採用ミスマッチを防ぐために!原因と対策を徹底解説

採用ミスマッチ

企業が成長を続けるためには、採用活動を通して入社した人材に長く働いてもらうことが重要です。しかし、せっかく採用した人材が企業の求める人材と合っていなければ、企業にとっても候補者にとっても無駄な時間やコストを抱えてしまうこととなります。 そこで今回の記事では、採用ミスマッチを防ぐための原因と対策方法を解説していきます。企業の採用担当や人事部の方は、是非参考にしてください。

採用ミスマッチの背景

企業の採用ミスマッチが生じる背景には、社会情勢や市場動向の変化が大きく影響しています。

特に近年は、人口の減少に伴う労働人口の減少が叫ばれています。このように市場の人材が不足する「売り手市場」では、企業の必要とする人材のスキルと求職者のスキルが一致することが難しくなります。

このような状況下で、企業は育成を前提として採用活動を行わなければなりません。しかし候補者の潜在的な特徴を適切に見極めることができなければ、採用ミスマッチが生じてしまいます。

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データで見る採用ミスマッチの現状

採用ミスマッチの現状は、離職率(1月1日時点の労働者数に対する、離職人数の割合)から見ることができます。

以下は厚生労働省によるグラフで、令和4年度時点でのパートタイムを含む労働者における離職率の動向を示しています。

これを見ると、日本の離職率はここ10年ほど15%前後を推移していました。これは計算上、100人規模の会社で毎年15人程度が離職していることを意味します。

2019年に離職率は15.6%と大きく上昇しましたが、コロナが問題となった2020年にかけて-1.4ポイントと大きく低下し、翌年の2021年も低下の一途をたどりました。しかし、2021年から2022年にかけて再度離職率は1.1ポイント増加しています。

中でもパートタイム労働者以外の「一般労働者」においては、2021年の離職率11.1%から2022年は11.9%へと0.8ポイント増加しています。

日本の離職率は、コロナ禍を経た今、再び上昇しつつあるようです。企業は採用ミスマッチを防ぎ、自社社員を定着させるよう努める必要があるでしょう。

入職率・離職率の推移
厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」
図:入職率・離職率の推移

採用ミスマッチが生じる理由:採用前段階

採用活動の軸が曖昧

採用ミスマッチが生じる理由は、すでに採用活動の前段階から存在します。それは、採用したい人材像が十分明確に想定できているかどうかです。

採用活動においては、企業の事業戦略に合わせて、必要な人材の能力・特性をあぶり出すことが重要です。ここで理想とする人物像が明確に定義できていないと、理想的な人材を獲得するために最適な採用戦略をとることができません。

また、「どのような人物を採用したいか」が明確に定まっていないと、評価基準も曖昧になってしまいます。その結果、面接官が候補者の適性を見極められず、採用ミスマッチが生じてしまう恐れがあるのです。

採用ミスマッチが生じる理由:採用活動中

情報が十分に開示されていない

採用活動の序盤では、企業が基本情報を公開します。ここで情報が十分に開示されていない場合、会社と求職者の間での認識の齟齬が生じ、採用ミスマッチに繋がりやすくなってしまいます。

これは、求職者における入社後のイメージギャップが大きくなってしまうためです。例えば、採用活動において、募集要項や基本的な職務内容、福利厚生などの情報はどの企業も提示することが多いでしょう。しかし実際、入社前とのイメージのギャップなしに候補者に働いてもらう際には、企業文化や社風、さらにはその企業で候補者が働くイメージを十分に伝える必要があります。

さらに、候補者に対して「自社への入社後、どのように活躍してほしいか」を伝えておくことも必要です。採用ミスマッチを防ぐには、企業側が望むキャリアイメージと、候補者が想像している業務内容やポジションに差異がないことを確認することが重要となります。この確認を怠ると、せっかく獲得した人材でも企業への貢献度合が低かったり、すぐに離職してしまったりという弊害が起こり得ます。

企業の良い面しか伝えていない

候補者にアピールするために、企業の良い面ばかりを伝えたり、マイナス面を実際とは異なるように伝えたりする場合も、採用ミスマッチに繋がりやすくなります。

企業のプラス面ばかりを伝え、採用段階で候補者を惹きつけることはできても、リアルな側面を伝えておかなければ、求職者が誤った企業に対して実際とは異なるイメージをもち、入社後にギャップを感じてしまう恐れがあります。

また企業が自社のネガティブな側面をひた隠しにする姿は、候補者に不信感を抱かせることもあります。採用活動においては情報を偏らせることなく、自社において今後改善しなければならない点など、事実を誠実に説明したうえで選考を進めることが重要です。

求職者に関する情報が不十分

候補者が企業を十分に理解しても、企業が候補者を十分に理解できなければ、採用ミスマッチが生じてしまいます。

例えば、候補者は「内定を獲得したい」との思いから、自分の能力を実際より高く伝えることがあり得ます。また中途採用の場合、前職での経歴やスキルが自社でも活きるかどうかは、一概には判断が難しいでしょう。

