MECE(ミーシー)とは?フレームワークやわかりやすい例について詳しく紹介

キーワードMECEとは

MECEは、企業や社員が直面する複雑で難しい問題の解決を手助けします。ロジカルシンキングを身につける際にも重要な分析手法です。

MECEの名前は聞いたことがあるけれど、どんなものかあまり良くわからない…という方々の疑問を解決できるよう、今回はMECEの意味から具体的な例まで詳しく解説しました。

MECE(ミーシー)とは?

MECE(ミーシー)とは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」という4つの単語の頭文字を取った言葉です。日本では、わかりやすく表すと「漏れもなく、ダブりもない」という意味で使われます。複雑であったり難しい問題を解決する際に使用すると効果的です。

なぜMECEが重視されているのか

ビジネスの場面では、常に社会や消費者が抱える様々な問題へ取り組まなければなりません。そのような時にMECEを用いると、物事を整理して論理的に解決することができるため、営業やマーケティングなど多くのビジネスの場面において重要視されています。MECEは、問題へ取り組む際に何度も類似する角度から思考することを抑制し、効率的な手順で解決まで導きます。

社風へのマッチ度で採用候補者の定着率・活躍度がわかる適性検査『テキカク』まずは資料ダウンロード

MECEとロジカルシンキング

ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれ、情報を一貫した道筋に沿って整理し、不合理がないよう論理的に考える方法や説明のことを指します。ロジカルシンキングは2000年頃にコンサルティング業界で生まれ、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の人物が紹介したことをきっかけに、ビジネス書等で人々から広く認知されるようになりました。MECEは、問題を多段階の構造的に表すピラミッド構造と並んで、ロジカルシンキングの基本概念とされています。

MECEを用いる際の基本の考え方

トップダウンアプローチ

トップダウンアプローチは、初めに全体を把握し、それを構成する大まかな枠組みを設定することで、小さな構成要素を分類していく考え方です。問題の全体的な様相が把握できている場合などに効果的な考え方です。この方法は全体を概観して見ているため、終着点を明らかにした上で問題を分析することができます。

ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチは、初めに小さな構成要素に着目し、それらを洗い出した後にグループ分けを行うことで、問題の全体像を導く考え方です。トップダウンアプローチとは、問題への取り組み方の順序が逆さまになっています。問題の全体的な様相が掴めない場合や、要素の分類が不明瞭である場合に効果的な手法です。

MECEの分析方法

MECEを用いた分析と問題の解決

要素を分解する

問題の全容からそれを構成する要素を取り上げます。分解された要素を最終的に全て合わせた状態が、問題の全容に当てはまるように枠組みごとに切り分けていきます。これらは「足し算型」や「積み上げ型」と呼称されるケースもあります。

時系列・工程ごとに分ける

解決したい問題の要素を順番や段階ごとに分けていきます。後述するバリューチェーンや製品ライフサイクル、AIDMAはその一例です。

対照概念を挙げる

取り上げる問題の構成要素について、それぞれに当てはまるような対照的概念を挙げます。重要と瑣末、メリットとデメリットのように相反する言葉を用いて要素を分析します。

因数分解

分析の対象を計算式で表し、小さな要素に分けます。例えば、「供給」を「生産数-不良品数」で表すといったことが、この場での因数分解に当てはまります。この計算式には、足し算・引き算・掛け算・割り算のいずれも用いることができ、それぞれ〜型(足し算型など)と呼ばれる場合もあります。

フレームワーク

フレームワークとは、分析を行う上で模範となる考え方の枠組みです。フォーマットのようなもので、これらに当てはめて問題について取り組むことで、簡単にMECEを用いることができます。

3C分析

3C分析とは、外部を取り巻く顧客(Customer)、競合会社(Competitor)、自社(Company)の3つの要素から分析するフレームワークです。それぞれの単語の頭文字を取って、3C分析と呼ばれています。これら外部要素の移り変わりや特徴について分析し、自社の事業戦略などを練ります。

SWOT分析

SWOT分析とは、自社内部の実状を示す強み(Strength)・弱み(Weakness)、外部の環境を示す機会(Opportunity)・脅威(Threat)の要素から、商機を見出すフレームワークです。それぞれの要素を表す単語の頭文字を取って、SWOT分析と呼ばれています。

4P分析

4P分析とは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの枠組みを用いて、製品やコンテンツなどをどのように売るかといったマーケティング戦略を練る際に用いられるフレームワークです。

PEST分析

PEST分析とは、政治面(Politics)、経済面(Economy)、社会/文化/ライフスタイル面(Society)、技術面(Technology)の4つの枠組みを用いて、企業が動かすことのできないマクロ環境の分析を行うフレームワークです。

バリューチェーン

バリューチェーンは、今までのフレームワークとは異なり、問題の構成要素を時系列・工程ごとに分けるためのフレームワークです。これを用いることで、一連の事業活動を主活動とそれを支える支援活動に分類し、工程ごとに改善点などを見つけ出します。

