離職率を改善したい!離職理由と離職を防ぐための対策

「離職率ってどうしたら抑えられるんだろう」
「どんな取り組みが効果的なのか知っておきたい」

離職率の抑制に取り組む際に、このように悩んだことはありませんか?

高い離職率は企業イメージや生産性低下を招く恐れがあるため、なるべく確実に抑制していきたいものです。そこで今回は離職率に関して、日本における離職率の現状や抑制すべき理由、改善方法を紹介します。離職率の抑制に取り組む方はぜひ参考にしてください。

統計データからみる日本の離職率

離職率とは

離職率とは、「常用労働者数に対する離職者の割合」と厚生労働省は定義しています。

常用労働者数とは、次のいずれかに該当する労働者を指します。

  1. 期間を定めずに雇われている者 
  2. 1か月以上の期間を定めて雇われている者

つまり、離職率は、①②のいずれかに該当する労働者に対して退職または解雇した人の割合のことです。

離職率の統計データ

離職率は、次の計算式によって求められます。

離職率=離職者数/1月1日現在の常用労働者数×100

令和3年度の離職率は13.9%であり、一般労働者の離職率は11.1%、パートタイム労働者は21.3%でした。

また、産業別の離職率のトップ3は宿泊業・飲食サービス業が25.6%、生活関連サービス業・娯楽業が22.3%、サービス業(他に分類されないもの)が18.7%とサービス業において高くなっていました。

離職率改善が必要な理由

離職率が高いと、どんな不都合が生じるのでしょうか。離職率改善が必要な理由を一つずつ見ていきましょう。

企業の印象がが悪くなる

離職率が高いと、「この企業の職場環境には問題があるのでは?」「社員を大切にしない会社なのでは?」というイメージを持たれてしまいます。

企業の離職率や評判はインターネットで簡単に検索できるため、業績や人材採用に対する影響は無視できません。企業の印象が悪くなると、求職者から避けられてしまい、優秀な人材も来ないため、新たな人材採用ができなくなってしまいます。

求職者が企業に対する悪いイメージを持つ基準として、次のようなものが挙げられます。

  • 離職率が30%以上で平均勤続年数が10年以下
  • 新卒3年後の離職率が30%以上

これは、厚生労働省が公表した新卒3年後の離職率の平均が約30%であり、国税庁が公表した全体の平均勤続年数が約12年であることから、これを基準に就職・転職活動を行っているようです。

人材採用や教育コストが余計にかかってしまう

離職率が高いと、人材の獲得や育成に多くのコストが発生します。

新たな人材を採用する際には、求人広告や人材紹介手数料などの経費、採用・面接・教育に携わる人件費など多くのコストがかかります。

高い離職率によって企業が良いイメージを持たれていない場合には、より多くの求人広告や人材紹介を発注し人材に選んでもらう取り組みが必要となります。また、新しい人材を採用しても、離職によってまた新たなコストが繰り返し発生してしまいます。

離職率が高いと、新しい人材の教育コストもかかってきます。

離職が多いと、新しい人材を採用し続けることになり、新人に仕事を教え続けなければいけない状況に教育係が疲弊してしまいます。最悪の場合、マネジメントに携わる優秀な人材が辞めてしまうこともあります。

さらに離職者が増える可能性がある

離職が多いと、残された従業員の業務量の増加やモチベーションの低下により、さらに離職者が増えることがあります。また、仕事のできる人が離職すると、「仕事のできる人があの人が見切りをつけた」という思いから仕事へのモチベーションが下がり、次々と退職していく「連鎖退職」を引き起こしてしまうこともあります。

離職理由として多いのは何?

