マインドフルネスとは?瞑想のやり方やストレス軽減への効果を徹底解説

近年、ビジネスにおいても注目を集めている「マインドフルネス」について、その定義、瞑想の方法、そしてストレス軽減への効果について、詳しく解説します。

忙しい日々の中で、心の平穏を保ち、効率的に仕事を進めていきたいと考えている皆様にとって、有益な情報をお届けできれば幸いです。

マインドフルネスの定義

マインドフルネスとは、一言で言うと「現在の瞬間に意識を集中すること」です。

この練習は、心を落ち着かせ、ストレスを管理するのに非常に効果的で、多くの研究によりその効果が裏付けられています。

特にビジネスにおいては、経営者や人事担当者などの方々が、日々の業務の中での従業員のセルフマネジメントや、職場環境の改善に役立つ手法として注目しています。

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マインドフルネスと瞑想の違い

よく「マインドフルネス」と「瞑想」は同じものと考えられがちですが、実は異なる概念です。

マインドフルネスとは、今、ここに意識を向け、自分の考えや感情、身体感覚を、評価したり判断したりすることせずありのままに受け入れるプロセスであり、特定の方法に限定されるようなものではありません。

一方で瞑想は、心を集中させるための練習です。
瞑想にはさまざまな種類があり、それぞれ目的や方法が異なります。
例えば、

  • 呼吸の感覚を使って注意力を高めるマインドフルネス瞑想
  • 食べ物をゆっくり味わって食べる食事瞑想
  • 身体の一部に意識を向けるボディスキャン瞑想

などがあります。 
さまざまな技法の一つで、マインドフルネスはその中の一つのアプローチに過ぎません。

マインドフルネス瞑想では、呼吸や身体の感覚、思考や感情に注意を向け、その瞬間を受け入れることに焦点を当てて行います。

これは、ビジネス上の意思決定や日常のコミュニケーションにおいても、クリアな心を保つのに役立つとされています。

項目 マインドフルネス瞑想
定義今、ここに意識を向け、自分の考え、感情、身体感覚を、評価や判断をせずに、ありのままに受け入れるプロセス心を集中させるための練習
目的自分の内面をより深く理解し、より良い生き方を実現すること心を落ち着かせ、リラックスすること、集中力を高めることなど
方法特定の練習や方法に限定されないさまざまな種類があり、それぞれの目的や方法が異なる

マインドフルネスの語源

「マインドフルネス」という言葉は、もともと仏教の禅の考えから来ており、「サティ(Sati)」というパーリ語、「スムリティ(Smrti)」というサンスクリットがもとになっています。

これらには「念」や「気づき」という意味があり、のちに19世紀後半になって「mindfulness(マインドフルネス)」と英訳されるようになったといわれています。

マインドフルネスの歴史

マインドフルネスの歴史は、大きく3つの時期に分けることができます。

1. 古代から19世紀後半まで

仏教の教えの中に、マインドフルネスの概念はすでに存在していました。

仏教では、マインドフルネスは修行において重要な要素であり、ブッダの修行の中でも中核的な要素だった可能性があるとされています。

2. 19世紀後半から20世紀半ばまで

東南アジアの仏教圏において3000年以上の長い間実践されてきたマインドフルネスですが、西洋においては、イギリスの東洋学者たちが、仏教の教えを西洋に紹介した際に、マインドフルネスの概念も紹介されたといわれ、19世紀後半になりようやく知られるようになりました。

3. 20世紀後半から現在まで

また、20世紀に入ると、マインドフルネスは、西洋の心理学や精神医学の分野でも注目されるようになりました。

アメリカの臨床心理学者、ジョン・カバット・ジン博士は、マインドフルネスを慢性疾患の治療に応用する研究を行い、1979年にマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発しました。
MBSRは、マインドフルネスの瞑想をベースとしたプログラムであり、

  • ストレスの軽減
  • 自己肯定感の向上
  • レジリエンス(回復力)向上
  • ウェルビーイング・QOL向上

などの効果が認められています。
その後、マインドフルネスは、西洋社会において急速に広まり、現在では、ビジネスや教育、医療など、さまざまな分野でマインドフルネスが活用されています。

