従業員サーベイを実施したものの、結果をどう活かせば良いかわからず、結局「やりっぱなし」になっていませんか?サーベイは、従業員のエンゲージメントを高め、強い組織を作るための強力なツールですが、その効果を最大限に引き出す鍵は「サーベイフィードバック」にあります。 本記事では、サーベイフィードバックの基本的な定義から、今まさに注目されている理由、そして組織にもたらす具体的な効果について徹底解説します。さらに、フィードバックを成功に導くための具体的な流れや重要なポイントもご紹介。データと対話で組織を変革する第一歩を踏み出しましょう。
サーベイフィードバックとは?
サーベイフィードバックとは、従業員エンゲージメント調査や満足度調査などのサーベイ(調査)によって得られた結果を従業員に共有し、そのデータをもとに組織や職場環境の改善に向けた対話を行う一連のプロセスのことです。
単に結果を報告するだけでなく、結果の背景にある原因を探り、従業員が主体となって改善策を考え、実行に移すことまでを含みます。

なぜ今、サーベイフィードバックが注目されているのか
現代のビジネス環境の変化が、サーベイフィードバックの重要性を一層高めています。
テレワークやフレックスタイム制など、働き方が多様化する中で、従業員同士のつながりを維持したり、上司が部下のコンディションを把握したりすることが難しくなっています。物理的な距離が生まれることで、職場の連帯感が希薄になったり、個々の従業員が抱える課題が見えにくくなったりするのです。
このような状況下で、勘や経験だけに頼った組織運営には限界があります。サーベイによって従業員の声を定量的に把握し、客観的なデータに基づいて現状を正確に理解した上で、的確な意思決定を行う必要性が高まっています。サーベイフィードバックは、このデータドリブンな組織運営を実現するための不可欠なプロセスなのです。
サーベイフィードバックの4つの効果

サーベイフィードバックを適切に実施することで、組織は以下のような多くの効果を得ることができます。
① エンゲージメント向上による離職防止
自分の意見が調査結果として会社に届き、さらにその結果をもとに職場を良くするための対話が行われることで、従業員は「自分の声が組織運営に反映される」と実感できます。
この当事者意識が、会社への信頼感や貢献意欲、すなわち従業員エンゲージメントを高めます。エンゲージメントの向上は、生産性の向上だけでなく、優秀な人材の離職防止にも直接つながる重要な効果です。
② 組織課題の「見える化」
サーベイは、これまで漠然と感じていた職場の雰囲気や人間関係、業務上の問題点などを、客観的なデータとして「見える化」します。
全社的な傾向はもちろん、部署や年代、役職ごとといった細かい単位で課題を特定できるため、効果的な改善策を具体的に検討することが可能になります。
③ コミュニケーションの質の向上
サーベイ結果という共通の客観的なデータをもとに話し合うことで、感情的な対立を避け、建設的な対話が生まれやすくなります。
上司と部下が本音で組織の課題について議論する機会は、相互理解を深め、風通しの良い職場風土を醸成するきっかけとなります。
④ 管理職のマネジメント力強化
フィードバックの過程で、管理職は自身のチームが抱える課題を客観的なデータで把握できます。
部下との対話を通じて、メンバーの考えや価値観を深く理解し、課題解決に向けてチームを導く経験は、管理職自身のマネジメントスキルを大きく向上させることにつながります。
サーベイフィードバックの流れ
サーベイフィードバックを効果的に進めるためには、計画的なステップを踏むことが重要です。
1.サーベイを実施する
サーベイを実施する際に重要なのが、サーベイ実施の目的を従業員に丁寧に説明することです。なぜこの調査を行うのか、結果をどのように活用していくのかを事前に共有することで、従業員は安心して正直な回答をしやすくなり、調査への協力的な姿勢を引き出すことができます。
2.結果を集計・分析し、課題を可視化する
回答データを集計し、組織全体の傾向や部署ごとの特徴などを分析します。この段階で、組織の強みと弱み、優先的に取り組むべき課題を明確にします。
3.結果を共有し、フィードバックの意図を説明する
分析結果を従業員に共有します。結果が良いか悪いかだけでなく、このデータをもとに対話を行い、皆でより良い職場を作っていきたいというポジティブな意図を伝えることが重要です。
4.対話を通じて原因と改善策を議論する
結果をふまえ、チームミーティングなどの場で「なぜこの結果になったのか」「どうすればもっと良くなるか」といったテーマで対話を行います。管理職が一方的に話すのではなく、メンバー一人ひとりが意見を出しやすい雰囲気を作ることが大切です。
5.アクションプランを策定し、次回サーベイで検証する
対話で出た意見をもとに、具体的な改善策(アクションプラン)を策定します。誰が、いつまでに、何を行うのかを明確にし、チーム全体で実行に移します。そして、次回のサーベイでそのアクションプランの効果を検証し、さらなる改善につなげるPDCAサイクルを回していきます。
サーベイフィードバックを成功させるポイント
サーベイフィードバックを形骸化させず、真に組織改善につなげるためには、以下の3つのポイントを徹底することが不可欠です。
結果を放置しない
最も重要なのは、サーベイを実施した後に結果を放置しないことです。
「調査に協力したのに、何の音沙汰もない」という状況は、従業員の会社に対する不信感を増大させ、次回のサーベイへの協力意欲を著しく低下させます。結果がどのようなものであっても、迅速にフィードバックを行い、改善に取り組む姿勢を示すことが信頼関係の基本です。
対象者を責めない
サーベイの結果は、あくまで組織やチームの状態を示す「データ」であり、特定の個人を評価したり、責任を追及したりするためのものではありません。特にネガティブな結果が出た際に、特定の部署や個人を責めるような言動は、心理的安全性を損ない、自由な意見交換を妨げます。
ポジティブな側面にも目を向け、未来志向で建設的な対話の場にすることが重要です。
継続的に実施する
組織の状態は常に変化するため、サーベイフィードバックは一度きりのイベントで終わらせるべきではありません。定期的に実施し、組織の状態を定点観測することで、実行した施策の効果を測定したり、新たな課題を早期に発見したりすることができます。
この継続的なPDCAサイクルこそが、組織を持続的に成長させる原動力となります。
サーベイフィードバックを支援するツールの活用
サーベイの実施から集計、分析、そしてフィードバックに至るプロセスは、多くの工数を必要とします。こうした負担を軽減し、より効果的なサーベイフィードバックを実現するために、専門のツールを活用することが有効です。
ラフールサーベイは課題解決までのサポートが充実
課題の発見から解決に至るまで、充実したサポートをご希望なら「ラフールサーベイ」がおすすめです。適格な調査が可能なサーベイに加え、その後のフォローに活用できる充実したコンテンツをご用意しています。最後に、ラフールサーベイの魅力や対策サービスの種類などをご紹介します。
ラフールサーベイとは?
ラフールサーベイは、社員の心身の健康状態やエンゲージメントを把握し、組織全体を可視化できるツールです。組織と従業員の観点から問題の改善を図ることができます。ツール一本で、現状把握から分析、課題特定まで行うことが可能です。

