成果を上げるチーム作りに欠かせない、チームビルディングという取り組みをご存知ですか?チームメンバー1人ひとりの特性を引き伸ばし協力することで最大限の成果を上げる、そんなチーム作りができたら管理職として誇らしいですよね。
しかし
「チームビルディングってそもそも何?」
「具体的な取り組みや事例を知りたい」
という方も多くいらっしゃるかもしれません。
そこで今回はチームビルディングの目的や現場で取り入れやすい事例を具体的に紹介します。10分ほどで読めるよう簡潔にまとめましたので、チームビルディングについて改めて知識を深めたい方はぜひ参考にしてくださいね。
1.チームビルディングとは
チームビルディングとは「チームを作り上げる」という意味を指し、企業において成果を上げるチーム作りを目指した取り組みです。具体的には、個々の能力やスキル、経験を最大限に発揮できるようなチーム環境を整え、互いに刺激し合い協力し合うことで大きな成果を生み出すチームを築き上げることを指します。
2.属性別チームビルディングの目的
チームビルディングの目的は、チームメンバーそれぞれの強みや弱みを認め合い、目標を共有することでパフォーマンスを上げることにあります。企業に属する人すべてを対象とした取り組みですが、立場や役職によってそれぞれに適した目的もあります。属性ごとの目的を具体的に見ていきましょう。
内定者・新入社員
内定者や新入社員を対象とする場合のチームビルディングの目的は、主体性を身につけることです。これから初めて社会に出る内定者や新入社員にまず身につけて欲しいのが業務に取り組む姿勢であり、主体性を持つことで様々な経験から学びや成長が得られるためです。またメンバーと共に活動することでチーム間のコミュニケーションスキルを学び、社会人の基本を身につけることも目的とされています。
ロワーマネジメント層にあたる中堅社員
ロワーマネジメント層とは現場をまとめる役割であるチームリーダーや現場監督などの中堅社員の層を指します。そのためチームビルディングの目的は、リーダーの役割として人材育成やチームの管理能力を身につけることです。またチームとして最大の成果を上げるために、目標に対する取り組み方の決定や、現状と照らし合わせた柔軟な対応など幅広いスキルを身につけることも目的とされています。
ミドルマネジメント層にあたる管理職
ミドルマネジメント層とはトップマネジメント層とロワーマネジメント層の間に立つ役割を担う、中間管理職と呼ばれる層を指します。この場合のチームビルディングの目的は、組織のトップの意向を中堅社員に伝達する際に同じ方向性を向ける体制づくりとなります。部署や役職が異なるとその間に壁が生まれやすいため、そういった障壁が生まれないよう組織全体が同じ方向を向いて目標を目指す体勢を整える必要があります。
トップマネジメント層にあたる経営者・経営陣
トップマネジメント層とは経営者や経営幹部など組織のトップに位置する層を指します。この層へのチームビルディングの目的は、トップとして組織のビジョンを共有し全体で団結し取り組めるよう運営することです。自らが動き組織を牽制し統制する能力や、そのためにメンバー個々の意識を合わせるスキルを身につける目的もあります。
3.段階を意識するチームビルディング タックマンモデルとは
効果的なチームビルディングに取り組むためには「タックマンモデル」と呼ばれる5の発展段階を踏むことがポイントになります。「タックマンモデル」とは心理学者のタックマン氏が唱えたチームビルディングにおけるメカニズムを指します。その内容はチームは5つのステップを経て効果的なチームになるという考え方です。その5つのステップがこちらです。
・形成期
・混乱期
・統一期
・機能期
・散会期
1つずつ具体例を併せて紹介します。
形成期
形成期とは、チームとして動き出し始める最初の期間を指します。この期間では集められたメンバーはお互いのことをまだ把握しきれていない状況であり、チームとしての目標もメンバーに浸透していません。この形成期に意識するポイントとしてはメンバーがお互いを知ろうとすること。例えば、気軽な交流会や飲み会の開催、アクティビティやゲームに共に取り組むなど様々な機会を設けコミュニケーションの場を増やすよう行動します。互いの違いや特性を把握することはもちろん、緊張感や遠慮がちな姿勢を緩和する狙いもあります。
混乱期
混乱期とはメンバー同士の衝突や対立が生まれる期間です。目標に対する取り組みが進み始めた時に見られる状態で、それぞれの意見の食い違いや異なる主張によってチームに混乱を生みます。この時に意識するポイントとしては、同じ目標を目指していることを理解し合うことです。衝突や対立が起こる時は自らの考えや主張が強調されている場合が多いため、チームとして目指す姿は何か、目標達成のために優先すべきは何なのかを改めて共有する必要があります。具体的には、対立ではなく全員が納得できるような対話を行うこと、意見を押し付けるのではなくメンバー全員のアイディアで課題の解決策を見出すことが効果的です。
