクの特徴②心理学×データ×AIで導かれた分析
設問設計や特性定義は“Big Five personality traits”など、心理学的に有力な理論をベースに行っています。また、応募者が意図して回答できないような設問設計も考慮しています。さらに、ビッグデータ解析にAIを活用し、テキカクならではのアウトプットを実現しています。
詳しくはこちら→ミライ適性検査「テキカク」
まとめ
離職率の改善は、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。しかし、労働条件の見直し、コミュニケーションの活性化、そしてデータに基づいた採用・配置など、できることから着実に取り組むことで、組織は確実に変わります。
離職率は、組織の健康状態を示すバロメーターです。まずは自社の離職原因がどこにあるのか、従業員の声やデータに耳を傾けることから始めてみましょう。社員が「働き続けたい」と思える環境を作ることは、企業の持続的な成長への最大の投資となります。


