睡眠の役割
睡眠は、体を休めるだけでなく、脳と心のパフォーマンスを整えるための時間です。
人は睡眠中に「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(夢を見る眠り)」を約90分周期で繰り返しています。
ノンレム睡眠では脳と体を休ませ、成長ホルモンの分泌によって修復や免疫の維持が行われます。
一方、レム睡眠では脳が活発に働き、感情や記憶の整理などに関わると考えられています。
このノンレム睡眠とレム睡眠のリズムが整っている状態こそが、質の高い睡眠といえます。
そのような眠りを確保することで、翌日の集中力・判断力・生産性が高まります。

質の良い睡眠とは何か
理想の睡眠時間について
適切な睡眠時間は個人差がありますが、目安は7時間と言われています。アメリカの大規模調査によると、7時間の睡眠が最も死亡リスクが低い傾向にあると報告されています。一方で、6時間睡眠を続けると「睡眠負債」が蓄積し、注意力や判断力が低下します。
ある実験では、6時間睡眠を2週間続けると、徹夜に近いレベルまで認知機能が下がるという結果も出ています。
短すぎても、長すぎても心身のリズムが崩れるため、自分に合った睡眠時間を見つけることが大切です。

どのようにすれば質の良い睡眠を取ることができるか
推奨される習慣
眠る前は副交感神経を優位にして心身をリラックスさせることが大切です。
以下のような行動を取り入れてみましょう。
- 寝る1〜2時間前に、ぬるめのお湯で15分ほど入浴
- 軽いストレッチ
- マインドフルネス瞑想の実践
- 本を読む など
NGの習慣
交感神経を刺激したり、体内時計を乱す行動は、睡眠の質を下げる原因になります。特にスマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させ、眠気を妨げる要因となります。以下の行動は、できるだけ避けるようにしましょう。
- 寝る直前のスマートフォンやパソコンの操作
- 18時以降のカフェイン摂取(コーヒ・紅茶・エナジードリンクなど)
- 就寝3時間以内の食事や飲酒
- 激しい運動 など
マインドフルネスは睡眠の質を高める
マインドフルネス瞑想では、呼吸や身体の感覚に意識を向けることで、“今この瞬間”に集中します。
継続的に実践することで、副交感神経が優位になりやすく、ストレスで高ぶった心身が落ち着きやすくなるといわれています。
さらに、不安やストレスに関わる脳の「扁桃体」の反応が抑えられ、感情の安定にもつながるという研究報告もあります。
実際に、Upmind社と東京大学の共同研究では、マインドフルネス瞑想を継続的に行った結果、不眠の程度を示す指標(ISI)が平均19%改善することが確認されています。
寝る前に5分間、呼吸に意識を向けるだけでも、睡眠の質を高めるシンプルで効果的な習慣としておすすめです。
研究結果:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000083261.html
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企業として「睡眠とマインドフルネス」をどう促進するか
組織サーベイやウェラブルデバイスで見える化
アンケートやウェアラブルデバイスを活用して、社員が自分の睡眠状態を把握できる仕組みを導入しましょう。
睡眠時間や深さを可視化することで、改善ポイントに気づきやすくなり、行動変容を促進します。企業としても、従業員の健康把握に役立ちます。
行動変容を促すサービスを導入
日々の行動変容までつなげたい場合は、定期的な研修の実施と、日常でリラックス習慣をサポートするサービスの導入が効果的です。
例えば、マインドフルネスアプリを活用すれば、就寝前のリマインド通知や音声ガイドによって、社員が無理なく睡眠改善のための習慣を継続できます。
こうした仕組みを企業として取り入れることで、組織全体の睡眠の質・集中力・メンタルの安定性の向上が期待できます。
日本人の平均睡眠時間は約6時間といわれており、慢性的な睡眠不足がパフォーマンスに影響しているとも報告されています。
あなたの会社でも、睡眠の質を整える習慣を、社員一人ひとりから広げてみませんか?
日々の小さな実践の積み重ねが、組織全体の集中力・創造性・人間関係を豊かにし、より健やかで生産的な職場づくりへとつながります。

記事の監修元:Upmindについて
東京大学発。主に150万ダウンロード超の国内最大のマインドフルネスアプリUpmindを開発。マインドフルネスが「科学的に効果が実証されている健康習慣」として広く認知され、日常生活に根づくように研究・普及活動を行っています。
法人企業様向けには、マインドフルネスで生活・仕事・睡眠の質を向上させるWELLNESS PROGRAMや、研修を提供しています。
公式サイト:https://upmind.co.jp/corporation-program