統一期
統一期とは、目標に対するメンバーごとの役割が形成されチームとして一体感が形成し始める期間です。混乱期を経ることによって、各々の特性や得意不得意が明確となり適切な役割分担が生まれます。チームの目標という同じ方向性を見つめる重要性も実感できている状態です。そのため、見出せた役割を務めながら、チームとして目指す姿を共有する取り組みを行いましょう。役割を担って業務を任されることで責任感や自主性も芽生えていきます。
機能期
機能期とはチームとして高いパフォーマンスを発揮している期間です。メンバー1人ひとりが自身に対する管理能力を発揮できているため、他メンバーのサポートにも回ることもできチームとして最大の成果を上げられます。既に成果や成功体験がチームで得られている場合は、チームとしての一体感だけでなく信頼関係も強まります。この期間においては、これまで通りコミュニケーションを取ることと、仕事以外のリフレッシュ時間も大切にすることで機能期が継続するよう心がけましょう。
散会期
散会期とは目標の達成やプロジェクトの終了に伴いチームが解散する期間です。各メンバーはそのチームでの経験を活かし次のチームやプロジェクトへと動き出します。散会期にはそれぞれの行動を称賛することや、改めて互いに感謝を伝えることで、その後異なる状況においてもメンバーはそのチームでの経験を活かすことができるでしょう。
4.ゲームでできるチームビルディング研修
チームビルディングを高める研修を導入する企業は多くありますが、中でもゲームでできるチームビルディング研修は特に導入されやすい研修です。その理由は、チーム全員で盛り上がり、楽しみながら研修を受けられるためです。様々な種類のゲームがある中でも、手軽にできる特におすすめのゲームが以下3つです。
・夢中で取り組んでしまう「マシュマロチャレンジ」
・コミュニケーション能力が身に付く「共通点探しゲーム」
・戦略立てて取り組める「フォト・スカベンジャーハント」
それぞれゲームの概要と効果を紹介します。
全員が夢中で取り組んでしまう「マシュマロチャレンジ」
乾燥パスタ、ひも、マスキングテープ、マシュマロをチームごとに用意し、それらを用いて自立可能なタワーを作り、頂上にマシュマロを置くというルールです。最も高いタワーを作ったチームに優勝が与えられます。このゲームは18分の制限時間を設定し何度かゲームを繰り返すことで、チームでPDCAサイクルを回す練習ができます。またタワーを支える役、タイムキーパー役など役割を分担し協力することでチームとしての団結力を高めることに期待できるゲームです。
初対面でも行いやすい「共通点探しゲーム」
チームのメンバーから2人1組のペアを作り、対話の中で互いの共通点を探し出す、誰でも取り組みやすい簡単なゲームです。制限時間内に最も多くの共通点を見つけ出したペアが優勝となります。ペアを替えて繰り返すことで、例え初対面のメンバーであっても自然と親睦が深まり、より早く相手をチームの一員として感じられます。実際に心理学の観点でも、互いに共通している類似性を見出せることで警戒心が緩み親密感が高まると言われています。また多くの共通点を見出そうと対話に工夫を凝らすことで、互いにコミュニケーション能力も高まり、チームビルディングだけでなく社内外の業務においても活用できる力が身に付きます。
戦略立てて取り組める「フォト・スカベンジャーハント」
制限時間内に指示されたチェックポイントを周り写真を撮ってゴールを目指すゲームです。チェックポイントリストの場所は写真や暗号で示されているためチームで推測する必要があります。場所を特定できたら写真を撮影し課題のクリアとなります。チェックポイントにはそれぞれ点数が設定されており、制限時間が終了した時点でより多くの点数を獲得したチームが優勝です。このゲームはリストの中から課題の優先順位付けや取り組み方など、戦略をチームで話し合う必要があるため、チームとして一体感を持って共通の目標に向かう姿勢が身に付きます。また課題への取り組み方やチェックポイントリストの謎解きにおいて、メンバーが互いの強み弱みを把握しやすく、役割分担も自然に成り立ちやすい環境になります。チームが形成され始めたときに行うと自然とメンバー同士の仲を深めながら役割分担も互いに認識できる優れたゲームです。
5.社外でイベントや行事を通してチームビルディングを高める手法