離職理由として多いのはどんな理由でしょうか。一つずつ見ていきましょう。

労働条件が悪い

労働条件とは、賃金・労働時間・休日など働く上での条件を指します。

プライベートの時間を確保できない、働きに見合った賃金が得られない、有給が取りにくい、長時間労働やサービス残業があるといったことに不満を感じると、離職につながりやすくなります。

働き方改革により、近年はワークライフバランスが重視されつつあり、プライベートな時間が確保できるかどうかということは特に重要とされる傾向にあるようです。

社内の人間関係が好ましくない

離職理由として、最も多いとされるのが、人間関係です。

特に、上司や先輩に対して「相談しづらい」「言いたいことが言いにくい」といったストレスを抱えることが多いようです。コミュニケーション不足により、社内で円滑なコミュニケーションが行われていないと、自身の意見を発信しにくく、困った時には気軽に相談ができないような、協業体制に欠けた職場となります。

ハラスメントがあることもあり、精神的負担にもなりやすい人間関係の悩みは、職場を離れるきっかけになりやすいでしょう。

将来が不安

会社の業績や将来性、また、自分自身の将来について不安を感じている場合も、離職につながりやすいです。

やりがいを感じられない、スキルアップが見込めないなどの理由で離職することもあります。成長を実感できない職場では社員のモチベーションは上がりません。例えばキャリアパスが不明確な職場では意欲的に働けず、日々の業務にやりがいが見出しにくいでしょう。達成感や成長を感じられない場合、他の職場での活躍を検討することにつながります。

また、年収アップが望めない、評価に不満があるなどが離職理由となることもあります。

育児・介護などで仕事を続けられない

育児や介護を行う社員は仕事との両立を思うようにできないため離職を選ぶ場合があります。

働き続けたい気持ちがあったとしても時間や体力の問題がネックとなり、仕方なく退職を決める方もいるでしょう。育児や介護などのライフイベントは誰にでもありうるため、仕事との両立が望まれています。

離職を防ぐ対策

対策方法の文字

それでは、離職を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。その対策をピックアップしました。

賃金・評価制度を見直す

賃金や評価に対する不満が離職につながることもあり、賃金・評価制度が適正かどうか見直す必要があります。従業員に対し、現状に不満がないかどうかのヒアリングも行いましょう。

休暇取得の励行

有給が取りにくいことも離職の原因になります。休暇取得の励行をしっかりと実施することが大切です。有給休暇の制度があるのに、休暇を取得できないケースがないかも確認しましょう。

福利厚生の充実

福利厚生が充実していると、離職率の低下につながります。福利厚生は、会社から受けられる賃金以外の報酬・サービスであり、従業員満足度が高ます。結果的に、離職率を低下させることができます。

社内コミュニケーションの活性化

人間関係のストレスが離職理由のトップであり、社内コミュニケーションの活性化は非常に重要です。社員同士の交流を促進するイベント企画や、リモートでも積極的に交流を図るなど、コミュニケーションが活性化するような環境を整えることが大切となります。

働き方を多様化

リモートワークの活用によって柔軟な働き方を実現すると良いでしょう。リモートワークの導入は会社から離れた場所での勤務を可能とし、社員にとってはプライベート時間を確保しやすいことから働きやすさを感じられ、業務効率向上に期待できます。

上司のマネジメントスキルの育成

上司との人間関係の問題を解決するには、上司のマネジメントスキルの育成が重要となります。上司が正しいマネジメントスキルを身につけることで、上司と部下の良好なコミュニケーションや人間関係が可能となり、部下が働きやすい環境を作ることができます。

教育体制を整える

スキルアップに対する不満も離職につながります。この不満を生じさせないためには、研修やワークショップなどの学びの機会を設けることが大切です。各従業員が自身に合った研修を受けることで、従業員のスキルアップやモチベーション維持につながります。

離職率が低下した実例

リモートワークの活用で労働生産性を向上

通信サービスを提供するNTTコミュニケーションズではリモートワークによって社員が業務に集中でき、今後の生産性向上が見込まれています。

具体的な運用方法としては、在宅勤務を原則とし従業員の約8割が出社をせずに毎日テレワークで業務を行っています。

メリットとしては、家族との時間が増えプライベートの充実を図れたことや、集中力が必要な業務には適切な環境であり業務効率や生産性の向上に期待できることが判明しました。

