コミュニケーション能力とは?高い人・低い人の特徴や、ビジネスにおける鍛え方を解説
「あの人はコミュニケーション能力が高い」と話題になることはありませんか?
コミュニケーション能力が高いと、「商談をスムーズに進めることができる」など、ビジネスにおいてメリットがあります。
では、コミュニケーション能力の高い人や低い人にはどのような特徴があるのでしょうか?この記事ではコミュニケーション能力の高い人や低い人の特徴やコミュニケーション能力を上達させるポイントについて解説します。
コミュニケーション能力とは
コミュニケーション能力の定義
相手と双方向で意思疎通や情報共有を図る能力がコミュニケーション能力です。「人との関係性を築く力」とも言われています。
一般的にコミュニケーション能力とは会話を想像することが多いですが、文章で伝える能力もコミュニケーション能力に含まれます。
コミュニケーションは、言語と非言語に大別される
コミュニケーションには言語と非言語の2種類に大別されます
言語コミュニケーションは文字通り「言葉で伝えるコミュニケーション」です。考えや意見、価値観、感情などが該当します。
一方、非言語コミュニケーションは言葉以外で行うコミュニケーションです。表情、身振り、手振り、声のトーンなどが該当します。
非言語コミュニケーションは言葉以上の役割を果たすことが多いと言われています。その代表的な例が「メラビアンの法則」でしょう。アメリカの哲学者であるロバート・メラビアンは非言語コミュニケーションの実験で、「7-38-55の法則」を導き出しました。
これは、人に与える影響の割合が、会話などの「言語情報」が7%、声の大きさなどの「視覚情報」が38%、表情やしぐさなどの「視覚情報」が55%というものです。
このように、表情・身振り・手振りなど「目に見える情報」はコミュニケーションに大きな影響を及ぼします。このため、私たちは非言語コミュニケーションを重視する必要があります。
コミュニケーション能力を構成する4つの要素
伝える力×言語能力
1つ目は「伝える力×言語能力」です。
「伝える力」とは自分の意思や考えを相手に伝える能力です。また、言語によって相手と意思疎通する力とも言えます。具体的には、顧客へのプレゼンテーションの場や上司への提案などのビジネスシーンが該当します。
伝える力のゴールは「相手に自分の考えが伝わること」です。このため、自分の考えを一方的に話すのではなく、「相手が感情的に受け止めることができる」「相手が論理的に理解できる」ことが大切です。
伝える力には、相手に論理的に伝えるロジカルシンキング、人を動かすためのプレゼンテーション能力、ストーリーテリング等が含まれます。
聴く力×言語能力
2つ目は「聴く力×言語能力」です。
「聴く力」とは、言語を介して相手の考えや意見を汲み取り、理解する能力です。具体的には相手の話の要点を押さえる力、相手の立場を考えながら気持ちよく話をさせる力、相手に共感して寄り添う力などです。
聴く力は相手とのコミュニケーションをスムーズに進めるために欠かすことができない能力です。なぜなら、相手の要求や意図を理解し、求めることに適切な回答を行うためには聴く力が不可欠だからです。聴く力が向上することで相手のニーズをスムーズに引き出すことができるようになります。
聴く力には、事実や状況を理解して相手の発言や意図を理解するロジカルシンキング、相手の気持ちに寄り添いながら話を聴く傾聴力も含まれます。
伝える力×非言語能力
3つ目は「伝える力×非言語能力」です。
伝える力とは自分の意思や考えを伝える能力です。具体的には声の調子を変えたり、ジェスチャーや身振り・手振りなどを交えながら非言語コミュニケーションで伝えることです。
淡々と話をするよりも、笑顔で話をする方が相手も安心し、話を聴いてもらうことができます。また、プレゼンテーションの際にも身振り・手振りがあった方が興味を持ってもらえます。
非言語能力で伝えることができるようになれば、場をコントロールすることができます。また、コミュニケーションもスムーズにいくこと間違いありません。
聴く力×非言語能力
4つ目は「聴く力×非言語能力」です。具体的には相手のしぐさや声のトーン、文脈などから言葉として表れていない相手の想いを汲み取る力です。別の言い方をすると「空気を読み取る力」です。