チームビルディングを高める手法として、社外でのイベントや行事を行う方法があります。普段メンバーと顔を合わせる職場とは異なる場での交流は、それぞれの特性がより引き出され短時間で深いコミュニケーションを築き上げることも可能です。社外でのイベントでおすすめなのが以下の3つです。
・BBQ
・登山
・サバイバルゲーム
それぞれ期待できる効果をご紹介します。
BBQ
BBQは事前準備や役割分担が必要となるイベントでありチームビルディングに有効です。様々な作業を通して自然に相手と会話が生まれることで、次第に緊張感や遠慮も緩和されコミュニケーションが深まっていきます。また事前に行う準備の範囲、必要なものの調達、その過程におけるメンバーに対する気遣いなどBBQ開催前後でメンバーの特性が見られ、互いに感謝し合うことでチームとしての一体感も生まれます。日常とは異なる環境で自分らしさも発揮しやすいため、メンバーの個性や長所など多くの気づきを得られるでしょう。
登山
新入社員の研修でも多く取り入れられている登山は、チームの団結力を高める効果が期待できます。チームで山頂到達という共通目標を持ち、共通の体験をすることはチームの連帯感や一体感を感じることができます。また登山は過酷な道中であることやトラブルも起きやすいため、身体的にも辛い体験を共有します。職場ではできないこのような貴重な体験はチームの心を1つにする大きな機会となります。山頂到達というゴールにたどり着けた時には、目標を達成する喜びを分かち合うこともでき、チームの成功体験として捉えられるでしょう。
サバイバルゲーム
エアソフトガンを使用し戦闘を模したゲームであるサバイバルゲームは、目標を目指し協力し合う姿勢を身に付ける効果があります。サバイバルゲームはメンバーそれぞれ役割を決め、目標に対して力を合わせるチームワークが重要になります。事前の戦略立てから戦闘中の迅速な意思決定、それに合わせた柔軟な対応力など楽しみながらチームの一体感を感じられます。同じ目標を目指す過程においてどんな行動や役割が必要か、自分にできることは何かを常に考えながら取り組めるため、チーム一丸となって目標を達成する意識が身に付くでしょう。
6.チームの現状把握に役立つツール
チームビルディングを高める施策は様々ありますが、実施後には適切な効果検証を行う必要があります。
「ラフールサーベイ」は、「社員の状況の把握・分析」や「職場/チームの状況に応じた改善策提案」をしてくれる、チームの現状把握に役立つツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。
社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長のためには必要不可欠です。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。
ラフールネス指数による可視化
組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。
直感的に課題がわかる分析結果
分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。
課題解決の一助となる自動対策リコメンド
分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。
154項目の質問項目で多角的に調査
従業員が答える質問項目は全部で154項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。
19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック
スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。
適切な対策案を分析レポート化
調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。
部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化
集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。
・部署
・男女
・職種
・テレワーク
対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。
7.まとめ
チームビルディングは、理想のチームとして十分力を発揮するためには、ある程度の期間や年月が必要になりますが、企業の成長に計り知れないほど寄与します。正解はないため、自分たちのチームにあった方法でたくさんトライアンドエラーを繰り返すことが重要です。ラフールサーベイを使えば、必要なタイミングでチームの現状把握を行うことができます。