適性検査とは?29種類の特徴や選び方を徹底解説

この記事では、適性検査の目的や実施するタイミング、選び方のポイントを詳しく解説しています。また、実際に使われている29種類の適性検査も紹介しているので、参考にしてください。

面接では見極めにくい価値観や人物特性を可視化できる手法として「適性検査」があります。しかし「導入したいけれど種類が多すぎて分からない」と悩む人事担当者も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、適性検査の目的や実施するタイミング、選び方のポイントを詳しく解説しています。また、実際に使われている29種類の適性検査も紹介しているので、こちらも参考にしてください。

適性検査とは

まずは適性検査の概要を説明したあと、測定できる要素の種類について解説します。

適性検査とは

適性検査とは、受検者が業務に適した素質を持っているかを測定するツールです。

採用担当者の感覚や好みによる判断ではなく、客観的な基準を元に評価できるのが特徴です。新卒の採用活動だけでなく、中途採用や人材配置など人事業務のあらゆる場面で用いられています。

適性検査で測定できること

適性検査で測定する要素は、大きく分けると「能力検査」と「性格検査」の2種類です。

能力検査計算能力や論理的思考力、一般常識などを数値化し、働く上で必要な知的能力を測定する
性格検査考え方のクセや人格などを数値化し、特性を分析・測定する

働く上で必要な知的能力を測定する能力検査に対し、性格検査は、応募者に優劣をつけるためではなく「自社に合う人材かどうか」を見極めるために行われます。

適性検査の目的

適性検査はどのような目的で行われるのでしょうか?具体的な目的を3つ紹介します。

採用者の基礎能力を客観的なデータにする

適性検査では計算能力や論理的能力など、仕事をする上で必要な基礎能力を定量的に評価できます。客観的なデータをもとに判断できるので、効率的な採用活動に役立ちます。

書類選考や面接だけでは見極めにくい特性を可視化する

基礎能力に加えて、性格や思考のクセなど書類選考や面接では見極めにくい人物特性を可視化することも、適性検査の目的のひとつです。

面接では少なからず主観や好みが入ってしまうため、応募者の特性を正確に把握するのは難しいもの。しかし、適性検査を活用すれば客観的な基準に基づいた評価が可能です。

採用のミスマッチを防ぐ

採用のミスマッチを防ぐために、適性検査を行う企業も少なくありません。

適性検査ではスキルや能力だけでなく人物特性を可視化できるため、自社の社風にマッチした人材かどうかを判断する材料になります。

また適性検査の結果をもとにその後の選考が行えるので、応募者と企業の相互理解が深まりやすい点も、ミスマッチの防止につながる理由です。

適性検査の実施状況

dodaエージェントサービスの調査では、筆記試験ありの求人は中途採用全体の約半数を占め、そのうち9割以上が「適性検査」であることが分かっています。

以下、引用

・筆記試験ありの求人は全体の51%と、約半数の求人で筆記試験を選考に取り入れていることがわかりました。

・筆記試験の内容を見てみると、「性格適性検査+能力適性検査」を実施する求人が59%、「性格適性検査」が24%、「能力適性検査」が10%と、適性を見る試験が9割以上を占める結果となりました。

引用元:採用担当者のホンネ-中途採用の実態調査「筆記試験の実施率、試験内容は?」

中途採用の現場でも多くの企業が適性検査を実施しており、採用を判断する上で重要視していることが窺えます。

適性検査を行うタイミング

適性検査を実施するタイミングには「書類選考時」「面接時」「一次面接時」「最終面接時」の4つのタイミングがあります。それぞれにメリットデメリットがありますので、詳しくみていきましょう。