採用経験やスキルのある面接官であっても、完璧に候補者を判断することはできません。また学歴・経歴などの書面上の情報や、面接時の印象ばかりを重視して判断すれば、候補者の本質的な性格やポテンシャルを見逃してしまいます。そのため、企業は面接のみに頼らず、様々な方法を用いて候補者を理解することが有効となります。

採用ミスマッチが生じる理由:採用後

入社後のフォローアップの不足

たとえ企業と候補者のマッチ度合が高いと判断し、採用に至っても、入社後のフォローアップ不足により「職場になじめない」「実力が発揮できない」などの事態が生じる可能性があります。

せっかく求める人材を獲得できたとしても、周囲のサポートがなければ、その社員に「会社と合わない」という思いを抱かせてしまいます。初めて社会人生活を送ることとなる新卒社員にとっては、周囲のフォローがあるかどうかによって大きくパフォーマンス能力が影響されます。また中途採用者においても、他社で積み上げた実績や経験を、自社で活きる形に変えるには、周囲の協力が不可欠となります。

中途採用者が活躍しづらい企業風土

中途採用者が活躍しづらい場では、せっかく採用された候補者も「会社と合わない」と感じてしまう可能性があります。

中途採用者を即戦力と捉え、教育やサポートを怠る企業では、中途採用者も成果を出しづらくなってしまいます。また新卒採用が主流となっており、中途採用者を補充要員として採用している企業では、暗黙のルールが多く中途採用者がなじみづらい場合があります。

採用ミスマッチにより企業が被る損失

採用ミスマッチは企業にとって大きな損失になります。採用ミスマッチを防ぐ対策を考える前に、実際企業はどのような損失を被る可能性があるのか、詳細に確認しておきましょう。

金銭的コストの損失

採用ミスマッチによって、これまで企業がかけてきた費用が無駄になってしまいます。

採用活動の場合、求人広告への掲載料や面接に際して必要な交通費・宿泊費、採用担当者の人件費などがかかります。また採用後においても、新入社員の教育・研修費用や社会保険料、教育担当者の人件費など、多額の費用がかかります。

しかし採用・育成した社員が会社を離れてしまえば、そのコストを企業利益として回収できません。せっかく費用をかけても、マイナスに終わってしまうでしょう。

新たな採用コストの発生

採用ミスマッチが起こると、これまでかけた費用が無駄になってしまうだけでなく、新たにコストをかける必要が生じてしまいます。

本来1度で済むはずの採用コストが、欠員補充のために回数が増えれば、全体として大きな費用損失になってしまうことは否めません。

社員のストレス増加

さらに社員の離職により、残った社員に対しても大きなダメージが与えられます。

新入社員の採用や教育に際しては、金銭的コストのみならず既存社員の労働力もかかっています。そのため採用・教育した社員が離職してしまえば、残った社員は自分の苦労が無駄に終わってしまったと感じることでしょう。

また社員が減ることで、仕事量は残った社員だけで回さなければいけなくなります。新しく人材を採用し、その社員が1人で業務をこなせるようになるまではある程度の時間が必要なため、残った社員にストレスがかかってしまうことは避けられません。

離職者が同時に数名出る、離職率が平均より高い、などの企業の場合、残った社員にストレスがかかる状況が続けば、彼らのモチベーション低下に繋がります。その結果、残った社員の中から離職者が続いてしまうことさえ考えられます。

企業イメージの低下

離職率が高いと、企業イメージの低下に繋がります。

近年、求職者はハローワークや就職四季報などを通して、企業の離職率を調べることができます。離職率が高い場合は「人が定着しない会社」「長く働き続けにくい会社」と捉えられ、求職者にネガティブなイメージをもたれてしまうでしょう。

イメージが悪化すれば、採用ブランディングは失敗し、人材が集まりません。すなわち採用ミスマッチによって生じた企業のマイナスイメージにより、採用活動が上手くいかない、という悪循環に取り込まれてしまう恐れがあるのです。

企業の成長力の低下

企業が理想とする人材とは異なる人材を採用してしまう状態が続けば、企業の成長力の一要素を成す採用活動力の低下に繋がります。採用活動の成功事例が蓄積されず、採用活動をブラッシュアップさせることが難しくなるためです。

また採用ミスマッチによる離職者が増加し、人材を定着させることができなければ、企業の成長が遅れてしまいます。社員が早期離職を繰り返す企業においては、業務の効率化などのノウハウを継承することができません。

さらにたとえ候補者側の不満がなく、離職せず企業に残ったとしても、採用ミスマッチが生じたということは計画していた企業成長にとって、必要な人材が採用できていないことを意味します。すなわち離職に繋がらずとも、採用ミスマッチが生じてしまえば、企業は想定していた成長を遂げることが難しくなってしまうのです。