【参考】現代マインドフルネスセンター

マインドフルネスの実践により得られるメリットと効果

マインドフルネスは単なる瞑想法以上のものであり、日常生活において多くのメリットをもたらします。以下に、その具体的な効果を詳細に説明いたします。

ストレスの軽減、不安症状が改善する

マインドフルネスにより、ストレスレベルを低下させたり、不安症状を改善する効果が期待できます。

現在に意識を集中することにより、過去や未来に関連した不安や悩みから離れ、心の落ち着きを取り戻します。

そうしてストレスに起因する身体的、精神的な症状を緩和する効果が期待でき、メンタルヘルスの改善にも大きく寄与します。

集中力や注意力が向上する

継続的なマインドフルネスの実践により、集中力や注意力が向上します。

現在に集中する訓練は、日常生活や仕事におけるタスクへの集中力を高め、生産性の向上に直結するでしょう。

睡眠の質が向上する

マインドフルネスは、睡眠の質を向上させるのにも効果的です。

心の落ち着きとリラクゼーションが促されることで、より深い睡眠が得られ、翌日の活力につながります。上記で挙げた以外にも以下のような効果が期待できるとされています。

  • 創造性の向上
  • 自律神経の調整
  • 免疫力の向上
  • 疼痛の緩和

マインドフルネスのデメリット

マインドフルネスは多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。

以下で、その具体的な内容について解説します。

瞑想で集中する感覚をつかむまでが難しい

マインドフルネス瞑想を始めたばかりの方は、集中する感覚をつかむまでに苦労することがあります。

特に現代社会では、常にSNSで誰かと連絡をとっていたり、音楽を流しているなど何かをしている状態が普通となっており、何もせずにただ座っていることが不自然・不快に感じられることも少なくありません。

この初期段階での苦労は、瞑想の習慣を身につける上での1つめの障壁となることがあります。

過去のトラウマを思い出してしまうことがある

マインドフルネスを実践する中で、意図せず過去のトラウマや辛い記憶が蘇ってくることがあります。

これは特に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える方にとっては大きな問題となり得ます。

このような場合、専門家の指導のもと、安全な環境で瞑想を行うことが推奨されます。

効果が実感できるまで時間はかかる

マインドフルネスの効果を実感するには、一定の時間と継続が必要なため、即効性を期待すると失望することになりかねません。

実際には、マインドフルネスは長期間にわたる練習と経験を通じて、じわじわと効果が現れるものです。

そのため、すぐに結果が見えないことに焦りや挫折を感じることもあります。

習慣化することが難しい

多くの人にとって、マインドフルネスの練習を日常生活に習慣として取り入れることは難しい課題です。

忙しい日々の中で、定期的に瞑想の時間を確保することは容易ではありません。

マインドフルネス瞑想のやり方

Portrait of calm woman sitting in pose of lotus in natural environment

マインドフルネス瞑想は、さまざまな方法がありますが、ここでは、呼吸瞑想のやり方をご紹介します。

呼吸瞑想のやり方

  1. 静かな場所で、リラックスできる姿勢で座ります。
  2. 目を閉じて、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
  3. 息を吐き出します。
  4. 息を吸うときには、お腹が膨らむことに意識を向けます。
  5. 息を吐き出すときには、お腹がへこむことに意識を向けます。
  6. 呼吸に意識を向けながら、雑念が浮かんできたら、優しくその雑念を脇に置き、また呼吸に意識を向けます。
  7. 10分程度、ゆっくりと呼吸に意識を向け続けます。