書類選考時

書類選考時に適性検査を行うメリットは、応募者を絞り込むことで効率よく採用活動が行える点です。また適性検査の情報をもとに面接が行えるのも利点です。

ただし、受験人数が多くなるため実施コストが高額になる点はデメリットです。また面接までに時間がかかるため、応募者が他社に流れてしまう可能性があります。

面接時

面接と同日に適性検査を行う場合のメリットは、会場設営や日程の調整などの手間が一度にまとめられる点です。

ただし、書類選考時に比べると応募者を絞り込む効果は限られます。

一次面接後

一次面接後に適性検査を行う場合は、書類選考時や面接時に比べると受験数が少ないため、実施コストが抑えられます。

ただし、書類選考時・面接時に比べると足切りの効果はこちらも限定的です。

最終面接後

最終面接後に適性検査を行うメリットは、適性検査の結果を人事情報として入社後も活用できる点です。

受験者数が少なくなる分実施コストは大幅に抑えられますが、選考ステップの削減にはつながりません。

適性検査の選び方

適性検査にはさまざまな種類があるため、どのように選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここからは、適性検査を選ぶときのポイントをご紹介します。

コストで選ぶ

予算を設定し、費用対効果の高いものを選びましょう。適性検査の実施にかかる費用は、受験者1人につき500円〜5,000円と幅があり、初期費用や年間利用料などが別途発生するケースもあります。

目標とする採用者数や必要な応募者数を洗い出し、自社の課題や検査の目的を明確にした上で、予算を設定するとスムーズです。

テスト形式で選ぶ

適性検査のテスト方式には「ペーパーテスト」「インハウスWEBテスト」「自宅WEBテスト」「テストセンターでのWEBテスト」の4種類があります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、特徴を捉えた上で自社に合ったテスト形式を選びましょう。下記に特徴をまとめましたので参考にしてください。

メリットデメリット
ペーパーテスト・不正リスクが低い・会場運営や日程調整などに手間がかかる・集計と分析に時間がかかる・コストが高額になりやすい
インハウスWEBテスト・不正リスクが低い・比較的コストが安くなる・会場設営や日程調整、パソコンの用意などに手間がかかる
自宅WEBテスト・会場準備が不要・居住地を問わず受験してもらえる・替え玉受験やカンニングのリスクが高い
テストセンター・会場準備が不要・コストが高額になりやすい

所要時間で選ぶ

適性検査と一口にいっても、5分程度で終わるものもあれば1時間以上かかるものもあります。所要時間によって運営のしやすさも変わるため、よく検討しましょう。

例えば対面の紙受検を実施した場合、所要時間が長くなると、試験監督と受検者の負担が増えてしまいます。人事担当者の労力や受検者の時間的な負担にも配慮が必要です。

検査内容で選ぶ

適性検査によって測定できる内容は異なるため、目的に合った質問項目が用意されているかを確認してください。また、なかには適性ではなく不適性を表示するものもあるため注意しましょう。

検査結果のまとめ方で選ぶ

結果のまとめ方は適性検査によって異なるため、レポートの形式を確認しておくことも大切です。

例えば、特性を10段階で評価するものや、早期離職の可能性を表示するもの、なかには採否判定まで表示するものもあります。適性検査を行うことで、何を一番把握したいのかに合わせて選びましょう。