サーベイ実施後には対策サービスレコメンドが表示されます。洗い出された課題に対して、改善アクションを実施しやすい点が魅力です。
また、ラフールサーベイにはマイページ機能があります。調査を受けた社員自身で振り返りやセルフケアを行うことも可能です。その他、会社ごとに異なる質問が可能なオリジナル設問機能や、匿名性を保持しやすいアカウント権限機能、クラウド人事労務ソフトである「SmartHR」との連携機能など、多彩な機能を有しています。
ラフールの対策サービス
ラフールでは、フィードバックコンサルティングサービスを提供しています。ラフールのコンサルタントがサーベイの結果を深掘りしてフィードバックするサービスです。対策の優先順位を決め、確実に成果に結びつくようにサポートします。
その他、課題に応じて具体的な対策サービスを用意しています。調査結果にてストレスを抱えた方が多いと判明したら、24時間電話相談サービスにてカウンセリングをご利用可能です。時間を問わずに電話カウンセリングができるため、忙しくて時間が取れない方にも安心。オンラインカウンセリングサービスによる面談もお申し込みいただけます。
健康経営のために新しく産業医を依頼したい、または現在の産業医から変更したいという場合は、産業医(顧問医)紹介サービスがおすすめです。ラフールサーベイ開発のなかでつながりのできた、信頼のおける産業医をご紹介します。
結果に応じた研修が必要と感じたら、研修プログラムサービスをご利用いただけます。個人向けのメンタルトレーニングやフィジカルトレーニング、集団向けのエンゲージメント向上研修などに対応しています。管理職向けや新入社員向けなど、属性に応じた研修も可能です。
経営層と社員が本音で話し合うことが難しいというチーム向けには、1on1ミーティングサービスがあります。メンバー一人ひとりと対話の場を設け、フィードバックを行うことが特徴です。立場が違う相手同士では伝えにくいことも、ポイントを押さえながら適切にお伝えし、組織をマネジメントします。
組織改善に専門家の力を借りたい場合は、スペシャリスト紹介サービスをご利用ください。課題に合わせたスペシャリストを、ラフールの人材バンクからピックアップしてご紹介します。
サーベイフィードバックは「データ」と「対話」で組織を変える
サーベイフィードバックは、客観的な「データ」と、従業員との建設的な「対話」を両輪とすることで、組織が自ら課題を発見し、解決していく力を育むための非常に有効な手法です。従業員一人ひとりが「会社は自分たちの声に耳を傾けてくれる」と感じられる組織は、変化に強く、持続的な成長を遂げることができます。
サーベイの「やりっぱなし」から脱却し、サーベイフィードバックを通じて、従業員とともに成長する組織づくりを始めてみてはいかがでしょうか。