マインドフルネス瞑想を行う時の注意点

マインドフルネス瞑想を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。

静かで快適な場所を選ぶ

瞑想を行うには、静かで邪魔が入らない環境を選ぶことが大切です。これにより、集中しやすくなります。

無理のない姿勢を取る

瞑想中は、無理のない、リラックスした姿勢を保つことが重要です。座る、立つ、寝るなど、体に負担のない姿勢を選んでください。

呼吸に意識を向ける

呼吸に意識を集中させることで、心が落ち着き、現在の瞬間に集中しやすくなります。自然な呼吸を意識しながら行ってください。

雑念が浮かんできたら、優しくその雑念を脇に置き、また呼吸に意識を向けましょう。

心の雑念に振り回されない

瞑想中にさまざまな思考が浮かぶことは自然なことです。これらの思考に執着せず、気づいたら再び呼吸に意識を戻してください。

毎日時間を決めて実践する

瞑想は、短い時間から始めて徐々に時間を延ばしていくことがおすすめです。1回5分から始めて、自分に合ったペースで練習を続けてください。

マインドフルネス瞑想の効果は、継続して実践することで実感できます。毎日、少しずつでもいいので、継続して実践しましょう。

日常生活へのマインドフルネスの取り入れ方

日常生活で実践できるマインドフルネスの方法は多岐にわたります。

簡単な習慣であれば、忙しい日々の中でも気軽に取り入れることができ、心の平穏と集中力を高めるのに役立ちます。

呼吸に意識を向ける

日常の中で、数回深い呼吸を意識的に行います。深呼吸をすることで、心が落ち着き、ストレスが軽減されます。

食事を意識して行う(食事瞑想)

食事中は、食べ物の味、香り、食感に意識を集中します。食事の瞬間を楽しみ、感謝の気持ちを持つことで、マインドフルネスを深めることができます。

歩く時に地面の感覚を意識する(歩行瞑想)

歩く際に、足の裏が地面に触れる感覚や、体の動きを意識します。周囲の環境にも注意を払い、自然の中で歩行瞑想を行うのも効果的です。

日常のタスクに集中する

洗濯や掃除などの日常の作業を行う際に、その瞬間に完全に集中します。作業の一つ一つに意識を向けることで、心が落ち着きます。

ジャーナリングを行う

ジャーナリングとは、自分の考え、感情、経験、目標などを日記やノートに記録するマインドフルネスのアプローチの1つです。

毎日集中して書くことで自己理解を深めることができ、心の平穏や集中力を高めるのに役立ちます。

企業におけるマインドフルネスの取り入れ方と実例

企業におけるマインドフルネスの取り入れ方には、大きく分けて以下の2つがあります。

1. 社員研修や福利厚生として取り入れる

社員研修や福利厚生としてマインドフルネスを取り入れる方法は、企業にとって最も一般的な方法です。

社員向けに呼吸瞑想やボディ・スキャン瞑想などの基本的な瞑想法のワークショップを開いたり、社内にマインドフルネスのスペースを設けたりすることで、社員がマインドフルネスを学び、実践する機会を提供することができます。

2. 業務や組織運営に取り入れる

業務や組織運営に取り入れる方法は、より実践的なマインドフルネスの活用方法です。

例えば、会議やミーティングの前に時間をとって、マインドフルネスの呼吸法を実践したり、業務の合間に、マインドフルネスのワークをしたりすることで、社員の集中力や創造性を高め、生産性を向上させることができます。

企業におけるマインドフルネスの導入事例

企業におけるマインドフルネスの導入事例としては、以下のようなものがあります。

Google

Googleでは、「Search Inside Yourself」というマインドフルネスをベースにした研修を提供しています。

この研修は社内だけでなく外部向けにも提供しており、心の知能指数(EI)における5つの要素(自己認識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーション)に着目した「心と思考力」を科学的アプローチで強化するプログラムとなっています。