適性検査29種類まとめ

適性検査にはさまざまな種類があります。ここでは、29種類を表にまとめました。適性検査を選ぶ際の参考にしてください。

テスト形式所要時間コスト測定内容使用用途
玉手箱ⅢWebテスト49分年間利用料120~250万円
受験料500円〜1,000円
知的能力パーソナリティ採用(新卒・中途)
tanΘ(タンジェント)Webテスト適性検査15分能力検査3科目(各15分)従量課金プラン
適性検査 受検料金2,000円/件
能力検査 受検料金1,000円/件
定額プラン
受検料金4,000件まで 適性検査2,000,000円/年 能力検査1,000,000円/年
性格欲求思考タイプ採用(新卒・中途)組織分析人材配置
GROW360Webテスト要確認AIデータ管理料 年間10万円 受験料 4,000円/名受検サポート費 10万円〜気質コンピテンシースキルバイアス採用研修社内評価組織開発
DATA-OAWebテスト態度能力 20分知的能力 45分5,000円/名態度能力(対人関係処理能力+意欲)・知的能力(言語・計数)情報技術者の適性判定採用(新卒・中途)適正配置人材育成管理者登用
アッテル(Attelu)Webテスト20分〜スモールプラン 1万円〜/月
スタンダードプラン 3万円〜/月
コンサルティングプラン 要見積もり
資質診断・基礎能力(学力テスト)入社後活躍、退職シミュレーション早期退職予測など
※プランによって診断範囲が異なる
活躍人材の定量化分析採用適正配置
ミキワメWebテスト性格検査10分能力検査20分500円/名システム手数料3万円〜/月性格検査能力検査採用組織分析
TALWebテスト20分初期費用 1万円(税別)検査分析料金 3,500円(税別)/名コミュニケーション力ストレス耐性責任感積極性行動力など採用(新卒・中途)
eF-1GWebテスト30分〜1時間程度企業アカウント利用料 117,600円/年
診断受検料性格診断+能力テスト 3,000円/名性格診断のみ 2,000円/名能力テストのみ 1,000円/名
性格診断・能力テスト測定項目数は194項目採用(新卒・中途)育成・登用
ミツカリWebテスト10分ベーシックプラン 2,000円/名 
エンタープライズプラン 20,000円/月 ※年間契約・一括払い
ストレス耐性ソーシャルタイプ人材タイプ分析採用(新卒・中途)人材育成適性配置
PETⅡWebテスト10〜15分1受験1,500円の従量料金のみ年間使い放題プランあり組織管理者適性診断メンタル診断組織文化適合度診断採用人材育成カウンセリング
DSIペーパーテスト約20分900円/部営業力・販売力を予測経験年数と年齢から評価営業職・販売職の選考・評価・採用
DIIペーパーテスト50分900円/部知的能力採用選考管理職登用
V-CATペーパーテスト50分要問い合わせストレス耐性対人能力持ち味採用(新卒・中途)教育・育成
内田クレペリンペーパーテスト約50分個別診断的判定2,420円個別診断的判定(曲線類型判定のみ)770円能力・性格・行動面の特徴採用(新卒・中途)適正配置メンタルヘルス外国人の雇用
DPIペーパーテストWebテスト約20分DPI 900円/部
DPI-COM(DPIのコンピュータ版) 2,500円/名
Web-DPI(DPIのWeb版)2,500円/名
態度能力(対人関係処理能力+意欲)採用選考適正配置人材育成管理職登用
DBITペーパーテストWebテスト20分900円/名基礎言語能力数的理解能力採用(新卒・中途)※高等学校卒業程度対象
CompassペーパーテストWebテスト20分通常プラン2,000円/名(年間利用100名以下)
半額プラン1,000円/名(年間利用100名以上)
基本料 10万円/年
行動予測ストレス耐性対人コミュニケーション抑うつ傾向新卒採用キャリア採用配置配属
DISTペーパーテストWebテスト5~10分DIST 900円/部
Web-DIST 1,500円/名
原因別ストレス耐性ストレス対処資質採用研修教育
CUBICペーパーテストWebテスト20分〜Webは定額プラン紙受験ならイニシャルコストのみもあり
※詳細は問い合わせ
パーソナリティストレス耐性基礎的な社会性など採用選考社員教育・育成組織の現状分析
3EテストペーパーテストWebテスト35分(知的能力テスト20分・性格・価値観テスト15分)Webパックプラン基本料金15,000円/月採点料3,200円/件
ペーパーテスト20部 7万円
創造的思考性コミュニケーション力ストレス耐性知的能力など採用(新卒・中途)適性配置社員のストレスケア
TAPOCペーパーテストWebテスト40分ペーパーテスト1~50人まで450円(税別)/名
Web方式採点料金 1,000円(税別)/名
総合的な事務処理能力学習適性就業適性採用(新卒・中途)教育・研修適性配置
TAPペーパーテストWebテスト60分(総合タイプ)問題用紙料 7,700円/20名分
Web版採点料 1,320円/名
ペーパーテスト版採点料 1,100円/名
初期登録料 33,000円
能力問題(言語・数理・論理)性格検査(職務バイタリティ・対人的側面・行動的側面)採用(新卒・中途)
HCi-abペーパーテストWebテスト45分最初の1名 2,000円(税別)
2名目以降一律 1,000円(税別)/名
言語・数理・時事分野採用(新卒・中途)
HCi-ASペーパーテストWebテスト約10分1~30名まで 4,000円/名
31~100名まで 3,500円/名
100名超の場合 3,000円/名
※導入時に50,000円の基本料金が必要※税別
目標追求力対人力主体性ストレス耐性採用(新卒・中途)育成・指導外国人の雇用
不適性検査スカウターペーパーテストWebテスト30分能力検査 0円/名資質検査 864円/名精神分析 540 円/名定着検査 540円/名
ペーパーテスト購入費用 648円/1枚
能力検査資質検査精神分析定着検査採用(新卒・中途)
CABペーパーテストWebテスト95分問題冊子価格 600円採点処理価格 3,500円暗算法則性命令表暗号パーソナリティ(OPQ)SE・プログラマーの職務適性診断
SCOAペーパーテストWebテストテストセンター基礎能力 SCOA-A 45〜60分
基礎能力 SCOA-F 50〜65分