注意点としては、プライベートと勤務時間を明確に分け家族と共有しておくことが重要です。それぞれの時間の設定によってプライベートと仕事を両立できる環境が整います。

動物OKなオフィスでコミュニケーションを促進

職場のコミュニケーション促進に向け、ユニークなオフィスを構える会社があります。

ペット関連サービスの開発・運営を行う株式会社シロップでは、人間とペットが共に生きるペットフレンドリーオフィスを完成させました。

両者が共存しながらも人間は仕事に集中でき、ペットにとってはストレスがかからない居場所やルールを設定しています。このようなペットフレンドリーな職場環境は、ペットを介して他の従業員と交流する機会が増えコミュニケーションが活性化されます。

また「従業員のやる気向上」や「ストレス軽減」が調査結果としても報告されており、職場の士気が高まる効果にも期待できるでしょう。注意点としては、本来の業務に支障が起こらないよう配慮することやペットにとって過ごしやすい環境の設計が必要です。

実力や能力があれば誰でも昇進チャレンジできる風土に

世界的アパレルメーカーのH&Mでは決められたキャリアパスを設定せず社員個々の積極性や主体性を奨励しています。

H&Mでは個々の職責の全うがH&Mの成功に貢献するという価値観のもと、社員の手本として先頭に立つリーダーがいます。リーダーはトレーニングやコーチングを通し、相手が持つ潜在的な能力を引き出し成長させる能力開発を行い、社員の積極性や主体性を育成するのです。

主体性を持った働きには気づきが多く、成長を実感できる職場として離職を抑えることにつながるでしょう。

サポート体制を充実させて誰でも働きやすい環境を提供

自動車関連製品を扱う株式会社コムテックでは、誰でも働きやすい職場環境を整え仕事とプライベートの両立を促進しています。

目的としては社員が安心して働き続けられる職場風土の醸成を掲げ、多くの社員が出産・育児関連の支援制度を活用できるよう取り組んでいるのです。

例えば、産前産後休暇や育児休暇はもちろん、短時間勤務や深夜業の制限などその人に適切な働き方を制度として設定しサポートを行っています。また、育児介護休業中の社員へは能力開発向上のための研修メニューを用意し、休業後も引き続き活躍できる機会を提供しています。

離職率の抑制に役立つツール「テキカク」

テキカクとは、企業が目指す組織形成のために必要な人材タイプを解析し、求職者が欲しい人材と合っているかどうかをAIが算出してくれるツールです。

組織の「いま」と「ミライ」に対して求職者が合うかどうかを示す

現在の組織にフィットするかどうかを「フィット人材」として示してくれます。また、未来の組織形成に貢献する可能性を「貢献度予想」として算出します。

テキカクが解決できる課題

必要な人材と求職者のタイプがマッチすることで、入社後の低パフォーマンスの防止や早期離職の低減につながり、組織の目指す方向へと進んでいけるため組織力の向上が可能となります。

テキカクの特徴①サーベイで蓄積された組織と人材のデータを活用

ラフールが開発する組織改善ツール「ラフールサーベイ」は導入者数1,600社、総データ数1億となっています。テキカクはこのラフールサーベイの蓄積された組織と人材のビッグデータを活用しています。網羅性のある設問回答データにより、いま/ミライでの組織と人材との確度の高いマッチ度算出が可能となっています。

テキカクの特徴②心理学×データ×AIで導かれた分析

設問設計や特性定義は“Big Five personality traits”など、心理学的に有力な理論をベースに行っています。また、応募者が意図して回答できないような設問設計も考慮しています。さらに、ビッグデータ解析にAIを活用し、テキカクならではのアウトプットを実現しています。

詳しくはこちら→ミライ適性検査「テキカク」

まとめ

今回は離職率に関して、日本における離職率の現状や抑制すべき理由、対策を紹介しました。高い離職率の改善は、生産性向上や企業イメージの向上につながる重要な取り組みです。より効果的な取り組みを行うには、高い離職率の原因を明確に捉える必要があります。個々の社員が抱える不安や不満を汲み取り、適切な改善方法に取り組んでみましょう。

https://tekikaku.lafool.jp/
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