また、Googleでは、社内にマインドフルネスのためのスペースを設け、社員が自由に利用できるようにしています。

Sansan

名刺管理サービスを提供するSansanでは、2017年に「Search Inside Yourself」について学ぶ研修を実施。

その研修で手ごたえを感じたという同社は、翌年には全社員を対象にマインドフルネスに関するセミナーを実施しました。

全社規模でSIYを導入した初めての日本企業となりました。

【参考】「日本企業初! マインドフルネス研修(サーチインサイドユアセルフ)を全社導入

企業におけるマインドフルネスのメリット

企業におけるマインドフルネスの導入は、社員の心身の健康や生産性の向上につながる可能性があります。

先に挙げた個人のメリットに加えて、以下のメリットが期待できます。

コミュニケーションの向上

マインドフルネスを実践することで、相手の話をよく聞くことができ、より建設的なコミュニケーションを行うことができるようになります。

チームワークの向上

マインドフルネスを実践することで、チームメンバーの価値観や感情を理解することができ、より協力的なチームワークを行うことができるようになります。

顧客満足度の向上

マインドフルネスを実践することで、顧客のニーズをよりよく理解することができ、より満足度の高いサービスを提供することができるようになります。

このように、企業におけるマインドフルネスの導入は、社員の心身の健康や生産性の向上、ひいては企業の業績向上につながる可能性があります。

マインドフルネスを企業で導入するうえでの注意点

ただし、マインドフルネスの導入には、以下のような注意点もあります。

マインドフルネスは、万能の解決策ではない

マインドフルネスは、ストレスや不安などの問題を完全に解決することはできません。しかし、これらの問題に対処する力を高めることができます。

マインドフルネスは、継続して実践することが重要

マインドフルネスの効果は、継続して実践することで実感できます。毎日、少しずつでもいいので、継続して実践することが大切です。

マインドフルネスは、自分に合った方法で行うことが大切

マインドフルネスには、さまざまな方法があります。自分に合った方法を見つけて、実践することが重要なため、すべての社員に同じ方法が適しているとは限らないでしょう。

企業におけるマインドフルネスの導入を検討する際には、これらの注意点に留意することが大切です。

まとめ:マインドフルネスを活用して、企業の生産性を向上しよう

この記事では、マインドフルネスの定義や歴史、やり方などについて詳しく解説してきました。

もし、あなたの会社で生産性が落ちていたり、調子が悪そうにしている従業員がいたら、セルフマネジメントの方法の1つとしてマインドフルネスが適しているかもしれません。

ウェルビーイング/人的資本経営を 支援・実現する、組織改善ツール「ラフールサーベイ」

従来の組織サーベイやストレスチェックでは社員が高ストレスや低エンゲージメントであることはわかっても、その要因が何なのかわからないという課題がありました。

ラフールサーベイではラフールネス指数(組織・個人の“健康度合い”を独自に算出した指数)により働く社員の健全さを把握することができます。

ラフールネス指数による可視化

ラフールネス指数は具体的に「総合」「個人」「職場」の3つに対して他社比較と時系列比較を行い、社内の従業員の健康とメンタルの状態を可視化させることができます。

直感的に課題がわかる分析結果

ラフールネス指数の強みは課題を数字で可視化させることです。

ラフールサーベイでは部署や男女別にデータ分析が可能で各都市ごとにデータを比較することができます。

普段社員を観察しているだけでは中々見えづらい、社員の内面的なストレスまで把握できるようになります。

154項目の質問項目で多角的に調査

厚生労働省が推奨している質問票の質問数は57項目です。一方で、ラフールサーベイでは154項目の質問があります。

従来のストレスチェックでは把握できなかった「受験者の性格」「衛生要因(給与・福利厚生)」「エンゲージメント(エンプロイー・ワーク)」などを追加しています。多角的な調査により、より詳細な状況を把握することが可能です。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック

経営者や人事の方の中には、「できるだけ簡潔にストレスチェックを行いたい」と考えている人もいることでしょう。ラフールサーベイでは「ショートサーベイ」と呼ばれる、19の質問項目に厳選したメンタルチェックもあります。

質問が少ない代わりに毎月行えるので、月ごとに対策を考えたい企業に有効です。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

ラフールサーベイでは、部署や男女、職種別にデータ分析をすることが可能です。他部署・男女・職種での比較ができるだけでなく、危険ゾーンとなる箇所を直感的に一目で確認することができます。

適切な対策案を分析レポート化

質問の回答を終えると、分析を行い組織の生産性や離職リスクが直感的なグラフで可視化されます。可視化されたグラフに基づいて、「次にどんな対策を打つべきなのか?」をロジカルに検討していくことができます。

アカデミックハラスメントから教職員や学生を守り、組織の改善につなげていくためにはラフールサーベイを利用することでまず組織と個人の状態を可視化してみるところからはじめてはいかがでしょうか。

https://survey.lafool.jp/
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