採用ミスマッチを防ぐ対策

採用ミスマッチを防ぐ対策

組織サーベイの実施

企業の採用活動を改善し、ミスマッチを防ぐためには、自社にどのような人材が必要かを明確に定義する必要があります。そして自社に必要な人材像を明確にするためには、組織の現状を把握・分析する「組織サーベイ」が有効です。

近年では様々な組織サーベイツールがあるので、自社に適したツールを検討してみてください。例えば「ラフールサーベイ」は網羅的な設問を通して従業員満足度を調査し、組織の強みと課題を可視化するツールです。サーベイの運用プロフェッショナルによる徹底的な支援もあるため、調査のみで終わってしまうことなく、結果を分析して具体的行動策を練ることができます。

採用ブランディングの強化

企業の情報を十分に伝えるために、採用ブランディングの強化も有効です。

企業のブランド力を高める中で、基本的な採用活動では伝わりづらい企業のビジョンや社内の雰囲気、働きやすさなどをアピールすることができます。これにより、自社のリアルな環境を理解した候補者に入社してもらうことで、「入社前のイメージと違った」というギャップを防ぐことができるでしょう。

ダイレクトリクルーティングの採用

企業から理想的な人材に直接アプローチする採用手法がダイレクトリクルーティングです。

従来主流となっていた、採用サイトに自社情報を掲載し、応募を待つスタイルの採用方法では、応募者全員が必ずしも自社に適した人材にはなりません。しかしダイレクトリクルーティングを取り入れることで、企業が候補者のプロフィールをよく理解し、求める人材に適していると判断したうえで採用活動を進めることができるので、採用ミスマッチの可能性を減らすことができます。

カジュアル面談の実施

選考に進む前にカジュアル面談を実施することで、採用ミスマッチの減少に繋がります。

カジュアル面談とは、選考の合否に関係なく、企業と候補者がリラックスして対話する場です。そのため、企業は自社の社風やリアルな側面を伝えることができ、また候補者の率直な意見や価値観を聞くことができます。率直で気軽な対話を通して相互理解を深めることで、企業と候補者間のマッチング度合を確かめられる点がポイントです。

採用目的・採用基準の明確化

実際に採用面接を行う段階においては、組織サーベイの分析結果などをもとに、採用の目的や理想の人材像を明確に定めましょう。さらに定めた理想の人材像に基づいて採用基準を定義することが重要です。

採用基準を明確に定めることで、面接官ごとの評価のずれを減らすと同時に、主観が入り込む余地をなくすことができます。その結果、面接官のスキルや経験に左右されることなく、企業全体として理想の人材に対する公平な評価を下せるようになります。

情報を偏りなく十分に開示

採用活動においては、入社後の詳細な業務内容やキャリアイメージ、社内の雰囲気などを十分に伝えるよう意識しましょう。

企業の現時点では不足している点も、「今はこの点が不足しているので、今後このような人材を求めている」など前向きなビジョンを添えて伝えることにより、候補者の応募意欲を高めながら、入社後のイメージのギャップを避けることができます。

インターンシップの実施

短期や長期のインターンシップを行うことで、求職者は従業員と交流し、実際の業務に携わることができます。その結果、求職者自身が企業で働くイメージを掴めるのみならず、会社側も求職者と業務・社員の相性を入社前に確認できるのがメリットです。

一方、インターンを実施するには時間的・人的コストが必要となります。自社が採用活動に割けるコストを考慮したうえで、検討してみてください。

入社前後フォローの充実

採用ミスマッチを防ぐには、採用後も定期的なフォローを行い、内定者の不安をなくすことが重要です。懇親会や研修を実施することで、内定者の不安を取り除き、入社後できる限りスムーズに職場になじめるようサポートしましょう。

また入社後もオリエンテーションや研修を実施したり、メンター面談を通して新入社員からのヒアリングを行ったりする中で、企業と新入社員の認識の齟齬を調整していくことにより、「この企業とは合わないかもしれない」と感じて早期離職する社員を減らすことができます。

適性検査の実施

候補者を見極めるためには、提出書類や面接のみに頼らず、候補者の潜在的な能力を客観的に知ることが重要です。そこで有効となるのが適性検査です。

適性検査は、採用候補者が企業の求める人材要件に合っているかを検討するためのテストです。一般常識や思考力、人格や価値観などを測ることができます。

客観的なデータをもとに判断するため、適性検査を取り入れれば、採用担当者の負担を減らすことにも繋がります。

適性検査「テキカク」で採用ミスマッチを防ごう

採用ミスマッチを防ぐために、ラフールの適性検査「テキカク」を取り入れてみませんか?

テキカクを採用活動に取り入れることで、候補者と組織文化へのマッチ度を測り、候補者の定着率や活躍度を客観視することができます。社員に対しても利用することができるので、いまの社員と候補者の相性をチェックし、現在社内で活躍している人材と候補者の類似度を確認することもできます。

採用ミスマッチを防ぎたいとお考えの方は、是非こちらから詳細をご覧ください。

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