製品ライフサイクル

製品ライフサイクルは、バリューチェーンと同様に時系列・工程ごとに分けるためのフレームワークです。製品が市場に導入されてから衰退するまでの期間を、それぞれ導入期・成長期・成熟期・衰退期の4段階に分類するものであり、主にマーケティングの段階で用いられます。それぞれの段階に適した製品を提供することで、自社は市場において生き残っていくことができます。

AIDMA(アイドマ)

AIDMAも同様に、時系列・工程ごとに分けるためのフレームワークです。注意(Attention)、関心(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)の頭文字が取られており、顧客の態度が購買までにどのように変化するかを分析することができます。こちらも主にマーケティング戦略を立てる際に用いられます。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、分解した要素をツリーのような図に見える化し、論理的に問題の根本を探ることができるフレームワークです。視覚的・瞬間的に問題について把握することができ、複数人で話し合う際やボトルネックの特定などにも役立ちます。

MECEのわかりやすい例

当てはまる例

以下にMECEが当てはまる具体例を2つ挙げます。

①大学生を分ける

学部:経済学部、経営学部、文学部…

学年:1年、2年、3年…

学部ごと/学年ごとに分けることで漏れもダブりもなく分析することができます。注意すべき点は、留年や休学をした学生がいる可能性を考慮して、対象となる大学の滞在可能限度の学年まで含めることです。

②東京都を分ける

地区:多摩地区、中部地区、城北地区…

市区町村(群):西多摩群、立川市、練馬区…

大きな枠組みとして地区、小さな枠組みとして市区町村(群)で分けることで、漏れもダブりもなく分析することができます。

当てはまらない例

以下にMECEが当てはまらない具体例を2つ挙げます。

①課外活動ごとに大学生を分ける

課外活動:部活、サークル、なし

わかりやすいようにかなり限定的な項目を設定しましたが、この場合、部活とサークルの掛け持ちをしている学生はダブります。また、自治会などその他の課外活動をしている人は漏れてしまいます。

②東京都に住む人を分ける

職業:会社員、契約・派遣社員、パート・アルバイト、学生

この場合、学生とアルバイトを兼業している人はダブります。また、自営業や専業主婦、無職などの人は含まれず、漏れがあると言えます。

MECEの注意点

目的を見失わない

MECEを用いる際には、「漏れもなく、ダブりもない」分類を行うことは重要ですが、この分類を行うことに意識が集中し過ぎ、本来の目的である問題の解決などを見失わないようにすることが大切です。あくまでMECEは複雑な問題の解決を手助けするためのツールであり、目的ではありません。

分類できないパターンもある

具体例に示した通り、複数の項目に属する要素があるように、全てのものがMECEによって完璧に分類できるわけではありません。また、年齢のように明確に分類できるものとは違って、境界線が曖昧なものや見る人によって変わるもの、時代によって変化するものなど、明確に分類することができないものが数多く存在します。MECEを用いて分類が行き詰った際には、違った角度から対象を分類したりMECE以外の手法を用いるなど、柔軟に対応することが大切です。

要素の優先順位に注意する

MECEで要素を分解した後は、それぞれの小さな要素に優先順位を設けながら分析を行いましょう。いくら考えても目的の達成に至らない瑣末な要素に囚われるのではなく、問題解決に当たって重要な要素であるボトルネックを見極めて考えることが重要です。

まとめ

MECEは複雑な問題を解決する際に効果的な要素分解を行う分析手法であり、ロジカルシンキングの基本となる重要な概念でした。しかし、MECEを活用するためには、対象に対してどのようなフレームワークが当てはまるのかその都度判断したり、分解した要素に対して適切な分析方法は何か考えなければならず、非常に多くの手順が求められます。

そこで、組織の改善などの問題に取り組む場合には、計算されつくした設問から導かれる課題とその要因を知ることができるラフールサーベイがおすすめです。ラフールサーベイでは、組織のあらゆるリスクから会社を守るための情報はもちろん、組織のパフォーマンスを上げるための要素を正確に知ることができます。

組織と個人の可視化と行動変容を促す ラフールサーベイ

あの社員、最近元気がない気がする…」「コミュニケーションをもっと取った方がいいのかな?」とお悩みの人事担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。

組織改善ツール「ラフールサーベイ」は、1億2000万以上のデータを基に、従来のサーベイでは見えにくかった「なぜエンゲージメントが低いのか?」「高ストレス者のストレス因子は何?」といった低スコアの要因を可視化します。メンタル・フィジカルデータはもちろん、eNPSや企業リスクなど組織状態を可視化する上で必要な設問を網羅しているため、今まで気づかなかった組織の強みや、見えていなかった課題も見つかり、「次にやるべき人事施策」を明確にすることができます。

詳しくは以下からWebサイトをご覧ください。

組織改善ツール「ラフールサーベイ」
関連タグ

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

今週のイチオシ!コンテンツ

お役立ちセミナー

Follow Us!

SNSで、人事・経営者に役立つ情報をチェック!このサイトの更新情報もお知らせします

PAGE TOP