SCOA cross方式  4,900円/名(SCOA-Aのみ)
ペーパーテスト方式  2,000円/名
テストセンター方式  3,900円/名※税別
基礎的な知的能力(言語・数理・論理・常識・英語)採用(新卒・中途)社内登用試験昇進昇格試験正社員転換試験
GABペーパーテストWebテストテストセンター90分問題冊子価格 600円採点処理価格 3,500円知的能力(言語・計数)パーソナリティ新卒の総合職採用
SPI3ペーパーテストWebテストテストセンターテストセンター65分(能力検査35分・性格検査30分)
WEBテスト65分(能力検査35分・性格検査30分)
ペーパーテスト110分(能力検査70分・性格検査40分)
初期費用 0円 
大卒採用の場合 5,500円/名中途採用の場合 4,000円/名高卒採用の場合(ペーパーテスト)5,000円/名※税別
能力・職務や組織への適応のしやすさ・性格特徴採用(新卒・中途・高卒)

適性検査の結果はどう生かす?

ここでは、適性検査の具体的な活用方法をお伝えします。

スクリーニングに生かす

スクリーニングとは「選別」を意味する言葉です。採用においては、自社の採用基準に満たない人材をふるい分けることをいいます。また特定の要素を抽出するという意味もあります。

適性検査を活用すれば、例えば「ストレス耐性」「コミュニケーション力」など企業が重視する特定の要素のポイントが高い人材を抽出することも可能です。

客観的なデータから適性のある人材か判断する

面接とは異なり、適性検査では結果が数値化されます。客観的なデータを元に評価できるため、会社との相性が良い人材や業務への適性を判断しやすくなります。

SPIなど受検者数が多い適性検査の場合は、全国の数万人のデータと比較できるので、優秀な人材を見つけるのも容易です。

また同じ適性検査を続ければ「どういった人材が自社にマッチするのか」「どんな特性を持つ人材が成果をあげているか」など、社内の独自データとして活用することも可能です。

まとめ

適性検査とは、応募者のスキルや特性などを客観的な基準のもと測定する手法のひとつです。

また面接では見極めにくい応募者のパーソナリティも可視化できるため、採用担当者の感覚や好みに左右されない採用活動が行えます。

適性検査にはさまざまなサービスがあるため、予算やテスト形式、所要時間などを考慮しながら自社に合ったものを選択しましょう。適性検査をうまく活用することで、採用活動の質を高められるはずです。

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