例えば、「表情がこわばっている」「声のトーンが乱れている」などの場合、相手が緊張していることが分かります。そのとき笑顔で応えることで相手に安心感を与え、双方の絆を深めることができます。
コミュニケーション能力が高い人の特徴
傾聴スキルが高い
コミュニケーション能力の高い人の特徴の1つ目は「傾聴のスキルが高い」ことです。
傾聴とは単に話を聞くのではなく、相手に共感を示しながら話を深く丁寧に聴くことで、相手の意図を理解するコミュニケーション技法です。傾聴を行うことで相手と円滑なコミュニケーションを図ることができ、身体関係の構築に役立ちます。
傾聴スキルの高い人は適度に相槌をうちながら相手の話を遮ることなく注意深く聴きます。また、会話の途中で「なるほど、〇〇ということなのですね?」と短く要点を伝えることも特徴の一つです。傾聴スキルが高いことで、相手は「この人は自分の話を聞いてくれているな」と安心感を持ちます。
相手の立場に立って物事を考えられる
コミュニケーション能力の高い人の特徴の2つ目は「相手の立場に立って物事を考えられる」ことです。
具体的には一方的にジャッジせずに、相手の状況や立場を想像しながら対応することです。また、相手を尊重し、相手を理解するということを心掛けて話を聴いています。このため、相手に対して適切に応答することができます。
このように対応することで、相手にも安心感を与えることができます。
ポイントを明確にして話を進められる
コミュニケーション能力の高い人の特徴の3つ目は「ポイントを明確にして話を進められる」ことです。具体的には言語能力があり、論点が明確で結論を明示できます。
話を聞いていて「この人は何を伝えたいのだろう」と思うことはありませんか?相手とのコミュニケーションを取るには、伝えるポイントを明確にして相手に伝えることが大切です。
コミュニケーション能力の高い人は伝える論点を明確にしながら話を進めています。そのため、相手も話を理解でき、より深いコミュニケーションを図ることができるのです。
相手に興味を持っている
コミュニケーション能力の高い人の特徴の4つ目は「相手に興味を持っている」ことです。具体的には人と接すること・話すことが好きで、相手に興味を持っている姿勢を示しています。
相手の考えの真意を理解するためには相手に興味を持つことが大切です。相手に興味を持ち、相手を知ろうとすることで会話がはずみ、相手との深いコミュニケーションにつながります。
また、相手は自分に興味を持ってくれると感じることで、相手との信頼関係を築きやすくなります。
コミュニケーション能力が低い人の特徴
コミュニケーション能力の低い人の特徴の1つ目は「相手の話に興味を持てない」ことです。
相手の話に興味が持てないと、相手の話をしっかりと聴くことができず、結果として相手の話をしている内容や意図を理解することができません。また、相手に興味・関心のない態度が伝わってしまいます。
一方で、自分の知らない話題であっても興味を持ち、相手に教えてもらうというスタンスで接することで相手の心を開くことができます。
積極的な質問を相手にできない
コミュニケーション能力の低い人の特徴の2つ目は「積極的な質問を相手にできない」ことです。
質問をすることで相手に関する情報をさまざまな切り口で得ることが可能です。また、そこから話を広げることができます。質問は相手との会話の潤滑油です。質問を行うことで相手との会話がスムーズに進みます。よく質問は「相手との言葉のキャッチボール」と言われることがありますが、質問を行うことで相手が答えを返すことになり、キャッチボールを行っているように言葉が行き来し、会話を続けられるようになります。
しかし、質問をためらってしまい、できなかったりすると会話が続かなくなってしまいます。こうなると相手も心を開いてくれなど、コミュニケーションでデメリットが発生します。
相手の話を否定する
コミュニケーション能力の低い人の特徴の3つ目は「相手の話を否定する」ことです。
人の脳は否定されるとその後は認識できないという性質を持っています。このため、人は自分の話を頭から否定されると不快に想い、心を閉ざしてしまいます。また、自分が否定されたように感じ、「もうこの人とは話をしたくない」と考えるでしょう。
一方で、「相手の話を傾聴せずに正論を突きつける」「相手の言動を否定する」のは自分のコミュニケーション能力の低さから出てくる行動です。
相手と深いコミュニケーションを進めるためには相手の話を否定せずに傾聴することが大切です。
