セルフケア

強みを活かしてウェルビーイングを高めよう!強みの考え方と見つけ方

ウェルビーイングを高め、幸福度を持続的に高めていくうえで「強み」はとても大切な要素です。多様性が求められる社会において、個人の持つ強みを意識的に活用していくことは、1人ひとりにとっても、組織にとっても重要。

しかし、自分の強みって何だろう、得意なことと今の仕事とがマッチしているのかわからない、または強みが見つからないと悩む人もいるでしょう。

今回は、ポジティブ心理学を手掛かりにしながら強みについて整理し、自分でも気づきにくい強みを発見・開発していくための方法やコツを紹介します。

ウェルビーイングにつながる強みとは?ポジティブ心理学における強み

ポジティブ心理学のセリグマンは、幸福には5つの要素があり、それを支えているものは1人ひとりが持つ強みだと言います。1人ひとりの持つ強みは多様であり、それが1人ひとりの幸せの在り方を他の人とは比べることのできない世界に1つのものとして形作っていくのです。

しかし、強みとは意外と自分では気づきにくいもの。深く掘り下げていくために、ポジティブ心理学で整理されているポイントを見てみましょう。

強みの特徴3つの「E」

二―ミック博士は、強みの特徴を3つのEで整理し、全て当てはまるものを「強み」としています。

Essential(本質的):その「強み」を発揮しているときの自分が、本来の自分だと感じる。

Energized(活力のある):その「強み」を発揮しているとき、エネルギーが満ちる感じがする。

Easy(簡単にできる):その「強み」を発揮することは自分にとって簡単であり、ほぼ無意識のうちに行える

つまり、自分らしさを発揮でき、わくわし、効率よく行えることが自分にとっての強みです。仕事においても、自分にとって強みを生かせる仕事は何か、どうすれば満たしていけるかを考えるうえでも、3つのEはとても参考になる視点です。

キャラクターストレングス 24のポジティブな徳性

ポジティブ心理学では、「キャラクターストレングス (Character Strengths)」と呼ばれる24個の普遍的な「強み」を規定しています。これらは数年にわたる調査研究結果をもとに整理されたもので、国や地域の文化的背景を超えた普遍的で価値あるものとして定義づけられました。

知恵・知識勇気人間性正義節度超越性
・創造性
・好奇心
・向学心
・知的柔軟性 大局観
・誠実さ
・勇気
・忍耐力 熱意
・親切心
・愛情
・社会的知性
・公平さ
・リーダーシップ
・チームワーク
・寛容さ
・謙虚さ
・慎重さ
・自制心
・審美眼
・感謝
・ 希望
・ ユーモア
・ スピリチュアリティ

 キャラクターストレングスとつながる5つの強みのカテゴリー

「強み」は多岐にわたりますが、ニーミック博士は5つのカテゴリーに分類しています。自分の強みをカテゴリー別に整理していくと、「スキル面が充実している」「協力してくれる人材に恵まれている」といったように、自分の特徴が見えてきますね。

1.才能:持って生まれた能力。 

2.スキル系:訓練によって身につけたある特定の技術。 

3.興味・関心:自分が好きなこと、夢中になれること。 

4.外的リソース:人間関係や生活環境、経済的状況など。 

5.価値観:自分が大切にし、行動の指針にしているもの。 

キャラクターストレングスは、5つの強みの核となり、原動力となるものです。ある分野への高い興味・関心は、それを追求していくキャラクターストレングスの「熱意」や「忍耐力」があってこそ形になっていきます。

強みが見つからない?見つけるためのコツとは

強みが見つからない人は、強みがないから見つからないわけではありません。見つけるためには、コツを踏まえることが重要です。

強みとは何かを把握する

そもそも強みとは何か、視点を持たずに自己分析しても、せっかく持っている強みを見過ごしたり、過小評価してしまっていることもあるでしょう。前項で紹介した強みの理論に沿って自分を見直していくと、現在の自分が持つ強みの傾向が見えやすくなります。また、ウェルビーイングを高めるために自分の強みをどう活かしていくか、考えるための参考になります。

弱みに焦点を当ててしまっていないか

「強みは見つからないけれど、弱みならたくさんある」という人もいるでしょう。強みを見つけて伸ばすのではなく、普段からマイナスの側面に意識が向いていたり、弱みを克服することにばかりエネルギーを使っていると、強みを発見・活用しにくくなってしまいます。強みのない人などいません。どんな小さな強みも全てすくいあげるつもりで、強みを意識しましょう。

自分を客観的・俯瞰的に見る

自分について固定観念を持ってしまっていると、せっかくの強みを見逃してしまうこともあります。たとえば自分では数字や計算が苦手と思っていても、ソフトやアプリを使った計算書の作成スキルは高く、周りから重宝されているという人もいるでしょう。自己分析をするときは、「自分は〇〇な人間だから」といった思い込みをいったん脇に置いて、別の人物の視点で眺めるように自分を捉え直しましょう。 

自分の中にある強みを引き出す・見つける方法

自己分析―強みと弱みを書き出す

最も簡単な方法は、自分で自分の強みを書き出すこと。強みのリストなども参考にしながら、たくさん書き出します。弱みしか見つからない場合は、それも書きましょう。よくみていくと、その弱みは見方を変えると強みに言い換えられるはずです。

強みと弱みは表裏一体。ポジティブな側面として伸ばしていくことができるのです。

強みを見つける診断を活用してみる

自分では気づきにくい強みを発見したい人は、質問に答えることで、強みを客観的に測定してくれる診断ツールを活用することもおすすめです。

VIAーISは、ポジティブ心理学の実験と検証を積み重ねて作られ、世界中で活用されている強み診断ツールです。 選択式の設問に回答していくと、上述の24の強みが数値化され、自分の特徴的な強みを把握していくことができます。

https://www.viacharacter.org/

出典:VIA

他の人の目線で考える

自分のことは自分が一番知っていると考えがちです。しかし、自分では当たり前のようにできるのでその価値を感じなくても、人から見ると価値ある強みに見えることもあります。同僚や上司から感謝されたり褒められたりしていることはないでしょうか。 

こうなりたい・身に着けたいことを伸ばす

変化がめまぐるしい現代社会では、日々新たな課題に直面します。慣れ親しんだスキルが通用しなくなり、職務を遂行するためには学び直しが必須です。

まだ身についていない知識やスキルも「この分野のエキスパートになる」と決めて取り組めば、強みを増やすことにつながります。

新しいことにチャレンジしてみる

自分の可能性を広げるために、新たな知識やスキルを学んでみるのもおすすめです。意外な得意や強みを発見できるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。強みを活かして仕事をしていくと満足度が高まりそうだとわかっていても、自己流では強みを見つけるのが難しかったり、活かしきれなかったりすることもあるでしょう。


ウェルビーイングを高めることにつながるポジティブ心理学の強みに関する考え方を手がかりに、自分の強みを発見・開発していきましょう。

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