人の話を聞いていない
コミュニケーション能力の低い人の特徴の4つ目は「人の話を聞いていない」ことです。
そもそも人の話を聞いていない、無関心な印象を与えることはコミュニケーション能力の低い人と相手は捉えるでしょう。また、相手が話をしている最中に他のことに意識が向いている、あくびをしながら話を聞いているなどもNGの行為です。
このような人は相手の話が終わる前に自分で勝手に「この人はこのようなことを言いたいのだろう」と考えてしまい、自分の話を一方的に進める特徴があります。また、相手は「自分の話を聞いてもらえない」と考え、不快に感じるでしょう。
このような場合、双方向のコミュニケーションを進めることが難しいのが現状です。
ビジネスにおいてコミュニケーション能力を上達させるために意識するポイント
結論から分かりやすく話す
1つ目は「結論から分かりやすく話す」ことです。
結論から話すフレームワークに「PREP法」があります。PREPとは以下のそれぞれの頭文字をくっつけたものです。
- Point:主張
- Reason:理由
- Example:具体的
- Point:主張
このように「Point(主張)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(主張)」の順番で話をすることで論理的に説明できます。また、PREP法を用いることで、結論から話をすることになるため、自分の主張を簡潔に伝えられます。
声のトーンやスピード、身振り手振りに配慮する
2つ目は「声のトーンやスピード、身振り手振りに配慮する」ことです。
例えば、声のトーンが低いと相手は話し手が自信がないように見え、悪い印象を与えます。逆に明るいトーンで話すことで好印象を抱きます。このように声のトーンを変化させることで相手の感情や印象をコントロールすることが可能です。
また、身振りと手振りを用いることで相手が話し手に注目を集めることができます。プレゼンテーションが上手いといわれている元アップルCEOのスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは身振り・手振りを交えながら観客を惹き付けていました。
このように身振り・手振りを適切に使うことで自分に注目を集めながら相手とのコミュニケーションを図ることが可能です。
報連相を意識する
3つ目は「報連相を意識する」ことです。
仕事をする上で上司とのコミュニケーションで重用となるのが「報連相」です。適切なタイミングで報告・連絡・相談を行うことが求められます。目的を明確にして相手に正確な情報を伝えることでアウトプット能力とコミュニケーション能力を高めることができます。
また、報連相を通じて相手との適切な情報共有を行うことで信頼関係を醸成することが可能です。また、ビジネスにおけるチームワーク形成でも重要なコミュニケーション能力となります。
業務におけるプロセスを受け止める、認める
4つ目は「業務におけるプロセスを受け止める、認める」ことです。
ビジネスにおいて、結果もさることながら、そこに至るプロセスも重要です。なぜなら、プロセスが明確になることで、そのプロセスを経て得られる結果を得る再現性を高めることができるからです。
そのため、単に数値的な成果や結果だけでなく、そこに至るまでのプロセスをしっかりと言語化することで評価が可能となります。また、相手との信頼感の醸成やエンゲージメントの創出が期待できます。
まとめ
この記事ではコミュニケーション能力の高い人・低い人の特徴、コミュニケーション能力を上達させるポイントについて解説しました。
コミュニケーション能力とはコミュニケーション能力とは、対人関係でスムーズで円滑な意思疎通を行うための能力です。そして、コミュニケーション能力が高い人には以下の特徴があることが分かりました。
- 傾聴スキルが高い
- 相手の立場に立って物事を考えられる
- ポイントを明確にして話を進められる
- 相手に興味を持っている
また、ビジネスにおけるコミュニケーション能力を向上するためには「結論から分かりやすく話す」「報連相を意識する」などを意識することが大切です。
コミュニケーション能力は相手に自分の意思や考えを理解してもらいやすくなるなど、ビジネスにおいて大切な能力です。コミュニケーション能力を向上することでビジネスパーソンとしてのスキルを高めていきましょう。